この記事は、z/OSのパラメータを見直す シリーズです。
IEAOPTxx (SRM関連パラメータ)
概要
PARMLIBメンバー IEAOPTxxは、SRM(System Resource Manager)の定数や、プロセッサに関連するオプションを設定するメンバーです。
SRMはシステムのリソース(CPU、メモリ、I/Oなど)をどのタスクに割り当てるのか、様々な要素から判断し、調整する機能です。
現在のz/OSでは、ワークロード管理はWLMで行っていますが、WLMはワークロード管理の設定を人間に分かりやすく提供するための機能であり、WLMは設定を元にSRMを制御しているだけで、実際のリソース調整はSRMが行っています。
SRMが実際に何をやっているのかというのは、マニュアルの「z/OS MVS Initialization and Tuning Guide」に概要が記載されています。
リンク:The system resources manager
(当記事では、マニュアルは英語版のリンクを記載しています。z/OS 3.1あたりから、日本語訳が怪しいため、日本語版を参照するときにはご注意ください。)
WLM(特にGoal Mode)が標準機能となるまでは、IEAOPTxxのSRM関連パラメータを設定する事で、様々なリソース調整を行う事が可能でした。H/Wやプログラムの深い知識を有するユーザーでは、当時のマシンの限られたリソースを有効活用するために、IEAOPTxxにパラメータを設定する事もありました。
ところが、当時は今のように電子ファイルとして設計書が作られていたわけではないため、紙の設計書が残っていなかったり、パラメータ設定の経緯等を知っている人が居なくなったシステムでは、IEAOPTxxのパラメータは「触らぬ神に…」状態となっている場合があります。
また、IEAOPTxxのパラメータはDISPLAYコマンドで確認できないため目立ちにくく、理解には少し深い知識を必要とするため、OSバージョンアップの際も「現行踏襲」とする事に違和感を持ちにくいパラメータでもあります。
廃止パラメータのお掃除
IEAOPTxxを見直すにあたり、まずは廃止パラメータのお掃除をしましょう。
上に書いた通り、何十年も前から設定したまま、放置されているパラメータが存在している可能性があります。SRM関連パラメータには、廃止されたものが多くあります。
もしIEAOPTxxにパラメータが大量に指定されているようであれば、マニュアル(RMF MonitorIIのOPT Settingsパネルでも可)に記載されていないパラメータを洗い出し、削除する事で、スッキリするはずです。
デフォルト値設定の削除検討
IEAOPTxxのIBM提供メンバーは「ERV=500」の一行だけが記載されたものです。(おそらく、ERVが重要というわけではなく、nullにするわけにはいかないので一番文字数の少ないパラメータを記載しただけと思われます。)
IEAOPTxxの推奨設定は、特別な要件が無い限り、基本的にデフォルト値です。
PARMLIBでは、デフォルト値を採用する場合でも、設定値を分かりやすくするために明記するという方針も理解できなくはないのですが、IEAOPTxxの場合はお薦めできません。
理由は、OSバージョンアップやPTF適用によりIEAOPTxxのデフォルト値が変更された場合、現行踏襲する事で推奨設定から逸脱してしまう可能性があるためです。
デフォルト値から逸脱する事で、直ちに障害が発生する可能性は低いとは思いますが、最良のパフォーマンスを得ることができなかったり、筐体全体のリソースを無駄遣いしてしまう可能性があります。
実際に問題が発生する可能性のある例については、後の記事に記載します。