VPNとは?
VPN(仮想プライベートネットワーク)とは、インターネット上に安全な専用線を仮想的に構築する技術です。
通常のインターネット通信は、送信元から目的地まで平文で流れるため、途中で盗聴されたり改ざんされる可能性があります。
VPNを使うと、以下の仕組みで安全性を確保できます。
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暗号化トンネル
通信内容を暗号化し、外部からは解読できないようにする。 -
IPアドレスの置き換え
実際の接続元ではなく、VPNサーバーのIPが見えるため、位置情報を偽装できる。
主な用途
1. セキュリティ強化
カフェや空港のフリーWi-Fiでは盗聴リスクがあります。VPNを使えば通信が暗号化され、安全に利用できます。
2. プライバシー保護
インターネットプロバイダや広告業者が、あなたの行動をトラッキングするのを防ぐことができます。
3. 地域制限回避
NetflixやYouTubeなど、国ごとに制限されているコンテンツをVPN経由でアクセス可能。
4. リモートワーク
社内ネットワークに外部から安全にアクセスするため、企業が社員向けに提供しているケースも多いです。
VPNの種類
商用VPN
- 例:NordVPN、ExpressVPN、Surfshark
- 世界各国にサーバーを設置し、簡単に利用できる。
- 個人向けに人気。
企業VPN
- 例:Cisco AnyConnect、OpenVPN、WireGuard
- 社員が社内ネットワークへ安全にアクセスするために利用。
自作VPN
- VPS(仮想サーバー)+WireGuardやOpenVPNを導入して、自分専用VPNを構築。
- コストは安いが、管理やセキュリティ知識が必要。
メリットとデメリット
メリット
- 通信のセキュリティ向上
- プライバシー保護
- 海外サービス・コンテンツへのアクセス
デメリット
- 通信速度が落ちる可能性あり
- 一部サービスではVPN接続をブロックされる
- 無料VPNは危険(ログ収集や通信内容の売買リスク)
VPNのプロトコル
VPNを実現するためには複数のプロトコルが存在します。代表的なものを比較します。
| プロトコル | 特徴 | セキュリティ | パフォーマンス | 用途 |
|---|---|---|---|---|
| PPTP (Point-to-Point Tunneling Protocol) | 古い規格、広く普及 | 弱い(既に非推奨) | 高速だが脆弱 | レガシー環境 |
| L2TP/IPsec | IPsecで暗号化 | 強固 | 中速 | 企業VPN |
| IKEv2/IPsec | モバイル向けに最適、再接続に強い | 強固 | 高速 | スマホ・企業利用 |
| OpenVPN | オープンソース、柔軟性高い | 強固 | 中速 | 商用VPNで主流 |
| WireGuard | シンプル設計、最新暗号利用 | 強固 | 非常に高速 | 次世代VPN |
まとめ
VPNは、現代のネット利用におけるセキュリティ・プライバシーの必須ツールといえます。
特に公共Wi-Fiをよく使う人や、海外のサービスを利用したい人には大きなメリットがあります。