はじめに
——XML や Fragment は今でも必要なの?
近年の Android 開発は、Jetpack Compose の登場によって大きな転換期を迎えました。
Kotlin が標準言語になり、UI も Compose が主流となりつつあります。
それでも現場では、XML や Fragment などの“旧来の技術”がまだまだ息をしています。
では、2025 年に Android を学ぶとしたら、何を優先すべきなのか?
XML や Fragment はどこまで必要なのか?
この記事では、最新の Android 学習ロードマップを、現場のリアリティを交えながら整理します。
1. 2025 年の Android 開発の主役たち
まず押さえておきたいのは、Google が推奨する現在の標準構成です。
- 言語:Kotlin(事実上の標準)
- UI:Jetpack Compose(新規開発の第一候補)
- 状態管理:StateFlow / MutableState
- アーキテクチャ:MVVM + Clean Architecture
- DI:Hilt
- 永続化:Room / DataStore
- ネットワーク:Retrofit / OkHttp / Ktor
つまり:
Compose + Kotlin + Jetpack が現代 Android の“正攻法”
2. では XML と Fragment は“もういらない”のか?
結論を先に言うと——
XML/Fragment は未来ではないが、まだ “避けて通れない”
現実の開発現場は、以下の理由でまだ使われています。
2.1 多くの企業の既存プロジェクトが XML + Fragment で作られている
日本は特にその傾向が強く、
- 画面は XML
- ページ遷移は Fragment
- リストは RecyclerView
という構成のアプリが非常に多いです。
やったことがないと、レビュー時に動けなくなる。
2.2 面接ではいまだに “Fragment ライフサイクル” が定番
面接でよく出ます:
- Activity と Fragment のライフサイクル
- onCreateView と onViewCreated の違い
- FragmentManager / BackStack
Compose だけ知っていても、ここで落ちます。
2.3 Compose だけでは触れない古い UI もある
カスタム View、MapView、WebView、既存ウィジェットなど
View ツリーの理解も依然として必要。
2.4 【まとめ】XML・Fragment の必要度
| 技術 | 必要度 | 理由 |
|---|---|---|
| XML | ★★★★☆(基礎は必要) | 旧プロジェクトが大量に存在 |
| Fragment | ★★★★☆(読めて修正できるレベル) | 面接・現場で頻出 |
| ViewBinding | ★★★★☆ | XML の相棒として現役 |
| DataBinding | ★★☆☆☆(ほぼ不要) | Compose の台頭で衰退 |
| RecyclerView | ★★★★★(今も主力) | 旧/新問わず現役 |
| AsyncTask/Loader | ☆☆☆☆☆ | 完全な化石。触らない |
3. 2025年の学習ロードマップ(現代的+現実的)
未経験・独学でも、最速で実務レベルに到達できる順番になっています。
【第1段階】Android の基礎(必須)
- Kotlin
- Activity ライフサイクル
- Intent / Service / BroadcastReceiver
- アプリのプロセス・タスクスタック
基礎を押さえないと、Compose も活かしきれません。
【第2段階】旧体系の理解(“深くなくていい”)
目的:既存コードにビビらないこと。
- XML レイアウト
- ConstraintLayout / LinearLayout
- Fragment(ライフサイクル+ナビゲーション)
- RecyclerView
- ViewBinding
「読めて直せる」レベルで十分。
「高度な Fragment 遷移制御」までは覚えなくていい。
【第3段階】主流技術(ここが本丸)
- Jetpack Compose
- Navigation Compose
- ViewModel + StateFlow
- Room
- DataStore
- Hilt
- Coroutines(suspend / Flow / structured concurrency)
2025 年の開発の中心。
これを軸にすれば、どの企業でも通用します。
【第4段階】実務レベルを超える領域
- Clean Architecture
- Repository / UseCase の導入
- Retrofit / OkHttp / Ktor
- Error Handling & safeApiCall()
- Multi-module 化
- Compose Animation / Gesture
- メモリリーク対策 / パフォーマンス最適化
ここまで来れば、上級エンジニア領域に入ります。
4. 学ばなくていい(完全に不要)
- AsyncTask(完全削除済)
- Loader / CursorLoader(骨董品)
- DataBinding(Compose によって役目終了)
- ActionBar(Toolbar が標準)
- FragmentPagerAdapter(ViewPager2 で置換)
迷わず捨てて大丈夫です。
まとめ
最後に一言でまとめるなら——
“未来の開発” は Compose、
“現場の実務” は XML + Fragment。
そして、
Kotlin + Clean Architecture を軸に学べば絶対に強くなる。
XML や Fragment は “深入り不要”
Compose は “深く学ぶほど価値がある”
これが 2025 年時点での最適解です。