【Kotlin】Kotlin の open と final を 理解する

はじめに

Kotlin ではクラスやメンバーを宣言するとき、Java と異なるデフォルト挙動を持っています。
デフォルトは final（継承禁止） であり、継承やオーバーライドを許可する場合に open を明示する必要があります。

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1. final とは？

final は「それ以上の拡張を禁止する」という意味です。

• クラスに付けると → 継承できなくなる
• メソッドやプロパティに付けると → オーバーライドできなくなる

Kotlin のクラスは デフォルトで final なので、明示的に書かなくても継承不可です。

class Animal {
    fun speak() {
        println("動物が鳴く")
    }
}

// class Dog : Animal() { } // エラー: Animal は継承できない

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2. open とは？

open は「拡張を許可する」という意味です。
クラスやメンバーを継承・オーバーライド可能にするには open を付けます。

open class Animal {
    open fun speak() {
        println("動物が鳴く")
    }
}

class Dog : Animal() {
    override fun speak() {
        println("ワンワン!")
    }
}

val dog = Dog()
dog.speak() // ワンワン!

Java ではクラスはデフォルトで open ですが、Kotlin は逆に デフォルトで final。
これは 安全性と明示性を重視した設計です。

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3. final と open の組み合わせ

クラスは final がデフォルト

class A // final
open class B // open

メンバーは final がデフォルト

open class Base {
    fun foo() {}             // final → オーバーライド不可
    open fun bar() {}        // open → オーバーライド可能
}

override はデフォルトで open

open class Parent {
    open fun speak() {}
}

class Child : Parent() {
    override fun speak() {}  // デフォルトで open（さらに override 可能）
}

class GrandChild : Child() {
    override fun speak() {}  // オーバーライド可能
}

ただし、明示的に final を付ければ「これ以上のオーバーライド禁止」になります。

class Child : Parent() {
    final override fun speak() {} // 以降はオーバーライド不可
}

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4. abstract と open

• abstract は 必ずサブクラスでオーバーライドしなければならない
• abstract メンバーは暗黙的に open
• open は「オーバーライドできる」だけで、必須ではない

abstract class Shape {
    abstract fun draw() // 実装必須
}

class Circle : Shape() {
    override fun draw() = println("円を描く")
}

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まとめ

• Kotlin のクラスとメンバーはデフォルトで final
• 継承やオーバーライドを許可するには open を明示する必要がある
• override は暗黙的に open → さらに final を付ければ制御可能
• abstract は暗黙的に open であり、実装を強制する