【Dart】DartのFuture— 非同期処理の基本を完全理解する

はじめに

DartやFlutterで開発していると、Future というクラスを頻繁に目にします。
ネットワーク通信やファイル読み込みなど、「今すぐには結果が得られない処理」を扱うときに欠かせないのが Future です。

この記事では、

• Future の基本概念
• 状態とライフサイクル
• then()・async/await の使い方
• エラー処理と複数Futureの並行実行
  までを順に整理していきます。

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Futureとは何か？

Future は「将来得られる値（結果）」を表すクラスです。
非同期処理の結果を 「約束（Promise）」 のようにラップします。

Future<int> fetchData() async {
  await Future.delayed(Duration(seconds: 2));
  return 42;
}

この関数はすぐに値を返しません。
2秒後に「42」を返す Future<int> オブジェクトを返します。

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Futureのライフサイクル

状態	意味
未完了 (Uncompleted)	処理がまだ終わっていない
完了（成功）(Completed with value)	結果が返された
完了（失敗）(Completed with error)	エラーで終了した

final future = fetchData(); // 状態: 未完了
future.then((value) => print('結果: $value')); // 完了したら呼ばれる

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then()による結果の取得

Future.then() を使うと、完了時の処理を登録できます。

fetchData()
  .then((value) {
    print('取得結果: $value');
  })
  .catchError((error) {
    print('エラー発生: $error');
  });

• then() → 成功時に呼ばれる
• catchError() → 失敗時に呼ばれる

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async / await構文

then() チェーンは読みにくくなりがちです。
そのため Dart では async / await を使って、同期的な書き方ができます。

void main() async {
  try {
    final result = await fetchData();
    print('結果: $result');
  } catch (e) {
    print('エラー: $e');
  }
}

await は 「Futureの完了を待って次の行に進む」 という意味です。

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エラー処理

Futureがエラーで完了した場合、catchError() または try-catch で処理します。

Future<void> riskyOperation() async {
  throw Exception('失敗しました');
}

void main() async {
  try {
    await riskyOperation();
  } catch (e) {
    print('エラーを捕捉: $e');
  }
}

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複数のFutureを並行実行する — Future.wait()

複数の非同期処理を同時に実行して、すべて完了するまで待つこともできます。

final results = await Future.wait([
  fetchData(),
  Future.delayed(Duration(seconds: 1), () => 10),
]);

print(results); // [42, 10]

Future.wait() は「全てのFutureが完了したときに、リストで結果を返す」。

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チェーンと変換

then() を使えば、Futureの結果を次のFutureに渡す連鎖処理も可能です。

Future<int> doubleValue(int x) async => x * 2;

fetchData()
  .then(doubleValue)
  .then((v) => print('倍の値: $v'))
  .catchError((e) => print('エラー: $e'));

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Futureの型と戻り値

Future<T> の <T> は戻り値の型を表します。

関数の戻り値	意味
Future<int>	将来 int が返る
Future<void>	値を返さない（ただ完了を待つ）
Future<List<String>>	将来 List<String> が返る

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実践例：API通信をシミュレート

Future<String> fetchUserName() async {
  await Future.delayed(Duration(seconds: 2));
  return "Anna";
}

Future<int> fetchUserAge() async {
  await Future.delayed(Duration(seconds: 3));
  return 28;
}

void main() async {
  print("取得中...");
  final results = await Future.wait([
    fetchUserName(),
    fetchUserAge(),
  ]);
  print("ユーザー: ${results[0]}（${results[1]}歳）");
}

出力：

取得中...
ユーザー: Anna（28歳）

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まとめ

概念	説明
Future	将来完了する非同期処理の結果を表す
then()	完了後に実行するコールバックを登録
await	Futureが完了するまで待機する
catchError / try-catch	エラー処理
Future.wait()	複数の非同期処理を同時に待つ