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Azure ML Python SDK を使う2:データセットをインプットとして使う - その2

Last updated at Posted at 2020-11-02

#今回の内容
Azure ML Python SDK を使う:データセットをインプットとして使う - その1 ではインプットデータセットはスクリプト script.py を呼出す側で指定しました。
Azure Machine Learning Workspace ではデータセットを登録(Register)することができるので、script.py の中で勝手に取出して使わせたいと考えるのは自然だと思います。
今回はその方法について紹介します。

#登場アイテム
今回登場するアイテムは次のとおり。

  • CSVファイル(運用を意識して Azure Blob Storage に配置されていると仮定)
    • ここで CSV ファイルは Azure Machine Learning Studio UI で登録済とする
  • リモート仮想マシン(以降 Azure ML の用語を用いて "コンピューティングクラスター")
  • Jupyter Notebook
    • Azure Machine Learning Studio のコンピューティングインスタンスから起動したもの

前回は Jupyter Notebook ではなくローカル PC( Visual Studio Code, Azure ML Python SDKがインストール済)としていましたが、リモートのコンピューティングクラスターをスクリプト実行に使うという観点でどちらも同じになります。Azure Machine Learning Studio のコンピューティングインスタンスから起動する Jupyter Notebook は、コンピューティングインスタンスを再作成することで最新の Azure ML Python SDK version を利用することができるので便利です。ここでは カーネルとして Python 3.8 - AzureML を、Azure ML Python SDK として 1.33.0 を使っています。

Azureml2.png

Notebook のフォルダー構造は次のようになっている前提で記述します。Azure ML Workspace 環境内なので config.json は考慮する必要はありません。

20220704_2.png

今回の例でも script1.1.py は blob Storage 上の CSV ファイルを Read して outputs ディレクトリに書きだすだけの簡単な内容です。
同様に script1.1.py をコンピューティングクラスターに送りこんで実行させるのが HelloWorld1.1.ipynb の役目になります。

HelloWorld1.1.ipynb の手順は以下のとおり。前回と違って Blob Storage 上の CSV ファイルパスを指定するステップがありません。
Azureml5.png

手順

順番に手順をみていきます。

  1. パッケージの読込み

    まずパッケージを読込みます。

    
    from azureml.core import Workspace, Experiment, Dataset, Datastore, ScriptRunConfig, Environment
    from azureml.core.compute import ComputeTarget
    from azureml.core.compute_target import ComputeTargetException
    from azureml.core.conda_dependencies import CondaDependencies
    from azureml.core.runconfig import DockerConfiguration
    
    workspace = Workspace.from_config()
    
  2. コンピューティングクラスターの指定

    Python SDK でリモートコンピュートリソースを作成することもできますが、ここでは全体の見通しがよくなるように事前にAzure ML Studo ワークスペースでコンピューティングクラスターを作成しておきました。

    
    aml_compute_target = "demo-cpucluster"  # <== The name of the cluster being used
    try:
        aml_compute = ComputeTarget(workspace, aml_compute_target)
        print("found existing compute target.")
    except ComputeTargetException:
        print("no compute target with the specified name found")
    
  3. 環境の指定

    ここでは実行環境を指定します。環境名に myenv を指定し、その環境(コンテナイメージ)で使用するパッケージを指定します。

    myenv = Environment.from_conda_specification(name="my-env", file_path="conda.yml")
    docker_config = DockerConfiguration(use_docker=True)
    

    conda.yml はノートブックと同じフォルダに配置されているものとします。

    name: my-env
    dependencies:
    - python=3.8.5
    
    - pip:
      - azureml-defaults
      - pandas==1.1.4
    channels:
    - anaconda
    - conda-forge
    
  4. 実行ファイル名の指定

    script_folder1 で リモート実行するスクリプト一式がはいったフォルダ名を指定します。また script でリモート実行のエントリーとなるスクリプトファイル名を指定します。
    リモート実行では script_folder1 内のファイル、サブディレクトリ全てが コンテナに渡されるので、不要なファイルは配置しないように注意します。
    インプットファイルは script1.1.py で取出されるのでここでは指定がありません。

    src = ScriptRunConfig(source_directory='script_folder1', 
                          script='script1.1.py', 
                          compute_target=aml_compute,
                          environment=myenv,
                          docker_runtime_config=docker_config)
    
  5. 実験の実行

    experiment_name は実験の表示名として使われます。

    
    experiment_name = 'ScriptRunConfig2'
    experiment = Experiment(workspace = workspace, name = experiment_name)
    
    run = experiment.submit(config=src)
    run
    

    このセルは非同期に終了するので、実行の終了を待つ場合は 次のステートメントを実行しておきましょう。

    %%time
    run.wait_for_completion(show_output=True)
    
  6. script1.1.py

    リモート実行されるスクリプトの中身です。
    get_context() によって呼び出し側スクリプトの実行情報が渡されます。この run の中の属性情報である experiment 情報を取出し、さらに experiment の属性情報である workspace 情報を取出します。workspace 情報が分れば当該 workspace に登録されているデータセットを get_by_name で入手することができます。この get_by_name の書き方は Azure Machine Learning Studio の登録済データセットから "使用する" タブで現れる書式と同じです。

    このスクリプトは最後に outputs フォルダにファイルを書きだします。この outputs フォルダは既定で何もしなくても作成され、実行後に実験の 「出力とログ」 から参照することができます。

    
    from azureml.core import Run, Dataset, Workspace
    
    run = Run.get_context()
    exp = run.experiment
    workspace = exp.workspace
    
    dataset = Dataset.get_by_name(workspace, name='hello_ds')
    df = dataset.to_pandas_dataframe()
    
    HelloWorld = df.iloc[0,1]
    print('*******************************')
    print('********* ' + HelloWorld + ' *********')
    print('*******************************')
    
    df.to_csv('./outputs/HelloWorld.csv', mode='w', index=False)
    
  7. [参考] HelloWorld.txt の中身

    ここで使った CSV ファイルは簡単な内容です。

    0,Hello World
    1,Hello World
    2,Hello World
    

おわりに

いかがでしょうか。Azure ML Python SDK の input/output にはいくつかのバリエーションがあります。次回はアウトプットについてご紹介したいと思います。

参考資料

Azure Machine Learning SDK for Python とは
azureml.core.experiment.Experiment class - Microsoft Docs
Azure ML Python SDK を使う1:データセットをインプットとして使う - その1
Azure ML Python SDK を使う3:アウトプットを Blob ストレージに書きだす - その1
Azure ML Python SDK を使う4:アウトプットを Blob ストレージに書きだす - その2
Azure ML Python SDK を使う5:パイプラインの基本

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