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入社半年で社内勉強会を立ち上げ、1年間継続させた話

Last updated at Posted at 2025-02-13

はじめに

はじめまして。博報堂テクノロジーズのメディアDXセンターでデータサイエンティストをしている髙橋です。業務では、TVの視聴率予測やバナー広告のクリック率予測など、メディア関連のデータに対してアルゴリズム開発を行っています。

今回は「入社半年で勉強会を企画し、1年間継続させるまでの取り組み」について、私自身の経験をもとにご紹介します。

勉強会を始める前の背景

私が所属する博報堂テクノロジーズは、2022年に設立された比較的新しい会社です。私が入社した2023年当時、部署単位の勉強会や個々人の自由な技術アップデートを会社がサポートするパーソナライズドラーニングプログラム(PLP)のような制度はあるものの、部署横断的にエンジニアリングをテーマに学ぶ場はほぼありませんでした。

毎月経験豊富なエンジニアが中途採用で入社していましたが、エンジニアが横のつながりを持ち、知見やナレッジを共有できる機会が少ないことに課題を感じていました。また、私自身もまだ社内にエンジニア仲間が少なく、「より多くのエンジニアと交流したい」「エンジニアリングに興味を持つ人同士のコミュニティをつくりたい」という思いが強くなっていました。

前職での経験

前職でもデータサイエンティストとして働いており、毎週1回、機械学習のニュースを共有する会に参加していました。その会では論文紹介や最新の技術動向、テックブログの紹介などが行われていました。機械学習には画像・自然言語・音声など多くの分野がありますが、各分野に詳しくない参加者でも気軽に質問できる雰囲気があり、一参加者として非常に体験の良い会でした。

この体験があったことで、HTに入社して以降「社内にもこうした建設的な議論のできる継続的な勉強会があるといいな」と考えるようになりました。そこで入社して半年たたないタイミングで勉強会の企画に着手しました。

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企画時に意識したこと

他社の事例をまず真似する

前職の経験だけでなく、他社の社内勉強会をリサーチしました。

勉強会で共有する内容やドキュメントのフォーマット、勉強会における目的の設定など多くの点で参考にさせていただきました。

勉強会のスコープを広く設定

データサイエンティストとして働いていることから、当初はAIや機械学習に特化した勉強会を考えていました。しかし、より多くのエンジニアが参加できるよう「エンジニアリング全般」をテーマにして参加のハードルを下げることにしました。その結果、エンジニアリングが好きな人や興味を持ち始めた人など、社内の幅広いメンバーを巻き込むことができました。

勉強会の名前は、前職の機械学習のニュースを共有する会にヒントを得て、「エンジニアリングニュース読み会」としました。最近1週間で気になったエンジニアリング関連のトピックを持ち寄る会となっています。

過度な資料作成は非推奨で、資料作成よりも発表者自身が自らの言葉で説明でき、チームにナレッジが共有できることを優先しています。

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参加者を増やすための工夫

まずは小規模で1ヶ月間トライ

いきなりSlackで全社向けに「勉強会をやります!」と告知しても、部署を超えての勉強会の文化がない会社ではなかなか集まりにくいのではないかと仮説を立てました。そこで最初は自分の部署に近いエンジニア5〜6人に声をかけ、1ヶ月だけ試しにやってみる期間を設定しました。

内容は参加してない方にもわかる形でまとめる

ニュース読み会は週1回開催され、各参加者は会の開始までに気になったトピックをNotionにまとめます。ニュース読み会では発表者がトピックについて説明し、参加者が自由に質疑応答を行います。すべての議論や質疑応答はNotionに記録し、Zoomでの会話もできる限りコメントとして残すようにしました。これにより、欠席者やニュース読み会に興味のある方々がNotionを見るだけで、内容や雰囲気をより具体的に理解できるようになりました。

トライアル後の振り返り会

1ヶ月の少人数トライアル後、メンバーで「良かった点」と「改善したい点」について振り返りを行いました。その意見をもとに運営方法を見直し、全社に向けて勉強会を広げていくことにしました。

全社向けに拡大

トライアルで得た知見をもとに、Slackで会社全体に向けて告知を行いました。トライアル期間のNotionを共有することで、エンジニアはもちろん、エンジニアリングを学びたい他の職種の方など職種や領域を超えて学びたい方々の参加が増えました。
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結果

週1回の勉強会を1年間続けた現在では、Slackチャンネルには 8センター・42人 が所属し、毎回 10人前後 が勉強会に参加しています。参加者が取り上げるトピックも多岐にわたり、画像処理・LLM・クラウドなど、幅広い領域で発表やディスカッションが行われるようになりました。

1回のニュース読み会では3トピックほど共有され、1トピックあたり発表約10分+質疑5分で行っています。発表時間の制限は設けず始めましたが、この程度のボリュームに落ち着きました。

ニュース読み会に参加しているメンバーからは

  • 生成AIに関するトピックはキャッチアップに苦手意識があったが、得意な方々の議論を聞くことで刺激を受けることができた
  • 苦手なテーマにチャレンジして取り組め、ニュース読み会で発表するために主体的に情報のキャッチアップができた
  • 部署を超えた交流ができた

というポジティブな反応をもらえています。

また、Notionの活用は継続していて、日々コンテンツが溜まっています。
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まとめ

勉強会を0から立ち上げて1年間継続し、「エンジニアリングが好きな人を集めて横のつながりを強める」という当初の目標は順調に達成できたと感じています。この取り組みを通じて、会社全体の技術力向上や社内文化の醸成にも貢献できていれば幸いです。

また、自分自身では情報収集する習慣が身についたと実感しています。主催者として毎回何らかのニュースを共有することを自分に課していたため、以前はSNSや技術ブログを見かけても表面的に流し読みするだけ終わることも多かったですが、今では積極的に情報をキャッチアップする習慣が定着しました。

今後の課題としては、勉強会の継続と拡大です。うまくいくための取り組みなどを書きましたが、やはり、参加者や発表者は徐々に固定化されがちです。定期的に振り返りや改善を行っていきながら、型にとらわれることなく、このコミュニティを維持していくことが今後のチャレンジです。

最後に

博報堂テクノロジーズは、マーケティング×テクノロジー領域で活躍できる人材を積極的に募集しています。キャリアサイトをリニューアルしましたので、興味をお持ちの方はぜひご覧ください。

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