nginx は Apache と違ってモジュールを static リンクする必要がある都合上、自分でビルドしないと行けない場合が多い。
以下は Debian/Ubuntu 用の nginx のビルド方法のメモ。

1. ダウンロード

nginx公式サイトのダンロードページから、最新の nginx のアーカイブ（ここでは 1.9.0 とする）を落としてくる。

次にアーカイブを展開して cd する。

tar xvpf nginx-1.9.0.tar.gz
cd nginx-1.9.0

2. ビルド

まず、ビルドに必要なパッケージをインストールする。

sudo apt-get update
sudo apt-get install build-essential libpcre3-dev libssl-dev zlib1g-dev

次に、configure する。
nginx は configure の段階で利用可能なモジュールが決まる。下の例ではデフォルトのモジュールに加えて http_ssl_module, http_stub_status_module, http_gzip_static_module, http_spdy_module を有効にしている。
また、各種パスは Debian の nginx パッケージのパスに準拠している。ただし、prefix は /usr ではなく /usr/local を指定している。
どのようなオプションがあるのかは ./configure --help を実行すれば表示してくれる。

./configure \
    --with-cc-opt="-O2 -fstack-protector --param=ssp-buffer-size=4 -Wformat -Werror=format-security -D_FORTIFY_SOURCE=2" \
    --with-ld-opt="-Wl,-Bsymbolic-functions -Wl,-z,relro" \
    --prefix=/usr/local \
    --conf-path=/etc/nginx/nginx.conf \
    --http-log-path=/var/log/nginx/access.log \
    --error-log-path=/var/log/nginx/error.log \
    --lock-path=/var/lock/nginx.lock \
    --pid-path=/run/nginx.pid \
    --http-client-body-temp-path=/var/lib/nginx/body \
    --http-fastcgi-temp-path=/var/lib/nginx/fastcgi \
    --http-proxy-temp-path=/var/lib/nginx/proxy \
    --http-scgi-temp-path=/var/lib/nginx/scgi \
    --http-uwsgi-temp-path=/var/lib/nginx/uwsgi \
    --with-http_ssl_module \
    --with-http_stub_status_module \
    --with-http_gzip_static_module \
    --with-http_spdy_module \
    --build=$USER

make して install する。

make -j4
sudo make install

/var/lib/nginx を作る。(make install で作ってくれないので)

sudo mkdir /var/lib/nginx

3. SysV init スクリプトのインストール

nginx の自動起動などを行うために SysV init 用のスクリプトをインストールする。Debian パッケージから持ってきてもいいが、ここでは nginx wiki に書いてあったレポジトリを利用する。

git clone https://github.com/Fleshgrinder/nginx-sysvinit-script.git
cd nginx-sysvinit-script
sudo make

（ところで、この makefile の shebang が /bin/sh になっているのが地味に気になる…）

4. 起動する

sudo service nginx start

これで、curl -D - http://localhost/ を実行してちゃんと HTML が返ってくれば OK。