この記事は まるっと業務改善・AI活用 Advent Calendar 2026 の8日目の記事です。
はじめに
こんにちは!わたしは普段、趣味でUnityを使ったゲーム制作をしています。
ゲーム制作では、アセットやプラグインに大いに助けられています。ただ、便利なものほど機能が多く、マニュアルも膨大です。「どんな機能があるのかを把握する」だけで時間が溶けていく……という悩みをずっと抱えていました。
この記事では、その悩みを Gemini Notebook(旧NotebookLM) でどう解消したかを紹介します。ChatGPTやGeminiなどのAIチャットは使っているけれど、Gemini Notebookはまだ触ったことがない、という方に向けて書いています。
個人開発の話ではありますが、「新しいツールを導入したけど、マニュアルが分厚くて読む気になれない」という場面は業務でもよくあると思います。そんな場面にも応用できる使い方なので、ぜひ参考にしてみてください。
困っていたこと:マニュアルが膨大で、全容をつかむまでが長い
現在、ノベルゲームの制作に Utage、演出で動きをつけるために Feel というアセットを使っています。どちらも非常に高機能ですが、そのぶんドキュメントのボリュームも相当なものです。
これまでは「まずマニュアルを一通り読んで全体を把握してから作り始める」というやり方をしていました。しかしこれだと、
- 全体を把握するまでに時間がかかる
- 読んだ内容も、実際に使うころには忘れている
- 肝心の開発がなかなか始まらない
という状態になりがちでした。
Gemini Notebookとは:自分が渡した資料をもとに答えてくれるAI
Gemini Notebook(旧NotebookLM)は、Googleが提供しているAIツールです。一言でいうと、自分で追加した資料の内容をもとに、質問に答えたりまとめたりしてくれるAIです。
基本の仕組み:ノートブックとソース
使い方の基本はとてもシンプルです。
- テーマごとに「ノートブック」を作る
- そのノートブックに、資料を「ソース」として追加する
- ソースの内容について、チャットで質問したり、まとめを作らせたりする
ソースには、PDFやテキストファイル、Googleドキュメント、WebページのURLなどを追加できます。手元に資料がなくても、サービス内のWeb検索機能で関連する資料を探して追加することもできます。
私の場合は「Utage用」「Feel用」のように、アセットごとにノートブックを分けています。こうしておくと、聞きたいことに関係する資料だけを参照して答えてくれるので、回答がぶれにくくなります。
主な機能
この記事で登場する機能を中心に紹介します。
| 機能 | できること |
|---|---|
| チャット | ソースの内容について質問すると、出典付きで回答してくれる |
| 音声解説 | ソースの内容を、ラジオ番組のような会話形式の音声にしてくれる |
| スライド | ソースの内容をスライドにまとめてくれる |
| Web検索 | テーマに関連する資料をWebから探して、ソースとして追加できる |
このほかにも、資料をもとにした要約や学習用のまとめなど、さまざまな形式でアウトプットを作れます。
普段のAIチャットとの違い
ChatGPTやGeminiなどのAIチャットも、資料を添付すれば内容について答えてくれます。それでもGemini Notebookを使っているのは、次の2点が特に便利だからです。
出典付きで答えてくれる
回答には、どのソースのどの部分を根拠にしたのかが示されます。気になったらすぐ元の資料を確認できるので安心ですし、そもそも自分が入れた資料をもとに答えてくれるため、誤りが少ないと感じています。
資料にないことは「ない」と言ってくれる
一般的なAIチャットだと、存在しない機能や設定をそれっぽく答えられてしまうことがあります。Gemini Notebookの場合、資料に情報がなければ「ソースには記載がない」と答えてくれます。場合によっては、そのうえで「一般的にはこうです」と補足してくれることもあります。
どこまでが資料に基づく情報で、どこからが一般論なのかを区別できるのは、ツールの仕様を調べる用途ではとても大きなメリットです。
また、資料をノートブックとして残しておけるので、毎回ファイルを添付し直さなくていいのも地味にうれしいポイントです。
ソースにしたもの
アセットやプラグインごとにノートブックを作り、次のような資料をソースとして追加しています。
- プラグインに付属している
readme.mdなどの資料 - アセットの使い方を紹介しているWeb記事
- 公式の説明ページ(サービス内のWeb検索機能で探して追加)
使い方:「覚えてから作る」から「作りながら聞く」へ
Gemini Notebookを使い始めてから、学び方そのものが変わりました。網羅的に知識を蓄えてから作るのではなく、基本だけ押さえたらすぐ開発に入り、必要になったらその都度聞くというスタイルです。
ステップ1:スライドで基本をざっと把握する
まずは資料からスライドを作成して、アセットの基本機能を把握します。長いマニュアルを頭から読むよりも、短い時間でざっと全体像をつかめました。
ステップ2:作業中は音声解説を聞き流す
開発中は、資料をもとにした音声解説を聞き流しています。ずっと集中して聞く必要はなく、気になる単語が出てきたときだけ耳を傾ける、くらいの使い方です。
これが思いのほか良くて、自分では調べようとすら思っていなかった便利な機能に偶然出会えることがあります。マニュアルを読むだけでは、なかなか得られない体験でした。
ステップ3:詰まったら、あいまいな言葉で聞く
実際に作っていて「こういうことがしたい」と思ったら、その場で質問します。このとき、正確な機能名や用語を知らなくても大丈夫なのがポイントです。
たとえば、Feelについて次のように聞いてみました。
ローディング画面のアニメーションにFeelを使いたい
すると、
- シーン遷移に使える Load Scene フィードバック
- プログレスバー用の MMProgressBar コンポーネント
といった、目的に合った機能を教えてくれました。機能名を知らない状態で、マニュアルからこれらを探し当てるのはかなり大変だったと思います。
資料自体に情報が少ない場合は、機能名は分かっても使い方の詳細までは分からないことがあります。そういうときは、分かった機能名を手がかりに検索したり、AIチャット(Geminiなど)に聞いたりと、他の手段と組み合わせています。キーワードさえ分かれば、その後の調べものはぐっと楽になります。
うまくいかなかったこと・注意点
一度に大量のソースを追加すると、読み取りに失敗することがある
たくさんの資料をまとめて追加すると、一部のソースの読み取りに失敗することがありました。その場合は、失敗したものだけを削除して再度追加すると、読み込めることがあります。
長すぎる資料は読み込めない
ソースには容量の上限があり、公式のヘルプでは次のように案内されています。
- ソース1つにつき 50万語 まで
- ローカルからアップロードする場合は 最大200MB まで
- ページ数の上限はなし
そのため、場合によってはソースとして追加する前に、資料を分割する作業が必要になります。
まとめ
Gemini Notebookを使うようになって、アセットやプラグインとの付き合い方が「マニュアルを全部覚えてから作る」から「作りながら必要なことを聞く」に変わりました。
- スライドと音声解説で、最初の全体把握が速くなった
- あいまいな言葉で聞いても、目的の機能にたどり着ける
- 出典付きで、資料にないことは「ない」と言ってくれるので信頼しやすい
新しいツールを使い始めるときのハードルがぐっと下がるので、ゲーム開発に限らず、業務で新しいシステムやツールを覚えるときにもおすすめです。分厚いマニュアルを前に手が止まっている方は、ぜひ一度試してみてください。