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Codex CLI 完全ガイド:全オプション徹底解説

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Codex CLI は AI と対話しながらコーディングやタスクを実行できる強力なコマンドラインツールです。本記事では、Codex CLI の全オプションを体系的に解説します。

目次

  1. 共通設定
  2. 対話型モード(codex)
  3. 非対話実行(codex exec)
  4. その他のコマンド
  5. 安全性とサンドボックス

共通設定

-c / --config key=value

すべての Codex コマンドで利用できる設定上書きオプションです。

機能:

  • ~/.codex/config.toml に保存された設定値を一時的に上書き
  • ドット区切り記法でネストした設定にアクセス可能
  • TOML または JSON 形式をサポート
  • 複数回指定して複数の設定を同時に上書き可能

使用例:

# モデルを一時的に変更
codex -c model=claude-opus-4-20250514

# ネストした設定を変更
codex -c api.timeout=60

# 複数設定を同時に変更
codex -c model=claude-sonnet-4.5 -c temperature=0.8

対話型モード(codex)

基本的な Codex の対話型インターフェース(TUI)を起動するコマンドです。

基本オプション

位置引数 PROMPT

セッション開始時に AI に送る最初のメッセージを指定します。

# 最初から具体的なタスクを指示
codex "Pythonでフィボナッチ数列を計算する関数を作成して"

-i / --image FILE[,…]

画像ファイルを初回メッセージに添付します。複数の画像をカンマ区切りで指定可能。

用途:

  • UI のスクリーンショットから HTML/CSS を生成
  • 図表やダイアグラムの説明を求める
  • エラー画面の解析
# 画像からコードを生成
codex -i screenshot.png "この画面を再現するHTMLを作成して"

# 複数画像を添付
codex -i design1.png,design2.png "これらのデザインを比較して"

-m / --model ID

使用する AI モデルを指定します。

指定可能なモデル例:

  • claude-opus-4-20250514 - 最高性能モデル
  • claude-sonnet-4.5 - バランス型(デフォルト)
  • claude-haiku-4 - 高速・軽量
codex -m claude-opus-4-20250514 "複雑なアルゴリズムを設計して"

--oss

ローカルの OSS(オープンソース)プロバイダを使用します。model_provider=oss と同等の設定です。

# ローカルモデルを使用
codex --oss "プライベートな環境でコード生成"

-p / --profile NAME

config.toml に定義されたプロファイルを読み込みます。

プロファイルの例:

[profiles.creative]
model = "claude-opus-4-20250514"
temperature = 1.0

[profiles.fast]
model = "claude-haiku-4"
temperature = 0.5

使用例:

# creative プロファイルを使用
codex -p creative "詩を書いて"

作業ディレクトリ

-C / --cd DIR

作業ルートディレクトリを指定します。Codex はこのディレクトリをベースにファイル操作を行います。

# プロジェクトディレクトリを指定して起動
codex -C ~/projects/myapp "package.jsonを確認して"

Web 検索機能

--search

Web 検索ツールを有効化します。AI が最新情報やドキュメントを検索できるようになります。

# 最新情報を調べながら作業
codex --search "Next.js 15の新機能を使ったサンプルを作成"

安全性とサンドボックス

Codex は AI が実行するコマンドを制御するための複数のセーフティ機能を提供します。

サンドボックスモード:-s / --sandbox

AI が実行できる操作の範囲を制限します。

read-only(読み取り専用)

特徴:

  • ファイルの読み取りのみ許可
  • ファイルの作成・変更・削除は不可
  • システムへの影響ゼロ

適用シーン:

  • コードレビュー
  • ドキュメントの調査
  • アーキテクチャの分析
codex -s read-only "このプロジェクトの構造を分析して"

workspace-write(ワークスペース書き込み)

特徴:

  • ワークスペース内のファイル操作を許可
  • システムコマンドは制限
  • 比較的安全な開発環境

適用シーン:

  • 通常の開発作業
  • コード生成とリファクタリング
  • テストの作成
codex -s workspace-write "新しい機能を実装して"

danger-full-access(完全アクセス)

特徴:

  • すべての操作を許可
  • システムコマンドも実行可能
  • 危険性が高い

適用シーン:

  • システム設定の変更
  • パッケージのインストール
  • 信頼できるタスクのみ
codex -s danger-full-access "依存関係をインストールして"

承認ポリシー:-a / --ask-for-approval

AI がコマンドを実行する前に承認を求めるタイミングを制御します。

untrusted(信頼できない場合)

動作:

  • 安全でないと判断されたコマンドのみ承認を求める
  • 読み取り専用の操作は自動実行

推奨度: ★★★★☆(バランス型)

codex -a untrusted "プロジェクトをセットアップして"

on-failure(失敗時)

動作:

  • コマンドが失敗した場合のみ承認を求める
  • 初回は自動実行、エラー発生時に介入

推奨度: ★★★☆☆(効率重視)

codex -a on-failure "テストを実行して修正して"

on-request(要求時)

動作:

  • AI が明示的に承認を求めた場合のみ

推奨度: ★★☆☆☆(特殊用途)

never(承認なし)

動作:

  • すべてのコマンドを自動実行
  • 最も危険

推奨度: ★☆☆☆☆(危険)

# 完全自動実行(注意!)
codex -a never "すべて自動で処理して"

便利なショートカット

--full-auto

workspace-write + on-failure を同時に有効化する便利オプション。

効果:

  • ワークスペース内の書き込みを許可
  • 失敗時のみ承認を求める
  • 効率的な開発フロー
codex --full-auto "この機能を実装して"

--dangerously-bypass-approvals-and-sandbox(別名 --yolo

警告: 非常に危険なオプションです。

効果:

  • すべてのサンドボックス制限を解除
  • すべての承認プロセスをスキップ
  • AI に完全な制御を委ねる

使用場面:

  • 完全に信頼できるスクリプトのみ
  • テスト環境での実験
  • 自己責任で使用
# 危険!本番環境では絶対に使用しないこと
codex --yolo "システムをアップデートして"

セッション管理

codex resume

過去のセッションを再開します。

SESSION_ID(任意)

再開するセッションの UUID を指定します。

# 特定のセッションを再開
codex resume a1b2c3d4-e5f6-7890-abcd-ef1234567890

--last

最新のセッションを選択画面なしで即座に再開します。SESSION_ID との併用は不可。

# 最後のセッションをすぐに再開
codex resume --last

その他のオプション:
codex resume では、codex コマンドと同じすべてのオプション(-m, -s, -a など)が使用できます。


非対話実行(codex exec)

スクリプトや CI/CD パイプラインで使用するための非対話型実行モードです。

基本構文

codex exec [OPTIONS] [PROMPT]

主要オプション

PROMPT(任意)

実行する指示を指定します。- を指定すると標準入力から読み込みます。

# 直接指定
codex exec "README.mdを生成して"

# 標準入力から読み込み
echo "テストを実行して" | codex exec -

# ファイルから読み込み
codex exec - < task.txt

--skip-git-repo-check

Git リポジトリの外でも実行を許可します。通常、Codex は Git リポジトリ内での実行を推奨しますが、このフラグで回避できます。

codex exec --skip-git-repo-check "一時ファイルを処理"

--output-schema FILE

最終応答の構造を JSON Schema で指定します。構造化された出力を得たい場合に使用。

# 分析結果をJSON形式で取得
codex exec --output-schema schema.json "コードの問題点を分析"

--color {always|never|auto}

出力のカラー表示を制御します。

  • always - 常にカラー表示
  • never - カラー表示なし(ログファイル出力時に便利)
  • auto - 端末の能力に応じて自動判定(デフォルト)
# ログファイルに出力する場合
codex exec --color never "処理を実行" > log.txt

--json(別名 --experimental-json

すべてのイベントを JSONL(JSON Lines)形式で出力します。プログラムでパース可能な形式。

# JSONLで出力してjqで処理
codex exec --json "分析を実行" | jq '.type'

--include-plan-tool

プラン生成ツールを常に組み込みます。AI がタスクを計画してから実行します。

codex exec --include-plan-tool "複雑な機能を実装"

--output-last-message FILE

AI の最終メッセージをファイルに保存します。

codex exec --output-last-message result.txt "要約を作成"

codex exec resume

非対話モードでセッションを再開します。

# 最新セッションを再開して追加指示
codex exec resume --last "テストも追加して"

# 特定セッションを再開
codex exec resume <SESSION_ID> "さらに改善して"

その他のコマンド

codex completion

シェルの補完スクリプトを生成します。

--shell {bash|elvish|fish|powershell|zsh}

対象シェルを指定します(デフォルト: bash)。

# Bashの補完を設定
codex completion --shell bash > ~/.codex-completion.sh
echo "source ~/.codex-completion.sh" >> ~/.bashrc

# Zshの補完を設定
codex completion --shell zsh > ~/.codex-completion.zsh
echo "source ~/.codex-completion.zsh" >> ~/.zshrc

# Fishの補完を設定
codex completion --shell fish > ~/.config/fish/completions/codex.fish

codex login

Anthropic API への認証を行います。

--api-key KEY

API キーを直接指定してログインします。

# API キーでログイン
codex login --api-key sk-ant-xxxxx

--experimental_use-device-code

デバイスコードフローを使用します(実験的機能、非推奨)。

--experimental_issuer URL

OAuth issuer をカスタム指定します(実験的機能)。

--experimental_client-id CLIENT_ID

OAuth クライアント ID を上書きします(実験的機能)。

サブコマンド: status

現在の認証状態を表示します。

# ログイン状態を確認
codex login status

codex logout

現在の認証情報を削除します。

codex logout

codex apply <TASK_ID>

Hosted タスクの最新の差分を適用します。

# クラウドで作成されたタスクをローカルに適用
codex apply task_abc123xyz

codex debug seatbelt|landlock

サンドボックス機能のデバッグを行います。

# サンドボックス内でコマンドをテスト
codex debug seatbelt ls -la

# フルオートモードでテスト
codex debug seatbelt --full-auto bash -c "echo test"

MCP(Model Context Protocol)管理

注意: MCP 機能は実験的機能です。

codex mcp list

登録されている MCP サーバーを一覧表示します。

# 一覧表示
codex mcp list

# JSON形式で出力
codex mcp list --json

codex mcp get <n>

指定した MCP サーバーの詳細情報を表示します。

# サーバー0の詳細
codex mcp get 0

# JSON形式で出力
codex mcp get 0 --json

codex mcp add <n>

新しい MCP サーバーを追加します。

# 環境変数を設定してサーバーを追加
codex mcp add 0 --env API_KEY=secret --env HOST=localhost -- node server.js

# 複数の環境変数
codex mcp add 1 \
  --env DB_HOST=localhost \
  --env DB_PORT=5432 \
  -- python mcp_server.py

codex mcp remove <n>

MCP サーバー設定を削除します。

codex mcp remove 0

サーバーモード

codex mcp-server

MCP サーバーとして起動します。他のツールから Codex の機能を利用可能にします。

codex mcp-server

codex app-server

アプリケーションサーバーとして起動します。

codex app-server

クラウド機能

codex cloud

クラウドタスクの TUI(テキストユーザーインターフェース)を起動します。

codex cloud

制御用環境変数:

  • CODEX_CLOUD_TASKS_* - 各種クラウド機能の動作を制御

内部・隠しサブコマンド

開発者向けの高度なコマンドです。通常の使用では必要ありません。

codex generate-ts

TypeScript 型定義バインディングを生成します。

codex generate-ts --out ./types --prettier ./node_modules/.bin/prettier

codex responses-api-proxy

Responses API のプロキシサーバーを起動します。

codex responses-api-proxy --port 8080 --server-info info.json --http-shutdown

設定値リファレンス

サンドボックスモード

説明 安全性
read-only 読み取り専用 ★★★★★
workspace-write ワークスペース書き込み可 ★★★☆☆
danger-full-access 完全アクセス ★☆☆☆☆

承認ポリシー

説明 推奨度
untrusted 信頼できない操作のみ承認 ★★★★☆
on-failure 失敗時のみ承認 ★★★☆☆
on-request 要求時のみ承認 ★★☆☆☆
never 承認なし(危険) ★☆☆☆☆

カラー設定

説明
always 常にカラー表示
never カラー表示なし
auto 自動判定(デフォルト)

実践的な使用例

安全にコードレビュー

codex -s read-only "このプロジェクトのセキュリティ問題を指摘して"

効率的な開発フロー

codex --full-auto "ユーザー認証機能を実装して、テストも追加"

CI/CD パイプラインでの使用

# 非対話モードで実行し、結果をJSONで保存
codex exec --json --color never "コードの静的解析を実行" > analysis.jsonl

Web検索を活用した最新情報での開発

codex --search -p creative "最新のReact 19の機能を使ったサンプルアプリを作成"

過去の作業の継続

# 最後のセッションを再開
codex resume --last

# または特定のセッションを再開
codex resume a1b2c3d4-e5f6-7890-abcd-ef1234567890

まとめ

Codex CLI は柔軟で強力なオプション体系を持ち、開発者のさまざまなニーズに対応できます。

安全性のベストプラクティス:

  1. 本番環境では必ずサンドボックスを有効化
  2. --yolo オプションは絶対に本番で使用しない
  3. 重要な操作では untrusted 承認ポリシーを使用
  4. Git リポジトリ内で作業する習慣をつける

効率化のヒント:

  1. プロファイルで頻繁に使う設定を保存
  2. --full-auto で開発速度を向上
  3. シェル補完を設定してコマンド入力を高速化
  4. codex exec でスクリプトに組み込む

Codex CLI を使いこなして、AI とのペアプログラミングを最大限に活用しましょう!

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