Salesforceの 売上予測(Forecasts) と テリトリー管理(Enterprise Territory Management, ETM) は、どちらも営業管理に関する機能ですが、それぞれの目的や用途が異なります。
1. 売上予測(Forecasts)とは?
🔹 目的:
「将来の売上を予測する」ための機能で、営業チームの売上目標の達成状況を可視化できます。
🔹 特徴:
- 営業担当やチームごとの売上見込みを管理できる
- 商談のステージや確度に基づいて予測が変動する
- 営業マネージャーがチームの進捗を確認し、目標達成のためのアクションを決める
🔹 活用例:
- 「今期の売上はどれくらいになりそうか?」を予測
- 営業マネージャーがチームごとの売上進捗を確認
- 営業戦略を改善するためのデータとして活用
🔹 主な機能
機能 | 説明 |
---|---|
予測カテゴリ | 商談の確度(Commit, Best Caseなど)ごとに売上を分類 |
ロールアップ集計 | 営業担当者ごとの商談を合算し、マネージャーが部門全体の売上を確認 |
調整(Override) | 営業マネージャーが部下の売上予測を調整可能 |
多通貨対応 | 複数通貨で売上予測を管理 |
🔹 試験で狙われるポイント
- 予測カテゴリ(Commit、Best Case、Pipeline、Closed)
- ロール階層と連携し、上位のマネージャーが部下の売上予測を集計できる
- 売上予測は「有効化」しないと使えない
2. テリトリー管理(Enterprise Territory Management, ETM)とは?
🔹 目的:
「営業担当を適切に配置し、どの取引先をどの営業が担当するかを決める」ための機能
🔹 特徴:
- 地域や業種、売上規模などの条件に応じて取引先を営業に割り当てる
- ロール階層とは独立した、柔軟な営業組織の構成が可能
- 1つの取引先を複数のテリトリー(担当グループ)に割り当てられる
🔹 活用例:
- 「この地域の取引先は、Aチームが担当」「大企業はBチームが担当」などの割り振り
- 営業担当が異動した際に、担当顧客の割り振りを変更
- 複雑な営業組織を持つ企業で、営業エリアやターゲットを最適化
🔹 主な機能
機能 | 説明 |
---|---|
テリトリーモデル | テリトリーの構成を作成(最大4つまで有効化可能) |
テリトリールール | 取引先の業種・地域・売上などの条件で担当を決定 |
テリトリーロール階層 | テリトリーごとに営業マネージャーを設定 |
複数のテリトリー割当 | 1つの取引先を複数の営業担当に紐づけ可能 |
🔹 試験で狙われるポイント
- ロール階層とは別に管理される(ロール階層を超えた割り当てが可能)
- 1つの取引先を複数のテリトリーに割り当てできる
- テリトリーの構成を決める「テリトリーモデル」を最大4つまで有効化できる
3. 売上予測とテリトリー管理の違いまとめ
項目 | 売上予測(Forecasts) | テリトリー管理(ETM) |
---|---|---|
目的 | 売上の見込みを予測 | 営業の担当エリア・顧客の管理 |
主な対象 | 商談(Opportunities) | 取引先(Accounts) |
アクセス管理 | ロール階層を基に売上を集計 | ロール階層とは独立した営業組織を構築可能 |
データの分類 | 予測カテゴリ(Commit, Best Case, Pipeline) | テリトリールール(業種・地域・売上) |
適用の柔軟性 | 営業マネージャーが部下の予測を調整可能 | 取引先を複数のテリトリーに割り当て可能 |
活用例 | 今期の売上目標を達成できそうか? | どの営業がどの顧客を担当するか? |
4. 試験対策ポイントまとめ
項目 | 試験で問われやすい内容 |
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売上予測 | 商談の予測カテゴリ(Commit, Best Case, Pipeline)とは? |
売上予測 | ロール階層が影響する(営業マネージャーは部下の予測を確認可能) |
テリトリー管理 | ロール階層とは別の仕組みで営業担当を割り当てられる |
テリトリー管理 | 1つの取引先を複数のテリトリーに割り当て可能 |
テリトリー管理 | テリトリーモデルは最大4つまで有効化できる |
📌 試験のポイント:
- 売上予測(Forecasts)→ 商談に基づく売上管理
- テリトリー管理(ETM)→ 取引先の担当エリアを決める
- ロール階層を使うのは売上予測、独立した組織構造を作れるのはテリトリー管理