はじめに
この記事は一人VR技術者認定試験 Advent Calendar 2018の1日目の記事です。
第12回VR技術者認定試験の問題を振り返って、覚えておくと良いポイントをまとめていきます。
個人メモの側面が強いのですが、軽く復習する時とかにも使えると思います。
誤った理解をしている可能性もありますので、その場合はご指摘いただけますと幸いです。
試験問題: https://www.vrsj.org/wp-content/uploads/2017/01/%E7%AC%AC12%E5%9B%9E%E5%95%8F%E9%A1%8C%E7%94%A8%E7%B4%99_%E6%9C%80%E7%B5%82%E7%89%88_web.pdf
模範解答: https://www.vrsj.org/wp-content/uploads/2017/01/%E7%AC%AC12%E5%9B%9E%E6%A8%A1%E7%AF%84%E8%A7%A3%E7%AD%94_%E6%9C%80%E7%B5%82%E7%89%88.pdf
ちなみに全67問中45問正解で、正答率は67%でした。
振り返り
第1問 バーチャルリアリティとは何か
Virtualの正確なニュアンスと反意語の関係
Virtual(本質的) ⇔ Nominal(名目的) / Imaginary(虚)
バーチャルリアリティの三要素
- 実時間の相互作用性
- 3次元の空間性
- 自己投射性
第2問 バーチャルリアリティの構成
ポイント
- ディスプレイは映像を表示するものでなく、広義の提示装置を指す
- VRは3次元空間に入り込んでインタラクションを行う
AIP Cube (MITのD.Zeltzerが提唱)
引用元: https://www.slideshare.net/Sun_san2160/sf-58416544
第3問 脳神経系の解剖学的構造と神経生理学の基礎
馴染みのない単語が多くて覚えづらいですね。
ポイント
- 大脳は大脳半球と間脳からなる
- 大脳基底核
- 大脳皮質と視床や脳幹との間を中継する
- 辺縁系
- 情動・意欲・記憶・自律神経活動に関わる
- 後部の頭頂部と後頭部が感覚入力を受容
- 前部の前頭葉が運動刺激を出力
視覚情報処理の流れは把握しておくと良さそうです。
引用元: バーチャルリアリティ学
第4問 視覚
ポイント
- 眼球運動性: 調節、輻輳
- 両眼性: 両眼視差
- 単眼性: 隠蔽、遠近法、テクスチャ勾配、速度勾配、キャストシャドー、陰影
第5問 聴覚
耳の構造
引用元: バーチャルリアリティ学
ポイント
- 人間の可聴域は20〜20kHz
- 音色は同じ大きさと高さを持つが異なって聞こえる音の属性
- 両耳間時間差はめちゃめちゃ短い(6μs:microsecond)
第6問 体性感覚・内臓感覚
感覚の分類
- 特殊感覚
- 視覚
- 聴覚
- 味覚
- 嗅覚
- 前庭感覚
- 体性感覚
- 皮膚感覚
- 深部感覚(骨格筋、関節)
- 内臓感覚(胃、腸、肝臓)
ポイント
- Aδ繊維
- 有髄線維
- 早い反応
- C繊維
- 無髄繊維
- 遅い反応
- 内蔵受容器の基本的な役目は体内の恒常性維持
第7問 前庭器官
構造
- 三半規管(回転運動を受容)
- 前半規管
- 後半規管
- 水平半規管
- 耳石器(直線運動、傾斜を受容)
- 卵形嚢(らんけいのう、水平方向)
- 球形嚢(きゅうけいのう、垂直運動)
ポイント
- 動揺病(ベクション)は男性の方が高い感受性をもつ
第8問 味覚
基本五味
- 甘
- 酸
- 塩
- 苦
- うま
味覚の神経伝達
引用元: バーチャルリアリティ学
第9問 味覚・嗅覚ディスプレイ
味覚ディスプレイのポイント
- 基本五味である程度再現できる
- 液体をストローによって滴下する方法で実現可能
- 衛生的な課題がある
嗅覚ディスプレイポイント
- 基本の匂いは見つかっていない
- 匂い物質の「拡散」と「排気」が大事
- 空気砲方式もある
第10問 前庭感覚ディスプレイ
ポイント
- アクチュエータで加速度を与える
- 過渡的成分
- アクチュエータ
- 定常成分
- 傾けて重力を使う
- ウォッシュアウト
- アクチュエータの動作限界をセーブする
- ウォッシュバック
- ユーザーに気が付かれないように位置を戻す
第11問 体性感覚ディスプレイ
ポイント
- ハプティクスインターフェースとも呼ばれる
- 空間分解能の指標は2点分別閾(べんべついき)
- 振動子
- 弁別閾が大きい場所で使われる
- ピンアレイ・ノズルアレイ
- 弁別閾が小さい場所で使われる
- 知覚は応力の向きでなくひずみの大きさに比例する
- →吸引しても押されているように感じる
第12問 脳活動の計測
ポイント
- BOLD信号
- 血流量の増加によって起きる酸素濃度の変化
- MEG
- 神経の電気的活動を測定
- fMRI
- BOLD信号を計測
- 身体的な拘束が多い
- NIRS
- BOLD信号を計測
- 空間分解能は下がるが身体的な拘束が少ない
- パラメータ
- 空間分解能
- 時間分解能
- 形態性能
- 安全性
第13問 3次元音空間の聴覚レンダリングとモデル
ポイント
- 室伝達関数
- 聴取位置と音源位置の反射や回折を反映したもの
- RTF
- 頭部伝達関数
- 頭部付近の音現象を再現したもの
- HRTF
- 距離によって遅延と減衰がおきる
- 幾何学音響理論
- 直接音と反射波を考慮したもの
- 計算方法
- 音線方
- 音源からの音線を追跡する
- 虚像方
- 鏡の位置に虚像を過程する
- 音線方
第14問, 第15問 人体モデルと運動生成
ポイント
- 関節トルクの計算はPID制御が使われる
- 関節は目標値に追従する
- 力学シミュレーション
- 外力に対する反応などを生成できる
- バランス制御は保証できない
- 球面関節
- 3自由度
- 回転関節
- 1自由度
第16問 柔軟物の変形シミュレーション
ポイント
- 変異が微小なら弾性変形する
- 外力がなくなったら元に戻る性質
- 変形モデル
- バネ質点モデル
- 有限要素モデル
- 三角形の集合として表現
- 支配方程式の重ね合わせの連立方程式を解く
- 各要素の位置や弾性パラメータの設定が事前に必要
まとめ
選択肢式なので細かい用語を覚えているかと言うよりは、どういった要素が存在するか・それがどういった役割を果たしているか、などを問う問題が多いように感じました。
個人的には選択肢の一部(のみ,ない)などを見落として誤答することが多かったので、注意したい。
一人VR技術者認定試験 Advent Calendar 2018の2日目は【VR学まとめ】1.1 バーチャルリアリティとは何かです。