はじめに
この記事は一人VR技術者認定試験 Advent Calendar 2018の2日目の記事です。
バーチャルリアリティ学の1章「バーチャルリアリティとは」の内容をまとめていきます。
書籍の方も是非ご購入いただいた上でご利用ください。
1 バーチャルリアリティとは
1.1 バーチャルリアリティとは何か
1.1.1 バーチャルの意味
バーチャルの意味や訳を正しく理解しようというセクションである。
Virtual = 「表層的にはそうではないが、本質的にはそうである」
バーチャルは「本質的な」という形容詞なので、反意語としてはノミナル「名目上の」となる。
よく訳される「仮想」は「仮に想定した」という意味で、本質的であるという意味は持たないので誤用である。
また「虚」と訳されることもあるが、これは「実体のない」という意味であるので誤りである。
整理すると、VirtualはRealと類義語であることが分かる。
次のように訳されることも (太線は引用者によるもの)
Existing in essence or effect though not in actual fact or form
正しい意味のバーチャルの例
- バーチャルマネー
- クレジットカードや電子決済を意味する言葉
- みかけはお金でないがお金としての効果を発揮する
- バーチャルカンパニー
- 従来の会社の体裁はなしていないが、従来の会社と同じ機能を有している = 本質的な会社
1.1.2 バーチャルリアリティとその三要素
バーチャルリアリティは「現実のエッセンス」
エッセンス = 本質的なもの
本質は目的によって変わる。
例: バーチャルヘリコプターの意味の解釈
- 操縦士のトレーニングが目的の場合
- フライトシミュレーター
- 輸送が目的の場合
- 気球
バーチャルリアリティの三要素
- 3次元の空間性
- 人間にとって自然な3次元空間を構成している
- 実時間の相互作用性
- 人間がその中で環境と実時間の相互作用をしながら自由に行動できる
- 自己投射性
- その環境と使用している人間とかシームレスに鳴っていて環境に入り込んだ状態が作られている
1.1.3 バーチャルリアリティと人間の認知機構
バーチャルリアリティが、そこにないのに、そこにあると感じさせる仕組み。
人間が現実をどうやって認識しているかを知る必要がある。
人間は、物自体を認識しているのではなく、人間の認知機構によって認識している。
←人間の認識する世界も、人間の感覚器による一種のバーチャルな世界であると言える。
「認識の本質部分を与えれば等価な認識を与えることができる」という主張。
1.1.4 バーチャルリアリティの概念と日本語訳
日本には本来バーチャルという概念が存在しなかったため、「仮想」というニュアンスが定着してしまった。
バーチャルリアリティの適切な訳は存在しないが、強いて言えば「人工現実感」と訳すのが良い。
また、無理に訳そうとせず、バーチャルはバーチャルという言葉で使うのが良い。
1.1.5 道具としてのバーチャルリアリティ
VRは
3C (Creation:創造
,Control:制御
,Communication:通信
)
と
3E (Elucidation:解明
,Education:教育
,Entertainment:娯楽
)
のための道具
まとめ
バーチャルという言葉のニュアンスを正しくとらえることが、非常に重要だと感じました。
一人VR技術者認定試験 Advent Calendar 2018の3日目は【VR学まとめ】1.2 VRの要素と構成です。