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4年間ほぼ毎日、少人数技術書読書会を継続できた理由などをふりかえる

Last updated at Posted at 2025-10-01

本記事を書くにあたって

この記事を書き始めた2025年10月1日で、自分はWEB系のエンジニアになって丸4年が経ちました(ちなみにそれ以前は営業職をやっていました)
正直エンジニア・技術者としてこの4年間で胸を張れる何か大きな成果が出せたかと聞かれたら、まぁまぁ声が小さくなります(白目)

ただこの4年間で社外の人とほぼ毎日オンラインで技術書読書会開催し、途中で辞めることなく継続できたので、これくらいは誇ってもいいのかな。。。。こんなに長期間継続できたのだし、何故継続できたのかふりかえってみるかな。。。。と考え、今回記事にしてみました。

個人的なふりかえりになるのですが、恐らく

  • オンラインで(少人数)読書会を開催したい
  • (少人数)読書会を長く継続させたいが、途中で自然消滅してしまう

といったお考えやお悩みがある方に、多少はお役に立てるかもしれません(大人数はやっていないので、対象外かもしれません)

駄文ですが、少しでもどなたかのご参考になりましたら幸いです。

読書会概要

本題の前にまずどんな読書会をやっていたか軽く説明させてください。
自分は2パターンの読書会を毎週開催していました。
前提として、全員リモート勤務のためどちらの読書会もオンラインで、Gatherというバーチャルオフィスツールの無料プランを使っていました。

パターン①
image.png

パターン②
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とはいっても、↑の2パターンの画像だけだとそれぞれの読書会の違いわからないと思うので以下で違いを書いています

ちなみに、Gatherは無料かつ高機能なバーチャルオフィスツールですが、2025年9月15日をもってGatherの無料プランが廃止され有料化されるとのことでしたので、現在は無料で使えるDiscordのボイスチャンネルに移行しています。
https://ja.gather.town/v2Discord

image.png

人数は、どちらの会も自分とお相手の2人だけで開催しています(2つの会の相手はそれぞれ別人)
いつか大人数の読書会も企画してみたいのですが、正直自分のアウトプット機会が減ってしまうと思い、今はこの最小人数でやっています。ちなみに別々にやっていますが、全員同じプログラミングスクール出身のため全員共通の友人になります。
たまに購入した電子書籍を画面共有したりすることもあるので、著作権的に問題無いよう本は電子か紙のどちらかを全員必ず購入するようにしています。

パターン① 平日 or 土日の朝、短時間で行う読書会(通称『おーん会』)

月~木と土日の8:30~9:00の約30分間で行う短時間の読書会です。 なぜ金曜日だけ無いかというと、一緒にやっている方が金曜日のみ出社しなければならないため、金曜日は基本お休みにしています。 土日は、お互いの予定が問題ないときは基本開催しています(大体、毎週土日のどちらかはやる、といった開催頻度です)

なので、週平均にすると週5日は開催してきました

読書会形式としては、輪読会スタイルです。
担当が音読しながら読む → 一、二節くらい終わったら感想・質問・わからないことを言い合う → 次の節へ といった流れを繰り返しています。 ちなみにこちらの会は『おーん会』と勝手に名付けています。 理由は自分のクセで、 何かわからないけど、何となくわかったようなふりをするときに「おーん」 という言葉を発するというのがあるのですが、この会ではおーんが特によく出るのでこの名称にしています(技術書むずい) あ、「おーん」って言ったあとちゃんと「わからない」って言ってますよw

(阪神ファンではないがどんでんはやっぱ好き あと阪神優勝おめでとう)
image.png

パターン② 週1回、約2時間かけて行う読書会(通称特になし)

こちらは、主に週一回、平日の20時~22時で行う少し時間が長い読書会です。基本は固定の曜日で行い、予定があったら同じ週の別日にリスケするスタイルで行っています。
こちらの会は最初、二人でアプリ共同開発しよう!みたいなかんじで始まったのですが、週1回だけだと開発の進みが悪く開発に対するモチベも下がってしまったため、読書会形式に切り替えたという経緯があります。

読書会形式としては、こちらも輪読会形式ですが、こちらは決められた範囲を各自20〜30分程度で読む → 意見、感想を話し合うといった形式でやってます。なので2つの読書会は、主に開催頻度、時間帯と、「音読」か「黙読」という違いがあります。

今まで読んだ本

本題から逸れるのでこの記事では各本について詳しく述べることはしませんが、2つの読書会で読んだ本を合わせて以下の技術書やエンジニアリング関連書籍を読んできました。

いっとき、Railsガイドを読み合うといったこともしていました。

その時々、お互いにどんな本を読もうかを話し合いながら決めてきました(読む本を決める基準は後述します)
どこかで各本に対する感想などをまとめた記事を書いてみたい。。。。!

なぜ4年間継続できているのか

さて、ここから本題です。なぜこんなに長くこの2つの読書会を継続できたのか以下5つの理由が挙げられると思っています

  1. この会に期待をせず、休みたいときはいつでも気軽に休もうという合意を取っていたから
  2. お互いに相手のレベルを馬鹿にしたりしないから
  3. 「とりあえず読み切れば良い」というあまり高くない目標を掲げているから
  4. 事前準備をしない
  5. 全員が意見を持ちやすい本を選んでいたから

1. この会に期待をせず、休みたいときはいつでも気軽に休もうという合意を取っていたから

「継続できた」と言いながら、いきなり読書会をやらないといった表現を使うのもアレですが、まず大切なのは 「会に期待をせず、簡単に休めるという同意を取っている」 ということだと思ってます。
相手に対して「今日も参加してくれるよな」という、良い意味でも悪い意味でも「やる気から来る相手に対する期待」を持ってしまうと、例えば相手の休みが何回か重なると、期待を裏返した失望を感じてしまうようになると思います。
そしてこの失望感情が生まれると、当然読書会(というか人間関係)が終わってしまいます。

また環境的にも、自分も含め全員正社員のエンジニアとして仕事をしているため、例えば業務が逼迫し朝早くから仕事を始めないといけなかったり、仕事が終わる直前でインシデントが発生して夜遅くまで残業したり、、、といった事態が発生するとも思います。
あと、社会人なら突然飲み会に誘われたりといった突発的なイベントからの飲みすぎてしまい朝起きれなかったりといったことも全然あると思いますw

そういった心情・状況は当たり前に発生することですが、そういった事態が発生しうることをお互いに改めて認識したうえで、「気軽にやすんでいいよね」という合意を取っていたことが良かったのかなと思ってます。
こうやっておけばいつでも気軽に「今日やすみますねー」と言えて、かつ相手が休んだとしても「しゃーなし」くらいにしか思わないので、また再開するときに気軽に「やりましょー」と連絡できて良いと感じています。休み連絡も気軽に(返信もメッセージリアクションのみでいいよね)
image.png

2. お互いに相手のレベルを馬鹿にしたりしないから

ほんと読書会をやるうえで(というか社会生活を営むうえで)鬼当たり前なことだと思いますが、相手の知識・スキルを馬鹿にしないということが非常に大切だと思ってます。
同じエンジニアとはいえ、全員異なる会社環境で異なる技術スタックである以上、当然知識の差や偏りは生まれます。また、輪読形式だと漢字力も如実に出ると思います。
それをお互いに認識したうえで、相手にわからないことがあったら丁寧に教えてあげる、逆にわからない部分があったら素直にわからないと伝え、教えてもらったり一緒に考えたり調べる
こういった関係性を築いていくことが継続をするうえで大切なのかなと思ってます。

3. 「とりあえず読み切れば良い」というあまり高くない目標を掲げているから

どちらの会も始まったときは、皆日常業務やプライベートのゴタゴタなどに追われていて、「とても技術書を読む時間なんてない」という状態でもありました。そのような事情もあり、最初は「とりあえず継続して読むきっかけにしよう」というスタンスで読書会は始まったため 「継続する」ということに対して主眼を置いたときに、「取り組むための目標・ハードルの低さが継続に繋がるよね、そのくらいの目標設定で良いよね」 という話が会を始めたときに出ました。

上記のような経緯から、 「とりあえず読み切れば良い」 というあまり高くない目標が出来上がりました。

全員が「忙しい」という状況は常々変化するわけではないので、この目標がお互いの状況にフィットし続けて結果的に「継続」のための良い要因になっていると思います。

これは「毎回の読書会における質を高める」という点においては良くないのかもしれませんが、その点はその後の個々人で本をふりかえって自主的に行うこと、というスタンスにしているので、読書会の責務としては外側かなとも考えています。

※ちなみに、難しくて内容が理解できず、高頻度で都度AIに聞いたりググる必要のある技術書であったりすると読み切ることもしんどくなってしまうため、そこまでレベルが高くない技術書を選んでいます。

4. 事前準備をしない

他の方々が書かれた読書会関連の記事を見ると、参加ハードルや継続ハードルを下げるために事前準備はしないスタイルの読書会が多いなという印象を受けるのですが、それに倣ってどちらの読書会も事前に準備は一切していません。上述したように、2つの読書会開催の目的・ゴールは、どちらも「とりあえず読み切れば良い」であるため、参加するだけこの目的を達成できるようにするにはと考えた結果、準備は一切しないということになりました。

これだけで毎回の参加する心理的ハードルはかなり下がると思います。

5. 全員が意見を持ちやすい本を選んでいたから

全員エンジニアとはいえ、他の箇所でも書きましたが普段やっている業務はそれぞれ異なるので、お互いのレベル差がある分野 & 難しい本 の場合だとかなり続けるのがしんどかったです。

例として、個人的にこれを痛感したのは、週一読書会の方でオブジェクト指向設計実践ガイドを読んでいたときでした。
オブジェクト指向言語界隈(特にRuby使いの方々)の評判は凄く良いオブジェクト指向の本ですが、内容や翻訳文などの側面から、結構何度も読み直さないと理解が難しいというレビューも多い、比較的難易度高めの本だと思います。
自分は普段開発をそこまで行っておらず、保守運用がメインのためオブジェクト指向といったら「クラスとか継承が使えてなんかよくわからんけど便利なんでしょ」くらいのことしか知りませんでした。。。。w
逆に、お相手の方は普段はRubyでの開発業務がメインのためオブジェクト指向についてもある程度は基礎知識がある方です。まぁ、こんな二人で読書会やったらどうなるかは当然想像つきますよね。。。。w
とりあえず自分は黙読する時間で内容を理解することが全然できず、相方は難しいと言いながらも読んだ内容を下に、意見を自分にぶつけてくれる。
しかし、自分が全然理解できていないため、その意見から議論を発展させることができないので相手も消化不良を起こしてしまいお互いにストレスを抱えてしまう、、、、こんな状況が読書会の間ずっと続いてしまい、続けることが非常にしんどくなってしまいました。

もちろん、わからない側の人は色々質問して頑張って理解を深めていく、わかる側の人は理解した内容をもとに質問に答えて、説明する力をつける、、、といったやり方なども全然できると思います。ただ上述したようにこの会は 「とりあえず読み切る」というゴールである以上、読み切ることもしんどくなってはいけないと感じました。
オブジェクト指向設計実践ガイド自体はなんとか読み切ったのですが、そこからはお互いのレベル感が合う技術書、もしくは全員が共通して普段業務で関わっている何かしらの事柄に関する本を選ぶことにしました。

この「何かしらの事柄」で特に盛り上がったのは、『エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング』 といった、チーム開発や会社組織体系に関する組織論に関する本は、普段そこまでそういったことを考えられていなかったのですが、暗黙的に考えていたチームや組織に対する意見を表層化することができ、非常に盛り上がることができました。

また、『Looks Good To Me』 も、普段コードレビューをしていて何となく感じていたことを表層化することができ、様々な議論を発展させることができました。
ただ、皆誰しもが意見は持っている領域だとは思いますが、日常的にその意見を発散することができている方々は意外と少ない分野なのかなとも感じます。

このようにチームビルディングやコードレビューといった日常的に行っている作業に関しては、別々の会社、チームであっても共通する何かしらの意見を持っていたりすると思います。
この 「何かしらの意見を持っている」 という点が大事だと思っていて、上記のオブジェクト指向の本では、自分にとっては内容が難しすぎて意見を持つことすらできませんでしたが、意見を持ちやすい本を選択したことで、主体的に読書会を進めることができました。

そういった意見を持ちやすい分野の本を取り上げてみると読書会が比較的盛り上がり、継続しやすくなるのではないでしょうか。

最後に

ここまでこの駄文を読んでいただいた皆様、本当にありがとうございます🙏
まとめると継続するためには、頑張りすぎない、相手に求めすぎず背伸びもしすぎないことが大事かなぁなんて書きながら感じているところです。

あとはシンプルに一緒にいる仲間と仲良くしようとする意識を持つってことが大事だと最後に思いました(小学生みたいだがw)

大した内容ではないですが、どなたかのご参考になれば幸いです。

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