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Azure Site RecoveryによるAzure移行Tips① 通信帯域の制限

Last updated at Posted at 2022-08-30

Azure Site Recovery(以下、ASR)を使用したAzureへの移行において、実務で調査した内容をTipsとしてまとめておきます。
ここではオプションの設定や、特殊な事態の対処を記載しますので、通常の手順はMicrosoftのドキュメントをご参照ください。

※オンプレミスのVMwareやAWS等他クラウドからASRで移行する際に活用できるTipsです。
 Hyper-Vからの場合、異なる移行方式(構成サーバを使わない)となるため、
 記載の設定は利用できないと思います。

以下、3回の記事に分割して記載します。
 1回目:移行元サーバ~移行先(Azure)への通信帯域を制限する方法(今回)
 2回目:モビリティサービスの手動インストール方法
 3回目:移行元サーバの通信用IPを変更し再認識する方法

想定する要件

ASRでAzureに移行するには、移行元サーバのデータをAzureへ同期させる必要があります。
移行元サーバに含まれるすべてのデータ、および差分データの同期が必要なため、データ量によっては通信帯域を逼迫します。
そのため「業務に影響が出ないよう帯域制限したい」といった要件を想定します。

帯域制限の設定箇所

VMwareやAWS等からASRで移行する際、移行元サーバの検出やデータ同期のため、構成サーバが必要となります。
移行元サーバから構成サーバにいったんデータを吸い上げ、Azure(ASRサービス)へ転送されます。
通信帯域は、以下のの2箇所で設定可能です。
 ① 移行元サーバ→構成サーバ間 ※移行元サーバの負荷軽減
 ② 構成サーバ→Azure間     ※構成サーバ→Azureへの経路途中の負荷軽減
                 (インターネットに出る場合の経路や、ExpressRouteがあればその回線帯域等)
image.png

①移行元サーバ→構成サーバ間の帯域制限

移行元サーバにQoSポリシーを設定する

ローカルポリシー or グループポリシーで設定可能ですが、下記ではローカルポリシーで設定します。
参考MSサイトはこちら

①移行元サーバでgpedit.msc を実行し、ローカル グループ ポリシー エディターを開きます。
image.png

②下記を展開し、[右クリック] - [新規ポリシーの作成]を選択します。
 [コンピューターの構成] - [Windows の設定] - [ポリシー ベースの QoS]
image.png

③以下の通り設定し、"次へ" を選択します。
 ・ポリシー名: 任意の名前を入力
 ・DSCP 値を指定する: チェックを外す、もしくは 0 を入力
 ・出力方向のスロットル率を指定する: チェックを付け、スロットル率(制限値)を入力
  ※300 Mbps以下で設定
  ※MbpsではなくMBpsでの設定になるため注意!
image.png

④以下の通り設定し、"次へ" を選択します。
 dataprotection.exe :初期同期のデータ転送時の帯域を制御したい場合
 s2RCM.exe            :初期同期後の差分データの転送時の帯域を制御したい場合
image.png

⑤以下の通り設定し、"次へ" を選択します。
 ・すべての発信元 IP アドレスを指定を選択(移行元サーバのレンジを指定してもOK)
 ・次の宛先 IP アドレスまたはプレフィックスのみ: 構成サーバのアドレスを入力
image.png

⑥以下の通り設定し、"完了" を選択します。
 ・QoS ポリシーを適用するプロトコル: TCP を選択
 ・すべての発信元ポート番号
 ・任意の宛先ポートを選択:構成サーバへの通信ポート(デフォルトだと9443)
image.png

⑦管理者権限でコマンド プロンプトを表示した後、以下のコマンドを実行しポリシーを反映させます。
 gpupdate /force
image.png

設定前後の送信データ量を確認します。
試しに1MBps(8Mbps)に設定したところ、データ量が制限されたことがわかります。
image.png

②構成サーバ→Azure間の帯域制限

構成サーバ上のツール設定で制限する

参考MSサイトはこちら

①構成サーバのデスクトップにある「Microsoft Azure Backup」を開きます。
image.png

②「プロパティの変更」を選択します。
image.png

③「調整」タブにて [バックアップ操作用のインターネット使用帯域幅の調整を有効にする] をオンにして、
 勤務時間用と勤務時間外用の制限値の設定を行い、「OK」を押下します。
 有効な範囲は、512 Kbps から 1,023 Mbps です。
 ※こちらはMbpsでの設定なので注意!
image.png

④保存された旨のメッセージを確認し「OK」を押下します。
image.png

設定方法は以上です。
次回は、モビリティサービスの手動インストール方法をご紹介します。
第2回URL:https://qiita.com/ninob/items/b19bd0800f7059e1c8bc

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