Azure Site Recovery(以下、ASR)を使用したAzureへの移行において、実務で調査した内容をTipsとしてまとめておきます。
ここではオプションの設定や、特殊な事態の対処を記載しますので、通常の手順はMicrosoftのドキュメントをご参照ください。
※オンプレミスのVMwareやAWS等他クラウドからASRで移行する際に活用できるTipsです。
Hyper-Vからの場合、異なる移行方式(構成サーバを使わない)となるため、
記載の設定は利用できないと思います。
以下、3回の記事に分割して記載します。
1回目:移行元サーバ~移行先(Azure)への通信帯域を制限する方法
2回目:モビリティサービスの手動インストール方法
3回目:移行元サーバの通信用IPを変更し再認識する方法(今回)
想定する要件
以下の要件を想定します。
・移行用エージェントインストール後、移行元サーバのIPを変更したい場合
※OS再起動を伴いますが、アンインストール→再インストールでも対応可能です。
・移行元サーバにNICが2枚ついており、ASRのデータ同期用に一方のIPを使用したいが、
使用したくない方のIPが認識されてしまった場合
※移行用エージェントインストール後、使用するIPが自動認識されます。
今回は使用したくない方のIPを無効化し修正する手順のご紹介ですが、
おそらくMySQLのデータを手動更新することで修正可能ではと思います。
ただし、サポートされるかどうか未確認なので、MSにご確認いただくことを推奨します。
移行元サーバの通信用IPを変更し再認識する方法
MS参考サイトはこちら
①構成サーバのMySQLにログインし、登録されているマシンとIPの一覧を確認します。
mysql -u root -p svsdb1
Enter password: ******* (構成サーバインストール時に指定したパスワード)
select id as hostid, name, ipaddress, ostype as operatingsystem, from_unixtime(lasthostupdatetime) as heartbeat from hosts where name!='InMageProfiler'\G;
表示例では1件目は構成サーバ自身が表示されました。
2件目が移行元サーバの情報で、今回はこちらのIP(172.31.0.186)を172.31.6.191に変更して再認識します。
②移行元サーバを一度登録解除します。
構成サーバで管理者権限でコマンド プロンプトを開き、C:\ProgramData\ASR\home\svsystems\bin に移動し、下記コマンドを実行します。
perl Unregister-ASRComponent.pl -IPAddress (移行元サーバのIP) -Component Source
③Azure Portalから構成サーバの情報を最新化します。
Recovery Services コンテナー>Site Recoveryインフラストラクチャ>Configuration Servers>構成サーバを選択>サーバーを最新の情報に更新する
④レプリケーションを有効化する画面で、移行元サーバの情報が表示されなくなったことを確認します。
⑤移行元サーバのIPを変更、または使用したくないIPのNICを無効化します。
⑥移行元サーバで次のサービスを再起動します。
・InMage Scout Application Service
・InMage Scout VX Agent - Sentinel/Outpost
⑦構成サーバで①と同じコマンドにて、MySQLにログインし、変更後のIPが認識されたことを確認します。
⑨レプリケーションを有効化する画面で、移行元サーバが変更後のIPで認識されたことを確認します。
再認識する方法は以上です。