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はじめに
音声認識システムを構築するソフトと言えばHTKがメジャーであるが,近年kaldiが有名になってきている.kaldi自体はOSSだが,有料のデータやツールに依存している部分がある.そこで,日本語レシピであるCSJレシピの動作に対して,用意が必要なものと設定方法を記述する.
準備するもの
kaldi本体
無料のOSSであり,以下のコマンドでgithubからcloneすることが出来る,
git clone https://github.com/kaldi-asr/kaldi.git
インストール手順は~/kaldi/INSTALLに記述されている.
CSJレシピの製作者によるページに詳しい手順が日本語で記述されており参考になる.
CSJ
日本語話し言葉コーパス( Corpus of Spontaneous Japanese : CSJ )
今回動作させるCSJレシピではこのコーパス内の音声や書き起こしテキスト等を用いる
入手・使用は国立国語研究所へ利用申請,審査が必要で,使用料は利用形態により異なる.
2016/12/18現在バージョンは第5刷でUSBメモリ1本で提供される.
- アカデミック利用 学術研究のみに利用する場合 : 学生2万5千円, 研究機関5万円
- 一般利用 企業による商品化を前提としない研究利用 : 25万円
- 商業利用 上記以外の営利を目的とした利用 : 50万円
以下から一部引用
http://pj.ninjal.ac.jp/corpus_center/csj/subscription.html
SRILM
言語モデルを作成するツールであり,CSJレシピ内でも使用されている.
政府機関,学校機関,NPOであればSRILM Research Community Licenseの元で無償使用が可能.※外部資金を受けていないプロジェクト(政府による研究助成金・契約は除く)に限る
商用利用の場合には直接問い合わせが必要となっている.
CSJレシピを動かす
kaldi本体のセットアップは前述の詳しいサイトを参照願いたい.
SRILMのインストール
- kaldi/toolsにsrilm.tgzを配置
ここで,入手したsrilmがsrilm.tgzでない場合install_srilm.sh内部を書き換え
srilm.tarのとき
16行目 f [ ! -f srilm.tgz ]; then
→ f [ ! -f srilm.tar ]; then
30行目 tar -xvzf ../srilm.tgz
→ tar -xvf ../srilm.tar
- kaldi/tools/install_srilm.shを実行
CSJパスの設定,レシピ実行
- kaldi/egs/csj/s5に移動
ここでrun.sh内にCSJのパスの設定があるので書き換え(CSJは第5刷USBメモリ版とする)
25行目 CSJDATATOP=/db/laputa1/data/processed/public/CSJ
→ CSJDATATOP="CSJを配置したパス"
26行目 CSJVER=dvd
→ CSJVER=usb
- GridEngineを用いた分散処理を行わないならばcmd.shを書き換え
13行目 export train_cmd="queue.pl --mem 2G"
→ コメントアウト
18行目 #export train_cmd=run.pl
→ コメントアウト解除
- run.shを実行することでレシピを実行
おわりに
以上の手順で一通り動作するはずである.
間違い等がございましたら指摘,訂正をお願い致します.