AI エージェントが NFT の発行から販売、メタデータ管理までを自律的に実行する時代が到来しています。その中核となるのが、Solana Agent Kit v2(以下、SAK v2)とMetaplexの統合です。本記事では、プラグイン設計を基盤とした SAK v2 と Metaplex の連携により、どのように NFT エージェントを構築できるかを技術的観点から紹介します。
モジュール型アーキテクチャと NFT プラグイン
SAK v2 はモジュール型の構成を採用しており、@solana-agent-kit/plugin-nft
を追加することで、Metaplex 関連の一連の操作がエージェントに組み込まれます。代表的な機能は以下の通りです:
-
deployCollection
: コレクションのデプロイ -
mintCollectionNFT
: コレクション内の NFT ミント -
getAssetsByCreator
: 作成者アドレスから NFT 検索 -
listNFTForSale
: Tensor での NFT 出品
これらのアクションは SAK の .actions
経由で呼び出せるようになっており、LangChain ツールとして LLM に接続することも容易です。
const agent = new SolanaAgentKit(wallet, RPC_URL, { OPENAI_API_KEY: KEY }).use(NFTPlugin);
上記のようにエージェントを構成すれば、NFT 操作を LangChain や Claude と連携したチャットインターフェースから実行できます。
自律エージェントによる NFT プロセスの自動化
この統合により、以下のような自律プロセスを構築できます。
- エージェントがユーザーからの自然言語プロンプトに応じて NFT を発行
- コレクションメタデータを自動生成(AI による説明文生成や画像生成と連動)
- 生成直後に Tensor へ出品
- 所有者情報の検索や流通トラッキングも可能
これにより、開発者はフロントエンドの UI と最小限のプロンプト設計のみで、フルスタックな NFT サービスを構築できます。
Claude Desktop + MCP 統合で LLM に直接操作させる
MCP(Model Context Protocol)サーバーを用いることで、Claude Desktop から直接 NFT アクションを実行可能になります。SAK の@adapter-mcp
を使えば、エージェントの一部アクションを選択的に Claude に公開できます。
startMcpServer(finalActions, agent, { name: 'nft-agent', version: '0.1.0' });
Claude の設定ファイルにこのサーバーを登録すれば、LLM が自然言語で Metaplex NFT を操作できる AI 助手として振る舞うようになります。
今後の展望
NFT エージェントの構成要素は以下のように整理できます:
- デプロイ手順:SAK + NFTPlugin + Metaplex
- エージェント化:LangChain ツール化 or Claude MCP 統合
- ユースケース:AI による NFT プロモーション、コレクション生成、販売管理
今後、生成 AI による画像・テキスト制作、Tensor API や 3Land とのさらなる連携を加えることで、より高度な NFT 運用自動化が実現されていくでしょう。