本記事では、Markdown AIを使用したLP型仮説検証をご紹介します。
開発したものはこちら。
MyLayer (on Markdown AI)
サイト全体のスクリーンショットは記事最下部に添付しています。
LP型仮説検証: SmartHR式超速サイクル
「LP型仮説検証」という手法をご存知でしょうか?
この手法は、日本発の時価総額1000億円スタートアップ「SmartHR」が実践し、大きな成功を収めた手法です。
SmartHRの宮田さんはアクセラレータープログラムに参加した際、「わずか3日サイクルで仮説検証を繰り返す」という驚異的なスピードで事業を立ち上げました。
その手法はシンプルなもの。
- 1日目:課題を見つける
- 2日目:ソリューションを作る
- 3日目:5人にヒアリングをして検証する
この「超速サイクル」を10回繰り返して複数アイデアを試し、現在のSmartHRのビジネスモデルにたどり着いたそうです。
特筆すべきは、実際のプロダクト開発前に、まずLPを作って事前登録数を集めることで市場の反応を確認した点。たった2万円のFacebook広告で3日間に100件の申し込みを獲得し、バーニングニーズの有無とそのスケーラビリティを確認できたのです。
なぜLP型仮説検証が効果的なのか
LP型仮説検証の長所は圧倒的な速度とコスパです。
実際のプロダクト開発前に最小コストで市場の反応を見ることができます。
さらに、定量データ(申込数)と、定性データ(申込内容)の両方が手に入るのも大きな利点です。
そして最も重要なのが、フィードバックを基に素早く方向性を修正できる点。まさに、リーンスタートアップと言えるでしょう。
LP型仮説検証の課題
ただし、現実はそう甘くありません。多くのスタートアップが以下のような課題に直面しています。
- デザイナーのスケジュール調整に1週間
- エンジニアの実装に2-3日
- 修正の度に同じサイクルが必要
- デプロイ環境の準備に追加で時間が必要
結果として、「3日サイクル」どころか、1回の検証に2週間以上かかることも珍しくないのが現状です。
(正直、2週間でも相当早い方)
特に問題になるのはPMやBizのメンバーが抱えるジレンマ。
アイデアはあるのに、技術的な依存で検証できない。
エンジニアの工数を確保するための社内調整が必要。
小さな修正でも技術チームの介入が必要...。
でも、ちょっと待ってください。
実は、LP作成における真のボトルネックは技術的な実装ではないんです。
本当の課題は「コンテンツ」です。
- 価値提案の言語化
- ターゲットユーザーの明確な定義
- 具体的なユースケースの設定
- 効果的なCTAの設計
これらは全て「コンテンツ」の問題であり、技術的な課題ではありません。
MarkdownAIによるブレイクスルー
そこでご紹介したいのがMarkdownAIです。
最大の特徴はマークダウン記法だけでLPを作成できる点。
まさに"All You Need is Markdown"というキャッチコピーの通りです。
また、ホスティングやデプロイなども自動化されているため、考慮する必要がありません。
マークダウンによるコンテンツ制作のみに集中できます。
実践:MyLayerのLP構築事例
実際の事例として、ブロックチェーン技術を活用した新規事業開発支援サービス「MyLayer」のLP構築をご紹介します。
最初に、必要なセクションを洗い出しました:
- ヒーローセクション
- 課題提起セクション
- ソリューションセクション
- 特徴説明セクション
- 比較表セクション
- FAQ
- お問い合わせ
etc.
そして、マークダウンでコンテンツを作成。
特に技術的な説明が必要な部分では、Mermaidを活用して図表も作成しました。
(Mermaidは先々月からMarkdown AIに追加されたばかりの新機能ですが、早速フル活用しています💪)
完成したサイトはこちらからご覧いただけます。
記事最下部にもサイト全体のスクリーンショットは添付しています。
モジュラーブロックチェーンのアーキテクチャ(Mermaid)
チェーン選定フローチャート(Mermaid)
おわりに
MarkdownAIによって、SmartHR方式の超速仮説検証が可能になりました。
エンジニアやデザイナーなしで、PMやBizサイドが自律的に仮説検証を進められる。
これは日本のスタートアップエコシステムにとって確実な助けになるはずです。
お試しはこちらから。
備考: AIモデルの追加
今回試して見送った機能としては、AIモデルの埋め込みです。
Markdown AIは「サーバレスAIサイトビルダー」であり、簡単にAIモデルを埋め込むことができます。
当初は上記のMermaidのうち「チェーンの選定フロー」はチャットAIとしてサイトに埋め込もうとしていました。単純なYes or Noであるため、チャットUIの方が使いやすいかなと。
しかし、現状のMarkdown AIではまだOne-Shot Promptingしか扱えないようです。
複数のAIモデルに分けて埋め込むことで解決しようとしたのですが、「Mermaidでフローチャート図を視認した方がラク」という真理に辿り着き断念しました。フローチャート図は便利で有用なものです。
Full Code
今回Markdown AIで作成したサイトのフルコードです。
サイト全体のスクリーンショット
参考資料
『リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす』