テストの結果でよく目にする「偏差値」。
偏差値50が平均ということは知っていても、
- なぜ50が基準なのか
- 80点なら偏差値はいくつになるのか
- 同じ80点でも偏差値が変わるのはなぜか
- 標準偏差は何のために使うのか
まで理解しようとすると、少し分かりにくくなります。
この記事では、偏差値の計算式を実際の数字とJavaScriptを使って確認します。
偏差値の計算式
偏差値は次の式で求めます。
偏差値 = 50 + 10 × (自分の点数 - 平均点) ÷ 標準偏差
たとえば、
自分の点数:80
平均点:60
標準偏差:10
なら、
50 + 10 × (80 - 60) ÷ 10
= 50 + 20
= 70
偏差値は70です。
なぜ平均点だと偏差値50になる?
自分の点数と平均点が同じ場合を考えます。
自分の点数:60
平均点:60
標準偏差:10
式に入れると、
50 + 10 × (60 - 60) ÷ 10
= 50
点数と平均点の差が0になるため、必ず偏差値50になります。
つまり偏差値では、
平均 = 50
を基準として、自分の位置を表しています。
偏差値60は「平均より10点高い」という意味ではない
ここは特に間違いやすいところです。
偏差値60は、
「平均点より10点高い」
という意味ではありません。
正確には、
平均より1標準偏差分だけ高い
という意味です。
標準偏差が10なら、
平均60点
自分70点
で偏差値60になります。
しかし標準偏差が20なら、
平均60点
自分80点
で偏差値60です。
つまり、平均との差だけでは偏差値は決まりません。
同じ80点でも偏差値が変わる
次の2つのテストを比較してみます。
テストA
自分:80点
平均:60点
標準偏差:10
偏差値は、
50 + 10 × 20 ÷ 10 = 70
テストB
自分:80点
平均:60点
標準偏差:20
偏差値は、
50 + 10 × 20 ÷ 20 = 60
自分の点数も平均点も同じなのに、
テストA:偏差値70
テストB:偏差値60
となりました。
違いを生んでいるのが標準偏差です。
標準偏差が小さいテストでは点数が平均付近に集まっているため、平均から20点離れていることの意味が大きくなります。
反対に、点数のばらつきが大きければ、同じ20点差でも偏差値への影響は小さくなります。
JavaScriptで偏差値を計算する
計算式をそのままJavaScriptにするとシンプルです。
function deviationScore(score, mean, sd) {
return 50 + 10 * (score - mean) / sd;
}
console.log(deviationScore(80, 60, 10));
// 70
ただし標準偏差が0の場合は割り算ができません。
実際にフォームなどで利用するならチェックを入れておきます。
function deviationScore(score, mean, sd) {
if (sd <= 0) {
throw new Error("標準偏差は0より大きい値を指定してください");
}
return 50 + 10 * (score - mean) / sd;
}
表示用に小数点以下を丸めるなら、
const result = deviationScore(73, 58, 12);
console.log(result.toFixed(2));
のように処理できます。
目標偏差値から必要な点数を逆算する
偏差値の式を変形すると、
「偏差値60を取るには何点必要か」
という逆算もできます。
式は、
必要な点数
= 平均点 + (目標偏差値 - 50) × 標準偏差 ÷ 10
たとえば、
目標偏差値:65
平均点:60
標準偏差:10
なら、
60 + (65 - 50) × 10 ÷ 10
= 75
必要な点数は75点です。
JavaScriptでは次のように書けます。
function requiredScore(target, mean, sd) {
return mean + (target - 50) * sd / 10;
}
console.log(requiredScore(65, 60, 10));
// 75
偏差値計算には標準偏差が必要
「自分が80点、平均が60点だから偏差値はいくつ?」
という情報だけでは、正確な偏差値は計算できません。
必要なのは、
自分の点数
平均点
標準偏差
の3つです。
標準偏差が分からない状態で出した偏差値は、正確な値ではありません。
実際の数値を確認するときは、偏差値計算に点数・平均点・標準偏差を入力すると、偏差値だけでなく目標偏差値に必要な点数も逆算できます。
偏差値に0〜100の制限はない
偏差値は0から100までの数字だと思われることがありますが、計算式上、そのような制限はありません。
平均から非常に大きく離れた値なら、
100を超える
ことも、
0を下回る
ことも数学上は可能です。
偏差値は点数そのものではなく、
平均からどれくらい離れているかを、標準偏差を基準に標準化した値
だからです。
まとめ
偏差値の計算式は、
偏差値 = 50 + 10 × (自分の点数 - 平均点) ÷ 標準偏差
です。
重要なのは、単純な点数の高さではなく、
平均との差
÷
点数のばらつき
を見ていることです。
そのため同じ80点でも、受験したテストの平均点や標準偏差が違えば偏差値は変わります。
計算式の意味まで理解すると、「偏差値50=平均」「偏差値60=平均より1標準偏差高い」という関係も理解しやすくなります。
