つづき
前回の記事では、Teachable MachineとStretch3を使って「AI手洗いチェッカー」を制作しました。
今回はそのツールを、地域の福祉イベントで実際に使ってみた様子をレポートします。
前回記事: [Teachable MachineとStretch3でつくるAI手洗いチェッカー ~福祉イベントで実演します~]
参加者は約70名、うち40名以上が手洗いチェックに参加してくれました。
メインの手洗いチェック
今回のメインは、蛍光塗料と紫外線ライトを使った「洗い残しチェック」。
蛍光塗料をせっけんに見立てて手を洗った後、紫外線ライトを当てると洗えている部分だけが光って見える仕組みです。
参加者からは、
- 「こんなに洗い残しがあるとは思わなかった」
- 「普段はさっと済ませていた」
- 「意外と洗えていない部分がある」
などの声があり、大好評でした。
意外と小学生の方がしっかり洗えていました。
コロナ禍で感染症教育をしっかり受けてきた世代ですね。
AI手洗いチェッカーの実践
前回制作した「AI手洗いチェッカー」も試してみました。
Teachable Machineで学習させた手洗いポーズ判定モデルを使い、Stretch3で音声ガイドと連携させたツールです。
しかし、結果は残念ながら 実用レベルには至りませんでした。
現場での課題
- 背景が雑多で、モデルがうまく判定できない
- 「手のひら」と「手の甲」など、似たポーズの判別が難しい
- 現場で背景を変えたり、ポーズを撮り直したりして調整を試みたが限界あり
ML使用例を調べると、矢印ボードや人形など、形がはっきりしたものを使っているケースが多く、「手」という多様な形状の対象は難易度が高かったようです。
現場にも早めに行って背景を撮ったりして機械学習を回したのですが、力及ばず。
左右正面上下など多方向からのデータを読ませていたのが、かえって誤判定につながったのかもしれない。
リセットして、環境下でのデータのみにすればよかったのかな?

Stretch3の反応
一方で、Stretch3は子どもたちに大好評!
すでに使ったことがある子もいて、プログラミングに親しみを持っている様子が印象的でした。
振り返りと今後
今回のイベントを通じて、手洗いの重要性を再認識する機会となりました。
コロナ禍で身につけた手洗い習慣が薄れつつある今、こうした取り組みはとても意味があります。
また、AIモデルの限界と可能性も実感しました。
複雑な技術よりも、身近な課題を解決する力こそがITの価値だと改めて気づかされました。
今後は、
- 単色背景での撮影
- ポーズの明確化
- 判定精度の向上
などを工夫し、より実用的なツールにしていきたいと思います。
おわりに
今回のツールは、今後もイベントなどで活用していく予定です(精度向上出来たら)。
ご近所の方がいらっしゃいましたら、ぜひお立ち寄りください!


