Google Kubernetes Engine (GKE)

GKEとは

• Googleが開発したKubernetesを本家として提供するマネージドサービス。

• 数クリック・数コマンドでクラスターを構築可能。

• ノードの管理やアップグレードはGoogleに任せられるため、ユーザーはアプリケーション開発に集中できる。

GKEのモード

Standardモード

• ユーザーがノード（VM）の管理を行う従来型。

• 柔軟なカスタマイズが可能。

• 料金はノード数・サイズに基づく。

Autopilotモード

• 完全マネージド型。ノード管理は不要。

• Pod単位での課金モデル。

• 運用負荷が非常に小さく、小規模プロジェクトや検証環境にも最適。

代表的な機能

• オートスケーリング（Pod / ノード両方対応）

• 自動アップグレード（マイナーバージョンの適用をGoogleに任せられる）

• VPCネイティブモードによるPodごとのIP割り当て

• Cloud Monitoring / Loggingとの統合で運用性が高い

使い始める手順の例

# クラスタ作成（Autopilot）
gcloud container clusters create-auto my-cluster \
  --region=asia-northeast1

# Podデプロイ
kubectl create deployment hello-server \
  --image=gcr.io/google-samples/hello-app:1.0

# Service公開
kubectl expose deployment hello-server \
  --type=LoadBalancer --port 80 --target-port 8080

数コマンドでアプリをデプロイできるのが、GKEの分かりやすさ。

Blue/Green デプロイ（ゼロダウンタイム切替）

概要

• Blue/Green は「現在稼働中（Blue）」と「新バージョン（Green）」を同時に立て、疎通確認後に瞬時に切替える方式です。

• ロールバックは Service の selector を戻すだけ なので高速・安全です。

• シンプルに実装するなら Kubernetes Service の selector 切替で実現できます（加重配分が不要な場合）。

構成イメージ

• Deployment: hello-blue（安定版 v1）、hello-green（新 v2）

• Service: hello（外部公開）。selector で color=blue ⇔ color=green を切替

flowchart LR
  subgraph Cluster[GKE Cluster]
    SVC[(Service: hello)]
    BLUE[Deployment: hello-blue\nlabels: app=hello, color=blue]
    GREEN[Deployment: hello-green\nlabels: app=hello, color=green]
  end
  Client((Users)) -->|HTTP| SVC
  SVC --> BLUE
  %% 切替時は SVC --> GREEN に付け替え

EKSとの比較

GKE：UIや自動化が充実しており、学習コストが低い。

EKS：AWSサービス群との統合が強力だが、設定項目が多く学習コストは高め。

どちらも「サーバレス的利用（GKE Autopilot / EKS on Fargate）」に対応。