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【オンプレDBAのためのクラウド転生ガイド_第3話】触れない!?OSもファイルも奪われたDBAの初陣

Last updated at Posted at 2025-08-08

俺の得意技、全部封印されました

ADBを立ち上げて、いざログインしようとしたそのとき、俺は衝撃を受けた。

SSHできない
OSに触れない
listener.ora も見えない
cronすら組めない

「え、俺の十八番(おはこ)が全部封じられてる!?」

ADBという世界は、インフラもOSもOracleが管理していて、ユーザーは“DB部分”しか触れないというルール。

それはつまり――「俺が触れない」=「信じるしかない」ということ。

壁その1:listener.oraがない!?

オンプレでは接続できない時、真っ先に見るのが listener.ora と tnsnames.ora。

だがADBでは、それらは一切見えない。かわりにWalletと呼ばれるZIPファイルの中に、すべての接続情報が封じられていた。

「自分で設定できないんじゃ、調査もできねぇじゃん…」

と思ったが、慣れるとむしろ便利だった。

接続に必要な証明書・TNS名・サーバ名が一括で揃っていて、再設定の手間がほぼゼロ。

ADBは、Oracleが管理するフルマネージドDB。
オンプレでは自分で立ててた"門番"が、ADBではすでに完璧に仕事をしてくれる状態なのだ。
つまり、Listnerは、今も確かにそこにいる。
ただし、我々が構う必要がなくなっただけ。

壁その2:OSに入れないと、何が困るのか?

CPU使用率を top で見られない
ストレージ状況を df -h で確認できない
アーカイブログの容量監視もできない

つまり、「不調の兆しを拾う手段」が減る。

だがその代わりに、ADBには大量のメトリクスとダッシュボードが用意されている。

CPU使用率
セッション数
ストレージ使用量
SQL応答時間 などなど

GUIでグラフ表示できるし、
スクリーンショット 0007-08-09 1.19.58.png

SQLでクエリしてもOK。(WEBコンソールからもSQLが実行できる)
スクリーンショット 0007-08-09 1.19.49.png

「なるほど、見る場所が変わっただけか」

“触れない”は“無力”ではない

最初は「ADBは俺の仕事を奪う」と思っていた。
だが実際には、“やること”は減っても、“見るべきこと”は減っていない。
いや、むしろ精度が求められる。

手動で監視していたものが自動になった
でも、本当に安心して任せられるのか
自動化の“死角”を見抜けるのが、これからのDBAなのかもしれない

新しい戦い方を覚えはじめた俺

ADBの世界では、
「手を動かすDBA」から「目を配るDBA」へ進化しないといけない。
そのためには、“今までのスキル”を捨てるのではなく、“新しいスキル”と結びつける必要がある。

オンプレ時代に鍛えた
SQL解析力
アーキテクチャ理解
チューニングの勘所

…これらは、ADBでもめちゃくちゃ武器になる。

次回予告

第4話|魔法陣(Wallet)がないと入れない!?ADBへの接続はこう使え
“鍵のかかった異世界”に入るためのパスはWalletだった。
初めてのADB接続、そこにはいくつもの落とし穴が…!

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