はじめに
スタンプラリーの状態はユーザー毎に管理する必要があります。LINEであればユーザーIDで管理できますが、Webの場合は代替手段が必要になります。
本稿では、Webでユーザーを識別する代表的な3つの実現方法(会員登録方式、UUID、ブラウザフィンガープリント)に焦点を当て、それぞれの概要、メリット、デメリットをまとめました。
実現方法
1. 会員登録方式
概要
ユーザーに会員登録をしてもらい、会員登録時にユニークなユーザー識別子を生成します。
メリット
ユーザーを確実に識別できる。
ユーザー情報を管理できるため、属性情報に応じたサービス提供やマーケティング施策に活用できる。
デメリット
ユーザーに会員登録の負担がかかる。
会員登録を面倒に感じたユーザーが離脱してしまう可能性がある。
会員登録の開発が必要になる。
2. UUID (Universally Unique Identifier)方式
概要
ユーザーが初回アクセス時にUUIDを生成&Cookie等に保存します。以降はそのUUIDでユーザーを識別します。
メリット
ユーザーに特別な操作を求めることなく、自動的に識別できる。
開発が比較的容易。
デメリット
Cookie削除などにより、UUIDを再取得した場合にUUIDが変更されてしまい、スタンプラリー状態が引き継げなくなる可能性がある。
UUIDは、完全にユニークであることを保証するものではなく、わずかながら衝突の可能性がある。
3. ブラウザフィンガープリント方式
概要:
ユーザーのブラウザ情報(OS、ブラウザの種類、プラグインなど)を組み合わせてフィンガープリントを生成し、ユーザーを識別します。
メリット
ユーザーに特別な操作を求めることなく、自動的に識別できる。
開発が比較的容易。
デメリット
ブラウザのアップデートや設定変更、OSのアップデートなどによって、フィンガープリントは変化する可能性がある。
完全にユニークであるとは限らず、複数のユーザーで同じフィンガープリントを持つ可能性がある。
プライバシーの観点から問題視される可能性がある。
まとめ
それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、Webスタンプラリーの目的によって適切な方法を選択する必要があります。
・開発予算に余裕がありユーザーを完全に識別したい場合:会員登録方式
・開発予算が少なく、Cookie削除時にスタンプラリー情報が引き継げないのは割り切り可能な場合:UUID方式
ブラウザフィンガープリント方式は、プライバシーの問題や識別精度に課題があるため、安易な利用は避けるべきでしょう。
免責事項
本稿はWebスタンプラリーにおけるユーザー識別方法について一般的な情報をまとめたものであり、特定のサービスや技術を推奨するものではありません。