はじめに
Exastro OASEのv1.6.0でコンテナ版が実装されたようなので実際に試してみたいと思います。
Exastro OASEについて
「Exastro OASE はシステム運用の自立化・効率化・省力化を支援するためのOSSです。」
ということですが、簡単に言うとシステムの運用を楽にしてくれるOSSのようです。
また、基本的な機能についてはこちらをご覧下さい。
Exastro OASE を最速でインストールする
OASEの新機能について
今バージョン、OASEv1.6.0では、大きな特徴としてオールインワン構成のコンテナや、docker-composeを利用した分散構成がとれるようになっています。面倒なインストール作業はなく、コマンドを一つ実行するだけでOASEを起動することができますね。
機能面では、Exastro IT Automation(以下Exastro ITAとします)との連携がさらに強化され、パラメータシートにOASEのアクションパラメータから直接値を投げ込むことができるようになっています。また、アクションを実行しないというアクションも指定できるようです。
以前からある監視連携機能のほかに、Datadogと連携を行うことができるようになっているようです。
分散構成(docker-compose)のコンテナ起動
OASEのコンテナ版にはオンプレミス版をそのままコンテナに構成したオールインワン版と、機能ごとに分かれたdocker-compose版の二つがあるようです。
オールインワン版の方はお試し版のようなので、本格的に利用もできるdocker-compose版を使ってみることにします。
では実際にコンテナ起動の方を行っていきましょう。
まずはdocker-composeを含むDocker環境を用意します。
今回はこちらの記事を用いて環境を用意しました。
Docker・docker-composeのインストール手順
次に公式のGitHubより資材をDLします。
git clone https://github.com/exastro-suite/oase-container.git
cloneが完了したらまずはlogsディレクトリの権限を変更します。
これを行わないとログの保存ができずログインができません。
cd oase-container
chmod -R 777 logs/
その後、Dockerのネットワークを一つ作成し、起動するために次のコマンドを実行します。
# network作成
docker network create oase-monitoring
# OASE起動
docker-compose up -d
これを実行するとexastro公式のDockerHubよりイメージのDL、コンテナの起動が行われます。
以下のようにoase-setup以外がStartedになるまで待ちましょう。
ここで同時にExastro ITAのv1.9.0のコンテナも起動します。
今回は公式が提供しているサンプルの構成を利用していますが、本来であればoase-と付かないものはカスタマイズして利用する必要があります。
[+] Running 22/22
? Network oase-container_private Created 0.1s
? Network oase-container_public Created 0.0s
? Volume "oase-container_business-central-data" Created 0.0s
? Volume "oase-container_common-m2-repository" Created 0.0s
? Volume "oase-container_mariadb-data" Created 0.0s
? Volume "oase-container_common-rule" Created 0.0s
? Volume "oase-container_common-temp" Created 0.0s
? Volume "oase-container_rabbitmq-data" Created 0.0s
? Container oase-agent Started 1.1s
? Container oase-action Started 1.5s
? Container business-central Started 1.7s
? Container oase-servicenow-notification Started 1.9s
? Container oase-zabbix-monitoring Started 2.2s
? Container mariadb Started 1.8s
? Container rabbitmq Started 2.2s
? Container oase-ita-collaboration Started 1.8s
? Container exastro-it-automation Started 1.8s
? Container oase-accept Started 2.0s
? Container oase-setup Exited 45.6s
? Container kie-server Started 2.5s
? Container oase-apply Started 46.4s
? Container oase-web Started 46.4s
上記の状態になったら次のコマンドを実行してきちんとコンテナが実行されているか確認します。
docker-compose ps
下記のようにoase-setupのみがExited(0)でそれ以外はrunningとなっていれば正常に起動できていますので早速次のURLにアクセスし、ログインしてみましょう。
NAME COMMAND SERVICE STATUS PORTS
business-central "./start_business-ce…" business-central running 0.0.0.0:38080->8080/tcp, :::38080->8080/tcp
exastro-it-automation "/docker-entrypoint.…" exastro-it-automation running 0.0.0.0:31080->80/tcp, :::31080->80/tcp
kie-server "./start_kie-server.…" kie-server running 0.0.0.0:38180->8080/tcp, :::38180->8080/tcp
mariadb "docker-entrypoint.s…" mariadb running 0.0.0.0:33306->3306/tcp, :::33306->3306/tcp
oase-accept "/docker-entrypoint.…" oase-accept running
oase-action "/docker-entrypoint.…" oase-action running
oase-agent "/docker-entrypoint.…" oase-agent running
oase-apply "/docker-entrypoint.…" oase-apply running 50001/tcp
oase-ita-collaboration "/docker-entrypoint.…" oase-ita-collaboration running
oase-servicenow-notification "/docker-entrypoint.…" oase-servicenow-notification running
oase-setup "/docker-entrypoint.…" oase-setup exited (0)
oase-web "/docker-entrypoint.…" oase-web running 0.0.0.0:30080->80/tcp, :::30080->80/tcp
oase-zabbix-monitoring "/docker-entrypoint.…" oase-zabbix-monitoring running
rabbitmq "docker-entrypoint.s…" rabbitmq running 0.0.0.0:35672->5672/tcp, 0.0.0.0:45672->15672/tcp, :::35672->5672/tcp, :::45672->15672/tcp
項目名 | 値 |
---|---|
URL | http://<IPアドレスまたはホスト名>:30080/oase_web/top/login |
ユーザ名 | administrator |
パスワード | oaseoaseoase |
このように入力し、ログインしましょう。
ログイン後、パスワードの変更を求められますのでしっかりと変更しましょう。
Exastro ITAの方も同じようにログインしてみましょう。
項目名 | 値 |
---|---|
URL | http://<IPアドレスまたはホスト名>:31080/common/common_auth.php?login |
ユーザ名 | administrator |
パスワード | password |
Exastro ITAの方もパスワードを変更しておきましょう。
まとめ
今回は分散構成のOASEの起動方法についてご紹介しました。
私個人としてはインストール作業がないのが楽チンでいいなと感じました。
この記事では起動方法とログインするところまでの紹介ですが、次の記事では、実際の運用を想定したシーンに沿ってOASEを利用していきたいと思います。
次回記事