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Microsoft 365 Copilotで社内ナレッジベースのエージェントを1時間で作った話

Last updated at Posted at 2025-12-20

はじめに

この記事では、Microsoft 365 Copilotを使って社内のナレッジ共有を効率化するエージェントを作成した事例を紹介します。作成時間はなんと1時間以内。コーディング不要で、誰でも簡単に作れるのでぜひお試しください。

自己紹介

こんにちは、システム部の中尾です。
2025年4月に入社し、8月からシステム部の統合編集システム担当チームに配属されました。

統合編集システム「marche(マルシェ)」とは

統合編集システム「marche(マルシェ)」(以下、marche)は、朝日新聞社のデジタルと紙面の素材を一元的に作成・配信できるシステムで、新聞社がコンテンツを配信する上で欠かせない基幹システムです。

背景:「これ前にも答えたような...」の繰り返し

社内には「marche広場」というTeamsチームがあり、marcheに関するナレッジ共有の場として運営されています。このTeamsチーム内でQ&Aを集約し、関連するマニュアル類はチームのSharePointに格納しています。

このmarche広場ですが、最近こんな課題が出てきました:

  • マニュアルや過去のQ&Aで解決済みの質問や、(marcheとは関係のない)PC一般トラブルの質問も寄せられ、本来共有すべき新しい疑問やバグの指摘が埋もれる

「これ、前にも答えたような...」という既視感のある質問対応に時間を取られてしまう状況でした。

きっかけ:Copilot勉強会での「できる」の一言

8月に社内でMicrosoftの担当者をお呼びしたCopilot勉強会が開催されました。そこでMicrosoft担当者に質問してみました。

Q:「CopilotエージェントはTeamsチャネルをナレッジ参照できますか?」

A:「できます」

「marche広場使ってAIエージェント作れるかも?」とピンときました。早速、実際にmarcheを題材にエージェントを作成してみることにしました。

作ってみた:marcheエージェントの特徴

作成したエージェントは以下の機能を持っています:

主な機能

  1. ナレッジベース自動回答

    • SharePointのマニュアルを参照
    • marche広場の過去投稿から類似事例を検索
    • 該当するマニュアルや投稿を提示
  2. PC一般トラブル対応

    • marche固有でない質問にはWeb検索で対処法を案内
  3. 適切なエスカレーション

    • 解決できない場合はmarche広場チャネルへ投稿を促す
    • PC全般のトラブルは社内ITサポート窓口へ誘導

作成時間

なんと1時間もかからずエージェントを作ることができました! コーディング一切なしで、設定だけで完結しました。

作り方:Copilotエージェントの設定手順

1. エージェントビルダーにアクセス

Copilot画面から「エージェントの作成」機能を選択します。

2. ナレッジの設定

Copilotが参照するデータソースを指定します(最大20個まで):

  • Teamsチャネル: marche広場のチャネルを指定
  • SharePointサイト: marcheマニュアル格納場所

ポイントは、特定分野に特化したエージェントを作ること。
「Only use specified sources」の項目にチェックを入れるだけで、エージェントは参照範囲を絞ってくれるため、より精度の高い回答が得られます。

3. プロンプトの設定

エージェントの振る舞いを定義します(最大8,000文字)。

💡 ここでのおすすめは「プロンプトコーチ」機能の活用です!

Microsoft 365 Copilotには「プロンプトコーチ」という機能があり、入力したプロンプトを分析して改善提案をしてくれます。私も最初はシンプルなプロンプトしか作れなかったのですが、プロンプトコーチに入力し、対話しながら詳細を詰めていくことでより明確で効果的な指示文に仕上げることができました。

以下、プロンプトコーチの助けも借りて作成したプロンプト例です:

### 回答スタイルと制限事項  
ユーザーからの質問には、**専門的かつ丁寧な口調**で回答してください。  
回答対象は、**朝日新聞社の統合編集システム「marche」に関する内容のみ**とし、それ以外の質問には回答しないでください。  
回答は、以下の情報源に基づいてください:  
- Teamsのチャネル「marche広場」  
- 指定されたSharePointマニュアル(ナレッジベース)  
### トラブルシューティングの対応フロー  
1. **ナレッジベースの確認**  
   - Teamsの過去投稿およびSharePointマニュアルを検索し、類似事例や解決策を探してください。  
   - 解決策が見つかった場合は、丁寧に説明し、出典元(Teams投稿またはマニュアル)を明記してください。  
2. **Web検索の実施**  
   - ナレッジベースに情報がなく、かつ一般的なPCトラブルと判断できる場合は、Web検索を行い、信頼性のある情報をもとに対処法を提示してください。 
3. **Teamsへの誘導**  
   - ナレッジベースにもWebにも情報がない場合は、ユーザーに「marche広場」チャネルへの投稿を促してください。  
4. **社内ITサポート窓口への案内**  
   - marcheとは無関係な一般的なPCトラブルで、対応が困難な場合は、社内ITサポート窓口への連絡を案内してください。  
### 補足事項  
- このAIは、Teams「marche広場」とSharePointマニュアルを主な情報源とします。  
- 情報が不足している場合や、専門的な対応が必要な場合は、適切にTeamsへの誘導を行ってください。

4. 公開設定

作成したエージェントは、組織内で共有できます。リンクを配布すれば、誰でもアクセス可能です。

詳細な手順は公式ドキュメントをご覧ください:

効果:回答者の負担が大幅に軽減

導入後、以下の効果を得ることができました:

  • 「どのマニュアルに記載があるか」を自動提示、「既存トラブルか」を過去投稿から即座に判断してくれるため、回答者が一から調べる時間を削減
  • 案内がスムーズになり、利用者から「便利」の声をいただけた

応用例:他の業務にも使える

marcheエージェントの仕組みは、他の業務にも応用できます
AIに例を出してみてもらいました:

  • 営業向けFAQエージェント: 製品仕様や価格表を参照
  • 人事向けQ&Aエージェント: 就業規則や福利厚生制度を案内
  • 開発チーム向けエージェント: 技術ドキュメントやコーディング規約を参照

ナレッジとプロンプトを変えるだけで、様々な分野に特化したエージェントが作れますのでぜひお試しください。

まとめ

Microsoft 365 Copilotエージェントを使うことで、コーディング不要・1時間以内で社内ナレッジベースのAIエージェントを構築できました。

ポイント

  • ✅ ノーコードで誰でも作成可能
  • ✅ 既存のTeamsチャネル・SharePointをナレッジとしてそのまま活用
  • ✅「プロンプトコーチ」機能を使うことで誰でも効果的なプロンプト作成が可能
  • ✅ 他の業務にも横展開可能

もし社内で「問い合わせ対応を効率化したい」「ナレッジはあるのに活用されていない」という課題を抱えているなら、ぜひCopilotエージェントを試してみてください。

おまけ:社内生成AI利活用コンペで最優秀賞受賞

このエージェントを紹介し、社内生成AI利活用コンペで最優秀賞をいただけました

いただいた賞金は、正月の初売りで使う予定です。新年の楽しみが増えました!

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