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【電力価格予測】EDA(価格、燃料・為替、日付)

Last updated at Posted at 2025-12-07

この記事は「【リアルタイム電力予測】需要・価格・電源最適化ダッシュボード構築記」シリーズの八日目です
Day1はこちら | 全体構成を見る

前回は電力価格とは何か?から始まり、データのダウンロードと整形について記載しました。
今回は、取得したデータのEDA(探索的データ解析)を行い、特徴量やモデルについて考えていきたいと思います。

今回使用するデータ

電力価格データ

  • JEPXの東京エリアのスポット価格
  • 気象データ(気温、風速、日照時間、全天日射)
  • 燃料データ(石炭・石油・ガス価格)
  • 為替データ(USDJPY)

可視化の目的

電力価格は単なる時系列ではなく、以下の3つの階層的な構造で動いています。

  • 長期トレンド
    • 燃料・為替といった外生ショックが価格の基調を作る
  • 短期トレンド
    • 気温・需要・太陽光・風力が日々の価格を動かす
  • 時間的な周期性
    • 季節性(日周・週間・年間)が電力価格のパターンを形づくる

それぞれどのような動きをしているかを見ていきます!

1. 長期トレンド

電力価格の基調は、火力発電の燃料費(石炭・石油・ガス)と、それらの輸入価格に影響する為替(USDJPY)によって決まります。
そのため、中長期の価格トレンドがどう変化してきたかを確認していきます。

  • 扱う変数
    • 電力価格(JEPX)
    • 燃料価格(Brent / HenryHub / Coal)
    • USDJPY(円安・円高)

【折れ線】価格 vs 燃料価格

石炭(Coal AUS)

日本は主にオーストラリアまたはインドネシアから輸入しております。ここでは、オーストラリア炭の価格を扱います。
image.png

  • 長期的に下降傾向にあった価格が2021年冬ごろから徐々に上昇し、最高価格は最低価格の約9倍です(!)
  • 2022年8月の JEPX 価格スパイクと重なっており、燃料要因が電力価格高騰を招いたことが分かります

石油(Brent)

image.png

  • 2020年の春ごろ、つまり新型コロナ感染症が流行し始めた頃に一度下がりますが、それ以降は徐々に上がり続け2022年の夏ごろにピークを迎えます
  • それ以降は大体80円前後に落ち着いています。それでもコロナ前よりは高い水準です
  • 石油と電力価格は完全に連動しておりませんが、燃料高騰期に価格の底上げが起きています

ガス(Henry Hub)

image.png

  • いくつか山が見られますが、特徴的なのは2021年冬、2022年夏、2024年冬、2025年冬です
  • 価格のピークからは遅れて変動がやってきています

【折れ線】価格 vs USDJPY

image.png

  • 2021年春ごろから上昇傾向にあり、そのトレンドが今も高止まりしています
  • 単体では電力価格との見た目の相関は弱いですが、「燃料価格 × 円安」による複合効果として効いている可能性が高いです

長期トレンドのまとめ

  • 燃料価格の急騰 → 電力価格の基調が上昇する
  • 円安 → 輸入燃料が割高になり、基礎的な電力価格が押し上げられる
  • この構造は、短期変動では説明できない 価格の土台 を形成している

2. 短期トレンド

日々の電力価格は、主に 需要(負荷) と 気象(太陽光・風力・気温) で決まります。特に、気温と需要は電力価格の最重要要因です。

  • 扱う変数
    • 需要
    • 気温
    • 太陽光(Solar_rad / Solar_obs)
    • 風力(wind_speed)

【散布図】価格 vs 気温

image.png

  • 暑すぎる日・寒すぎる日は空調需要が増え、電力価格が上昇につながりそうです

電力価格を100円以下に絞る:
image.png

  • U字型の関係が見えます

【散布図】価格 vs 需要

image.png

  • 高需要日には価格が跳ね上がる傾向が見られます

電力価格を100円以下に絞る:
image.png

  • ただし、夏は太陽光発電が供給を押し上げるため、
    需要が高くても価格が低いケースが存在しています
  • つまり、需要単独ではなく 太陽光との組み合わせが価格を決めていそうです

【折れ線】価格 × 太陽光の強さ/時間・風速

全天日射(Solar Radiation)

image.png

  • 日中にかけて急上昇し、昼過ぎにピークを迎えています
  • 同時間帯の電力価格は低下しており、太陽光が市場価格を押し下げる効果が見られます

日照時間

image.png

  • 全天日射と類似の挙動で、太陽光 実際の稼働度 を示す指標です
  • 雲量による変動を反映し、太陽光発電の供給力を補完的に説明します

風速

image.png

  • 深夜〜早朝に強まり、昼〜夕方にかけて弱まります
  • 風力発電は一定ではありませんが、夜間価格の低さを部分的に説明しているのではないでしょうか

短期トレンドまとめ

  • 気温 → 空調需要 → 価格上昇(U字構造)
  • 需要 → 電力供給逼迫 → 価格上昇
  • 太陽光 → 供給増 → 価格低下
  • 風力 → 深夜の価格安定に寄与

⇒ 短期的には、「需要(気温)× 再エネ(太陽光・風力)」の組み合わせで価格が決まりそうです

3. 時間的な周期性

電力価格には季節性と日周パターンが存在しています。

  • 扱う変数
    • 時間
    • 曜日

【ヒートマップ】月 × 時間

image.png

電力価格を100円以下に絞る:
image.png

  • 冬と夏の日中に価格が高くなっています
  • 冬以外の深夜~朝にかけての価格は年間を通じて安定しています
  • 高騰日の影響を除いても季節性は見られました

【折れ線】月 × 時間

image.png

  • 冬:朝〜夕方にかけて価格が高い
  • 夏:午後に向けて上昇するが、太陽光の影響で日中はそれほど高くならない
  • 春・秋:全体的に低く安定

【ヒートマップ】年 × 月

image.png

2021年の1月の高騰が目立ちます。

電力価格を100円以下に絞る:
image.png

  • 2022年以降は年間の「基線」がずれていることが分かります

【ヒートマップ】曜日 × 時間

image.png

  • 平日(月〜金)は需要が高いため、価格が高めに推移しています
  • 土日は活動量が低く、全体的に価格が低いです

時間的な周期性まとめ

  • 季節・時間帯・曜日パターンが見られた
    → 年間を通じて繰り返される安定した構造がある

明日

電力価格のモデルとして、分位点回帰の理論編に入ります:fist_tone1:

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