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Unreal Engine 5入門:開発初期に知るべきグレーボクシングとブループリント

Last updated at Posted at 2025-11-12

最近、Unreal Engine 5(以下UE5)の教本を読み始めたのですが、
グレーボクシング」と「ブループリント」という言葉の意味が、最初はまったくわかりませんでした。

どちらも重要そうなのに、説明を読んでもピンとこない。
そこで実際に調べてみると、UEの開発初期を支える非常に重要な概念だと気づきました。

この記事では、当時の自分のように「この2つの用語が曖昧なまま進んでいる方」に向けて、
グレーボクシングとブループリントの違い・役割・使われ方をわかりやすくまとめます。

🧱 グレーボクシング(Grayboxing)とは

🔹 定義

グレーボクシングとは、ゲームのレベルやマップを仮のシンプルな形状(主に灰色のブロック)で構築する作業のことです。

「ゲームの遊びを形にするための最初のステップ」

と考えるとわかりやすいです。

🔹 目的

  • アートやテクスチャを作り込む前にレベルデザインを検証する
  • 移動感覚・スケール感・視界などを確認する
  • プログラマーが仮データで機能を試せる環境を用意する

たとえば、キャラクターのジャンプ力や移動速度を調整する際、
まずは「箱でできたマップ」で十分です。

見た目よりもプレイフィール(遊びやすさ)の確認が目的です。

🔹 実際の作業例

  • Cube や Plane を配置して床・壁を作成
  • PlayerStart を置いて移動確認
  • Trigger Box で当たり判定を仮設定

この段階では、見た目が地味でも“遊べる”ことが重要です。

💡 ブループリント(Blueprint)とは

🔹 定義

ブループリントは、ノードベースでゲームの動作を定義できるビジュアルスクリプトシステムです。
C++の知識がなくても、ノードをつなぐだけでロジックを構築できます。

🔹 仕組み

UEのブループリントは内部的にC++クラスを継承しています。
つまり、C++と同等の処理をノーコードで記述できる仕組みになっています。

ノードをつなぐ=関数を呼び出す
ピンをつなぐ=データを受け渡す

というイメージです。

🔹 メリット

プログラミング知識がなくてもゲームロジックを実装可能
実行中に値を変更して即テストできる

🔹 使用例

  • キャラクター操作(移動・ジャンプ・攻撃)
  • オブジェクトのインタラクション(ドア開閉・スイッチ操作)
  • UI表示やアニメーション制御

たとえば「ボタンを押すとドアが開く」動作は、以下のようなノード構成で作成できます

Input Action → Open Door Event → Timeline(ドア回転)→ Set Rotation

すべてノードの接続で構築でき、コード不要です。

🔄 グレーボクシング × ブループリントの関係

この2つは、開発初期段階でセットで使われることが多いです。

  1. グレーボクシングで仮マップを構築
  2. ブループリントでキャラクター操作やギミックを追加
  3. 実際にプレイしてテンポや距離感を確認
  4. 問題なければアートチームが本番用アセットに差し替え

🎯 グレーボクシングは「」を、ブループリントは「動き」をつくる。

このサイクルを繰り返すことで、
見た目は仮でも、遊べるプロトタイプ」を短期間で作ることができます。

これがUE開発の大きな強みです。

🧩 まとめ

用語 意味 主な目的
グレーボクシング 仮の形状でレベルを構築 ゲームの遊び・レベル設計を検証
ブループリント ノードで動作を定義 ロジックを素早く構築

UEでは、「グレーボクシング+ブループリント」で遊べる状態を作ることが一般的です。
これにより、仕様変更にも柔軟に対応でき、完成後のクオリティを大きく引き上げることができます。

教本

UE5 極め本と呼ばれてたりします。

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