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[cx_Oracle入門](第8回) cx_Oracle8.0リリース

Last updated at Posted at 2020-06-27

2020/6/26(日本時間)にcx_Oracleが7.3から8.0にバージョンアップされました。
以下、8.0の新機能、変更点のおおまかな解説です。メジャーバージョンアップだけあって、大きな(と筆者が感じる)変更が含まれています。以下、番号はcx_Oracleのリリースノートに対応しています。

1. Python2のサポート終了

サポートするPythonのバージョンが3.5以降となりました。Python2で利用したい場合は7.3を使用する必要があります。

2. ODPI-Cのバージョン変更

cx_OracleはODPI-CというOSSのC言語のOracleアクセスドライバを用いて作成されています。バージョン8.0は、ODPI-C 4.0.1をベースにビルドされています。

3. 型マネジメントの変更

以下の通り、大幅に見直されています。

  • 型の定数の体系が以下の通りに整理されました。
  • DB API Type : DB APIに準拠した型
  • Database Type : Oracle Databaseのデータ型に対応した型。7.3と名称が異なる
  • Database Type Synonym : 7.3時代の型。8.0以降は非推奨で将来廃止予定
  • Other Type : 上記に含まれない型
  • 7.3では一部のOralce Databaseデータ型に対し、対応するcx_Oracleデータ型定数が存在しませんでした。8.0で不足していたデータ型への対応として、以下を追加しています。
  • cx_Oracle.DB_TYPE_BINARY_FLOAT
  • cx_Oracle.DB_TYPE_INTERVAL_YM
  • cx_Oracle.DB_TYPE_TIMESTAMP_LTZ
  • cx_Oracle.DB_TYPE_TIMESTAMP_TZ
  • Variableオブジェクトのtype属性に対する変更
  • Oracle Databaseのオブジェクト型にバインドされていない場合、NoneではなくDatabase Typeを使用するように変更
  • LOBに対応
  • Oracle Databaseのオブジェクト型の属性を取得可能に
  • Object Typeオブジェクトにelement_type属性を追加
  • 同一セッションないしコネクションプール使用時において、Object Typeオブジェクトの名前やスキーマの比較が可能に
  • すべての変数が同一クラスのインスタンスとなった
  • 変数の文字列表現に、値に加えて型が追加

4. cx_Oracle.init_oracle_client()の追加

Oracle Clientライブラリの初期化を行う関数cx_Oracle.init_oracle_client()が追加されました。

5. デフォルトエンコーディングの変更

7.3ではNoneでしたが、8.0ではUTF-8になりました。NLS_LANG環境変数のキャラクタのセットの指定は無視されます。

6. Soda Documentクラスへのメソッド追加

SodaCollectionオブジェクトにsave(), saveAndGet(), truncate()メソッドが追加されました。これらの機能を利用するためには、Oracle Client 20以降が必要です。

7. SodaOperation.fetchArraySize()の追加

SODAドキュメントのフェッチ件数を設定するSodaOperation.fetchArraySize()が追加されました。この機能を利用するためには、Oracle Client 19.5以降が必要です。

8. Cursor.prefetchrowsの追加

結果セットのプリフェッチを行うCursor.prefetchrowsが追加されました。

9. Connection.versionの初回実行に伴うラウンドトリップの回避

データベースのバージョン番号を取得するConnection.versionの初回実行に伴うラウンドトリップを回避するために、新しいモードの追加行っています。この機能を利用するためには、Oracle Client 20以降が必要です。

10. PFILE対応

PFILEを使用したデータベースの起動に対応しました。7.3まではSPFILEのみの対応でした。

11. Cursor.getbatcherrors()のバッファオーバーフローの修正

オフセットが65536を超えた場合、Cursor.getbatcherrors()でバッファオーバーフローが発生する問題を修正しました。

12. Cursor.lastrowidの挙動の変更

INSERT ALL文を実行した後にCursor.lastrowidを実行した場合にエラーが発生しないように変更されました。

13. Alex Henrie氏のpull requestの受け入れ

主にコードの改善(冗長なコーディングの改善等)に関する6つのpull requestを取り込んでいます。

14. boolean変数にバインドされたPythonオブジェクトの挙動

boolean変数にバインドされたPythonオブジェクトは、Pythonのif文の中でTrueかFalseとみなされるかに従ってTrue/Falseに変換されるようになりました。従来はTrueのみTrueに変換され、それ以外はFalseに変換されていました。

15. 本体コード以外の改善

ドキュメント、サンプル、テストを改善しています。

変更履歴

  • 2020/12/12 : 誤字修正
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