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[cx_Oracle入門](第1回) cx_Oracle概要

Last updated at Posted at 2020-06-01

連載目次

連載:cx_Oracle入門 目次

cx_Oracleとは

cx_OracleはPythonからOracle DatabaseにSQLアクセスするためのモジュールです。オラクル社が自ら作成しています。
PEP 249 (Python Database API Specification v2.0)になるべく準拠するように作成されています。
2020/6/1(本記事初期公表)時点のcx_Oracleのバージョンは7.3です。
Python2.7以降、もしくはPython3.5以降で稼働します。
また、2020/6/27にcx_Oracleのバージョン8.0がリリーされました。
8.0はPython2のサポートを終了し、Python3.5以降のサポートとなっていますので、Python2を利用予定の方はご注意ください。
7.3も引き続き入手可能です。
ライセンスはBSD licenseです。
DBアクセス部分はPro*Cではなく、ODPI-C(Oracle Database Programming Interface for C)という、オラクル社提供のOSSのC言語用のOracle Databaseアクセスライブラリを使用しています。
cx_Oracleには大きくは以下のような機能があります。

  • 基本的なSQLアクセス(DML / DDL / DCL)
  • PL/SQLの実行(無名PL/SQL、ストアドプログラム)
  • SODA(Simple Oracle Document Access, JSONドキュメントストアにアクセスするためのAPI)への対応
  • XML DB(XMLType)への対応
  • オブジェクト機能への対応
  • クライアントサイド・コネクションプールの提供
  • その他Oracle Database機能への対応(インスタンスの起動/停止等)

cx_Oracleの基本的な情報源

すべて英語ベースです。
- 公式ドキュメンテーション
- GitHub

cx_Oracleのインストール

前準備

cx_Oracleを利用するためにはOracle Clientが必要です。Instant Clientでも問題ありません。JavaでいうところのThin Driverに相当するものはありません。
Oracle Clientのバージョンは11.2以上に対応しています。接続先のOracle Database Server側は、利用しているOracle Clientが対応しているバージョンが利用可能となります。
cx_Oracle利用のための環境変数は特にありませんが、Oracle Clientのための環境変数(ORACLE_HOME, NLS_LANG等)は必要です。
cx_Oracleを利用したアプリケーションをテストする前に、SQL*PlusやSQL Developerなどを使用して、cx_Oracleインストール対象マシンからOracle Databaseにアクセスできることを確認しておいてください。

インストール

pipやcondaのようなパッケージマネージャーを使用してインストールすることが可能です。以下、pipでのインストール例です。

pip install cx_Oracle

Python2環境や、あえて古いバージョンを使用したい場合は、以下の様にバージョン番号を指定してインストールします。

pip install cx_Oracle==7.3

サンプルアプリケーション

sample01a.py
#!/usr/bin/env python3
# -*- coding: utf-8 -*-
import cx_Oracle  # (1)

USERID = "admin"
PASSWORD = "FooBar"
DESTINATION = "atp1_low"
SQL = "select 12345 from dual"

connection = cx_Oracle.connect(USERID, PASSWORD, DESTINATION)  # (2)
cursor = connection.cursor()  # (3)
cursor.execute(SQL)  # (4)
for row in cursor:  # (5)
    print(row[0])  # (6)
cursor.close()  # (7)
connection.close()  # (8)

以下、他の言語でOracle Databaseにアクセスするアプリケーションを作成したことのある方であれば不要なレベルですが、ソース内のコメント番号に対応して、各行を簡単に解説します。

  1. cx_Oracleをimportする必要があります。
  2. データベースに接続し、セッションを確立します。
  3. SQL文をハンドリングするためのカーソルオブジェクトを作成します。
  4. SQL文を実行します。
  5. 今回はSELECT文を発行しているので、結果セットの内容を取り出しています。
  6. レコードはタプルで戻されます。
  7. カーソルオブジェクトをクローズします。
  8. セッションを切断します。

変更履歴

  • 2020/6/7 :
    • タイトルに回数を追加
    • 「cx_Oracleのインストール」に環境変数への言及を追加
    • 「サンプルアプリケーション」にカーソルクローズを追加
  • 2020/6/27 :
    • 「cx_Oracleとは」にcx_Oracle 8.0の情報を追加
    • 「cx_Oracleのインストール」に旧バージョンのインストール方法を追加
  • 2020/7/1 : 連載目次を追加
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