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国会でも話に上がった "HASH" をPythonで -- hash()じゃないよ! --

Last updated at Posted at 2018-09-05

以前、”国会にhash関数の話が出たwww”といって、そっちの界隈の人でちょっとした話題になっていました。

では、hashとはなんなのか?分からない人もいると思います。

それがわかっても、Pythonでの実装がわからない方もいらっしゃると思いますので、この記事を書いた次第です。

hashって?

wikipediaを参照すると

データから算出した小さな値。各データを区別・表現する目的に用いる。

となっています。

つまり、あるデータから、それ固有の値を取り出して(計算から導き出す)、データの区別に使うための値。です

この計算というのが大事で、たとえば、長さが400ページ以上もある本を文字に落とし込んで所得したhashと、

その文字列の句点と読点を一個だけ入れ替えた文字列のhashは異なります

そこから、文書の改ざん対策などにも用いられるんですね。

また、その『元からhashを求めるのは用意である』が『hashから元を求めるのは非常に困難である』という性質を利用して、暗号・セキュリティにも用いられています。

Pythonで実装

Pythonにはhash関数が元からありますので、それを利用してみましょう。

>>> hash("1")  # "ハッシュ不可能"(listやset, dictなど)は用いないでください
4940519975841726253

求められましたね。

しかし、これではだめです

このhashが信頼できるのは、このインタープリタを閉じるまでだからです。

一度閉じて、もう一度実行してみましょう。

>>> hash("1")
2261270426266027010

おなじ文字列のhashを取り出したにもかかわらず、違う値が出ていますよね。

このように、正当性を確かめるには、標準のhashは不向きであるとわかります。

そこで使うのが、hashlibです

>>> import hashlib
>>> hashlib.md5(b"1").digest()  # bytesにしましょう
b'\xc4\xcaB8\xa0\xb9#\x82\r\xccP\x9aou\x84\x9b'
  # 一度閉じます
>>> import hashlib
>>> hashlib.md5(b"1").digest()
b'\xc4\xcaB8\xa0\xb9#\x82\r\xccP\x9aou\x84\x9b'  # 同じ値が返ってきます

みなさんが同じコードを打っても、同じ値が返ってくるはずです。

これが、一意性を保っているということです。

MD5(hash化の方法の種類です)のほかに、SHA1、SHA224、SHA256、SHA384、SHA512に対応しているようです。

ユーザーのパスワードをhash化して持っておき、ログインしようとしたときに、そのhashと入力された文字列のhashを比べる、なんてこともできますよね。
MD5に関しては、衝突(別のデータが同じhash値を持つこと)が他のものと比べて多いようなので、注意です

しかし、単にハッシュにしただけでは脆弱で、Brute-Force-Attack(総当たり攻撃)に対抗するだけの力がありません。

なので、Salt(パスワードと関係のない値)と反復を繰り返すのがhashlib.pbkdf2_hmac()です。

  • より高度な使用
>>> import os, hashlib, binascii
>>> salt = os.urandom(64)  # osの提供する64文字長の信頼できるrandomなbytes
>>> salt
b'\xc0<U\xdc5\xea\x8d+y\xe6W\x882U\xdaG\xbe\xd5\x19\xc0\xb2l\xf5\xd5/~W2\xa9\x92z\x8b\xff\xba\x8bs\x95t)I\xd1s\xfa.\x85R\xff\xd6\x89\x10n\xb7\xc3<\x84\x87\xea\xe6X\x8a\xdb,\xc3\x1c'
>>> dk= hashlib.pbkdf2_hmac("sha256", b"PaSsWoRd", salt, 100000)  # sha256でb"PaSsWoRd"とsaltを使って100000回hmacの反復
>>> binascii.hexlify(dk)  # 得られたhash
b'53ce88a1559e955b7b68794225365af09261f0a411629cef554de208e33e8da7'

といった感じです。

最低反復は 10,000回以上回すことが推奨されています。

それでは皆さん、よいPythonLifeを!!

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