BizRobo! Design Mode Execution設定の違いについて
はじめに
BizRobo!でロボットを作成する際、Robot Configuration(ロボット設定)のDesign ModeタブでDesign Mode Executionという項目があります。ここでは「Minimal Execution (Direct)」と「Smart Re-execution (Full)」の2つのモードが選択できますが、この違いについて詳しく説明していきます。
特にDAロボット(Desktop Automation Robot)を使用する場合には、設定に注意が必要です。
Minimal Execution (Direct)モードとは
特徴
Minimal Execution (Direct)モードは従来のDesign Studio実行モードです。9.5以前のバージョンで記述されたロボットはすべてこの実行モードを使用します。バージョン10.7以降では、新規ロボット作成時のデフォルトはSmart Re-executionモードに変更されています。
このモードの主な特徴は以下の通りです:
- 最短パスで実行:可能な限り少ないステップを実行するように最適化されています
- 効率重視:ロボットグラフでステップをクリックすると、ダイレクトパスにない以前の分岐とイテレーションをスキップし、そのステップへの最短のダイレクトパスを選択します
- メモリ効率:Smart Re-executionモードよりもメモリ使用量が少なくなります
推奨用途
- ほとんどのデータ収集用途
- 外部サイトとの重要なやり取りを行うロボット
- 複雑なウェブサイトとやり取りするステップなど、実行に相当な時間がかかるステップがある大型ロボット
制限事項
このモードの欠点として、デフォルトパスを使用してステップに直接実行できない場合(例:パス内のTryステップがロボットが最上位の分岐をたどることを妨げる場合など)、特定のステップへのパスを選択するためにユーザーの支援が必要になることがあります。
Smart Re-execution (Full)モードとは
特徴
Smart Re-execution (Full)モードは、Design modeでのロボットの実行方法が実行時またはDebug modeで実行される方法と同様になります。
このモードの主な特徴は以下の通りです:
- キャッシュ機能:ウェブサイト、データベース、またはウェブサービスによる外部とのやりとりがキャッシュされます
- 効率的な再実行回避:実行結果を格納するための前提条件が変更されるまで、キャッシングによってステップの再実行が回避されます
- 実行環境に近い動作:実際の実行時により近い動作をします
メモリ使用量について
Smart Re-executionモードはMinimal Executionモードよりも多くのメモリを消費します。そのため、外部と重要なやり取りを行う大型ロボットや長時間稼働するロボットには推奨されません(実行時間が長くなり、メモリの使用量が高くなりすぎるため)。
重要:DAロボット使用時の必須設定
DAロボット(Desktop Automation Robot)を使用する場合は、必ずSmart Re-execution (Full)モードに設定してください。
Smart Re-execution modeは、Desktop Automation workflowをサポートする唯一のモードです。Minimal Execution (Direct)モードではDAロボットは動作しません。
DAロボット使用時の注意点
DAロボットを使用する際は以下の点にご注意ください:
- 必ずSmart Re-execution (Full)モードを選択
- DAワークフローを変更した場合の対応:Desktop Automation workflowの初回実行時に返される変数の状態がキャッシュされ、Desktop Automation workflowを更新してもキャッシュされた変数は更新されません。DAワークフローを変更した場合は、キャッシュされた変数状態を更新するためにロボット全体を再実行する必要があります
設定方法
設定を変更するには以下の手順で行います:
- Design Studioでロボットを開く
- Robot Configuration(ロボット設定)を開く
- Design Modeタブを選択
- Design Mode Executionの項目で適切なモードを選択
新規ロボット作成時は、新規ロボットウィザードで実行モードを選択できます。
まとめ
- Minimal Execution (Direct):効率性を重視、最短パスで実行、メモリ使用量が少ない
- Smart Re-execution (Full):実行環境により近い動作、キャッシュ機能あり、メモリ使用量が多い
- DAロボット使用時は必ずSmart Re-execution (Full)モードを選択
選択されたロボットの実行モードは、デザインモードでの実行にのみ影響し、デバッグモードやRoboServerの実行には影響しないことも覚えておきましょう。
プロジェクトの要件に応じて適切なモードを選択することで、より効率的なロボット開発が可能になります。
参考資料
最後まで見ていただきありがとうございました!