はじめに
本記事シリーズは母国語のプログラミング言語が存在するという文化的価値をアピールするためのもので、プログラミング一般の入門を意図するものではありません。ステップ2としては、実用的な日本語プログラミング言語では第2世代に入る「なでしこ」で「あい」を学んでいきます。ついでにプログラミングの妙を遊ぶというお題となります。
なでしこ
なでしこ(V1の場合)は、日本語に近い語順で記述できる、オープンソースのインタプリタ言語で実装言語はDelphi(デルファイ)です。
実装言語がC#の中間コードコンパイラ言語V2の開発は中断されて、現在はWebアプリケーションでもあるAltJSのV3に開発の力点をシフトしました。実装言語はNode.js(JavaScript)。V1は新規の機能は追加されていませんが現在もメンテ・利用されつづけています。なでしこは2005年に登場し、来年2025年で生誕20周年を迎えます。
なでしこの入手方法
なでしこバージョン1(Windows版)を下記の公式サイトからダウンロードできます。
お題のソースコード
あいとは
人や物事を大切に思う心。
これをプログラムとして実行してみます。出現する単語を定義しておけば、なでしこはあらゆる文章をプログラムとして受け付けます。(ただし文意を維持して実行できるようにするには工夫が必要です。)
プログラム実行文に出現する単語をあらかじめ定義しておきます。話を簡単にするため、主に予約語を使ったユーザー単語定義と文字列定数の定義を用います。
人は "自分や自分以外の人間、"
物事は "もろもろの物や事柄は"
大切は "大切と思っている心のありようのことで、漢字では「愛」と表記します。"
●思う心(人や物事を大切に)
「{人}{物事}{大切}」を表示。
●あいとは
人や物事を大切に思う心。
あい。
お題のソースコードを実行
では、実行してみます。実行環境はなでしこパッドです。
自分や自分以外の人間、もろもろの物や事柄は大切と思っている心のありようのことで、漢字では「愛」と表記します。
無事に成功しました
おわりに
いかがでしたでしょうか?わたしはわが国に母語によるプログラミング言語が存在することを誇りに思っております。言語は文化。こんにちの日本語のポップスやアニメソングなどが海外でそのまま歌われるような近況を鑑みますと、純然たる技術基盤として超強力な米欧発プログラミング言語勢と存在意義を争うこともなく、日本語の文化として海外でも日本語プログラミング言語の愛される日が来るのやもしれません。