はじめに
本記事シリーズは母国語のプログラミング言語が存在するという文化的価値をアピールするためのもので、プログラミング一般の入門を意図するものではないのですが、じゃあどんな意図なんですかということでは、これはあの日本語プログラミング言語ユーザー相互の交流目的という建付けでございます。今回はついにプロデルでいわゆる「お嬢様コーディング」です。わたし的に「お嬢様コーディング」というとなんとなく「なでしこさん」でございます。
プロデル
プロデルは、日本語に近い語順で記述できる、オブジェクト指向の中間コードコンパイラ言語です。中間コードは共通言語ラインタイム(CLR)1で、.NETアプリケーションと同じ実行環境で動きます。実装言語はC#。インタプリタ版もあります。
プロデル言語を.NET CoreのCLR中間コードにコンパイルするバージョンとしてスミレがあり、Webアプリケーションの次世代実行環境であるのWebAssemblyアセンブリ言語をコンパイル出力するようにしたスミレ畑があります。
プロデルの入手方法
プロデル(Windows版)を下記の公式サイトからダウンロードできます。
お題のソースコード
愛するとは
人や物事を大切に思う心のことでございますわ。
前回に続き、これをプログラムとして実行してみます。
プロデルの場合もこのようなひらがなをどのように処理するのかは実はわかっていません。Mindと同じ雰囲気でとりあえず書いてみます。
人は 「自分や自分以外の人間、」
物事は 「もろもろの物や事柄などを」
大切は 「大事に思っている心のありようのことで、漢字では[「]愛[」]と表記するのでございますわ。」
愛する。
【人】や【物事】を【大切】に思う心のことでございますわ手順
「[人][物事][大切]」を表示
終わり。
愛する手順
人や物事を大切に思う心のことでございますわ
終わり。
お題のソースコード実行結果
実行結果です。実行環境はプロデルデザイナです。
おおっ!いっぱつで実行できました!
ところで、「愛する」とはやっぱり手順なのでしょうか!?愛するということは行為である以上手順化しうるものであるような気がします。愛を伝えるということからは言語が関係してきますが、下記のリンクの愛の一次言語のお話はたいへん感慨深いものでした。
おわりに
いかがでしたでしょうか?わたしはわが国に母語によるプログラミング言語が存在することを誇りに思っております。言語は文化。こんにちの日本語のポップスやアニメソングなどが海外でそのまま歌われるような近況を鑑みますと、純然たる技術基盤として超強力な米欧発プログラミング言語勢と存在意義を争うこともなく、日本語の文化として海外でも日本語プログラミング言語の愛される日が来るのやもしれません。
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Common Language Runtime, CLR は.NETアプリケーションを実行するための仮想機械 ↩