はじめに
本記事シリーズは母国語のプログラミング言語が存在するという文化的価値をアピールするためのもので、プログラミング一般の入門を意図するものではありません。ステップ3としては、実用的な日本語プログラミング言語では第2世代に入る「プロデル」で「あい」を学んでいきます。ついでにプログラミングの妙を遊ぶというお題となります。
プロデル
プロデルは、日本語に近い語順で記述できる、オブジェクト指向の中間コードコンパイラ言語です。中間コードは共通言語ラインタイム(CLR)1で、.NETアプリケーションと同じ実行環境で動きます。実装言語はC#。インタプリタ版もあります。
プロデル言語を.NET CoreのCLR中間コードにコンパイルするバージョンとしてスミレがあり、Webアプリケーションの次世代実行環境であるのWebAssemblyアセンブリ言語をコンパイル出力するようにしたスミレ畑があります。
プロデルの入手方法
プロデル(Windows版)を下記の公式サイトからダウンロードできます。
お題のソースコード
あいとは
人や物事を大切に思う心。
これをプログラムとして実行してみます。プロデルの場合、サブルーチン的な概念を「手順」と呼んでおり、それを定義宣言する際にも「手順」というワードが必要になります。
実行エントリポイントのコード「あい」は手順の定義より手前に記述します。
人は 「自分や自分以外の人間、」
物事は 「もろもろの物や事柄などを」
大切は 「大事に思っている心のありようのことで、漢字では[「]愛[」]と表記します。」
あい。
【人】や【物事】を【大切】に思う心手順
「[人][物事][大切]」を表示
終わり。
あい手順
人や物事を大切に思う心
終わり。
お題のソースコード実行結果
実行結果です。実行環境はプロデルデザイナです。
おわりに
いかがでしたでしょうか?わたしはわが国に母語によるプログラミング言語が存在することを誇りに思っております。言語は文化。こんにちの日本語のポップスやアニメソングなどが海外でそのまま歌われるような近況を鑑みますと、純然たる技術基盤として超強力な米欧発プログラミング言語勢と存在意義を争うこともなく、日本語の文化として海外でも日本語プログラミング言語の愛される日が来るのやもしれません。
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Common Language Runtime, CLR は.NETアプリケーションを実行するための仮想機械 ↩