目次
1.はじめに
2.メッセージセンター利活用のうえでの課題
3.エージェント作ってみた!
4.利用例の紹介
5.今後に向けて
1.はじめに
Microsoft 365の運用に欠かせない「メッセージセンター」。日々更新される情報には、サービスの変更点や新機能の展開予定など、重要な内容が含まれています。今回、メッセージセンターの情報をもっと手軽に、効率よく活用できるようにするためのCopilotエージェントを作成しました。本記事では、そのエージェントの概要や活用方法についてご紹介します。
2.メッセージセンター利活用のうえでの課題
Microsoft 365のメッセージセンターには、運用に関わる重要な更新情報がたくさん掲載されていますが、初めて見たときは、「必要な情報をすぐに見つけるのが難しい」、「何が書いてあるのかよくわからない」というのが正直な感想でした。
例えば、この更新情報には影響や対応方法が書かれていますが、専門用語が多く、実際に何が変わるのか少し分かりにくい印象です。
メッセージセンターに書かれている専門用語の意味や、業務にどのような影響があるのか、そして具体的に何が変わるのかを理解するまでに「時間がかかってしまうのでは…」と考えてしまいます。
3.エージェント作ってみた!
そこで、メッセージセンターの情報を誰でも使いやすくするための、Copilotエージェントを作ってみました。
Microsoft 365 メッセージセンターエージェント
このCopilotエージェントは、Microsoft 365のメッセージセンターから最新情報を取得し、整理された内容をもとに、自然な対話で質問に答えてくれる仕組みです。
ナレッジソース
Copilotエージェントの情報源となるナレッジソースには、SharePoint上のドキュメントライブラリとWebサイトを指定しています。
SharePoint上のドキュメントライブラリには、Graph APIを通じて取得・エクスポートされたメッセージセンターの情報が格納されたファイルを保存しています。Copilotエージェントはこのファイルを参照することで、通知情報を取得し、メッセージセンターに関する応答を生成します。
プロンプト
エージェントのプロンプトは、Microsoft 365 メッセージセンターの情報を正確かつ丁寧に扱えるよう、以下のような観点で設計しました。
参照する情報の前提
エージェントが使う情報源として、SharePointのドキュメントライブラリに保存されたメッセージセンターのエクスポートデータを指定しています。複数ファイルがある場合は、ファイル名や更新日時を見て最新のものを参照するようにしています。
回答のルール
ユーザーの質問に対して、正しい情報を返すためのルールを細かく設定しています。たとえば、MessageIDが指定された場合は誤った情報を返していないか確認するようにしたり、キーワード検索ではタイトルや本文、重要度などを優先して調査するようにしています。
エージェントの振る舞い
エージェントの口調やスタンスも定義しています。日本語UIと英語表記を併記すること、Microsoft 365やAzureに関しては専門的な視点で対応すること、わからないことは「不明」と明言することなど、信頼性と専門性を重視した設計にしています。
このプロンプトによって、エージェントが「正確で信頼できる情報を、わかりやすく伝える」ように動いてくれる仕組みになっています。
4.利用例の紹介
ユーザーがメッセージIDやキーワードを入力すると、該当する通知の有効開始日をすぐに返してくれます。
例②:「対象のサービスは何?」

通知の本文を読み込んで、対象となるMicrosoft 365サービス(例:Exchange Online、Teamsなど)を抽出して答えてくれます。
例③:「重要な変更だけ教えて」

通知の重要度タグをもとに、優先度の高い変更だけを絞り込んで一覧表示することもできます。
メッセージセンターの画面と比較すると、
どの通知が重要なのかわからなかった情報が、Copilotエージェントによって簡単に整理されるようになりました。
このようにCopilotエージェントを使うことで、メッセージセンターの情報を“探す”から“聞く”に変えることができ、日々の運用がぐっと楽になります。
最初は、通知を開いても何が書いてあるのかよくわからず戸惑っていましたが、今ではエージェントが要点を整理してくれるので、内容の理解がスムーズになりました。
また、Microsoft 365は更新頻度が高いため、最新情報を見逃していないかという不安も、エージェントを通じて自然と解消されていきます。
5.今後に向けて
現在、Microsoft 365 メッセージセンターの通知に含まれるメッセージIDをもとに関連情報を検索する際、期待するウェブ記事や公式リンクが十分に表示されないケースが見受けられます。プロンプトの構造を見直し、検索対象の文脈やキーワードの精度を高めることで、より確実に関連情報を表示できるように仕組化していく予定です。
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