Smart Trade社インターン生として、トレードアルゴリズム開発の自社プラットフォームQuantXとアメリカのQuantopianとの違いをリサーチしています。今回は開発者がトレードの指標として使えるデータについてです。
QuantXで利用できるデータ(2019年6月10日現在)
1.日本の日次株式取引データ
株式分割調整前と後それぞれの始値、終値、安値、高値と出来高、売買代金が3年分使用できます。
2.中国の日次株式取引データ
内容は日本のデータと同様です。
3.(エンジン換装後利用可能になる予定)bitflyer.jpの取引所データ
取引価格、bid価格、ask価格それぞれの始値、終値、安値、高値およびbid、askの板の厚さ、出来高の数値が利用できます。
Quantopianで利用できるデータ(2019年6月10日現在)
公式一覧: https://www.quantopian.com/data?type=free
1.Daily Pricing(テクニカル)
金融商品の日次取引データです。世界26ヶ国に対応しており、日本については東証、JASDAQ、大阪取引所、名古屋証券取引所、福岡証券取引所、札幌証券取引所のデータが利用できます。その他対応している国一覧はこちら: https://www.quantopian.com/docs/data-reference/overview#supported-countries-data-reference
中身は(株価調整後の)始値、終値、安値、高値、出来高です。QuantXとは異なり、株価調整前のデータを持ってくることはできません。2004年1月1日以降のデータが使えます。
2.FactSet Fundamentals(ファンダメンタルズ)
FactSet Research System社提供のファンダメンタルデータです。決算書データ、ビジネス区分、地理的区分などのデータが含まれます。
同じく世界26ヶ国に対応していて、2004年1月1日以降のデータを使えます。
3.Morningstar Fundamentals(ファンダメンタルズ)
同じくファンダメンタルズのデータですが、こっちはアメリカの金融商品に特化しています。アメリカの企業の経済的パフォーマンスを評価する600以上の指標が含まれています。2002年1月1日以降のデータが使えます。
4.FactSet Estimates - Consensus(ファンダメンタルズ)
FactSet Research System社提供のマーケットコンセンサスデータ、つまり企業の発行する決算書に基づいてアナリストが作成したパフォーマンス予想の平均(中庸?)です。世界26ヶ国に対応していて、2004年以降のデータが使えます。
5.FactSet Estimates - Actuals(ファンダメンタルズ)
FactSet Research System社提供の、企業の「実際の」パフォーマンスを示すデータです。企業の分析をする際に使用します。基本的には各企業のプレスリリースから計算されますが、プレスリリースが存在しない場合は前のイベントに対するコンセンサスから計算されます。
6.FactSet RBICS Focus
FactSet Research System社提供の企業分類データです。世界26ヶ国の上場企業のIR情報を用いてその企業が営業するセクターを判別しています。北アメリカの企業に関しては2004年以降のデータが、アジアの企業に関しては2011年以降のデータが使えます。その他の地域に関してはこちら: https://open.factset.com/products/factset-rbics/en-us
7.Equity Metadata
FactSet Research System社提供の金融商品の種類に関するデータです。証券のタイプや証券が発行されている通貨などの情報が得られます。世界26ヶ国の企業に対応しており、北米のものに関しては2004年以降、アジアに関しては2011年以降のデータが使えます。(他の地域に関しては上記リンク参照)
8.PsychSignal Trader Mood(センチメント)
PsychSignalという、自然言語処理技術を用いてSNSを解析しトレーダーの気分を数値化する企業が提供するセンチメントデータです。2009年6月以降のアメリカのデータのみが使えます。
解析対象となっているSNSはTwitterとStocktwitsです。
9.Sentdex News Sentiment(センチメント)
Sentdexという、ある出来事に対する人々の感情をコンピュータ言語化する企業が提供しているセンチメントデータです。QuantopianではウォールストリートジャーナルやCNBC、フォーブスなど20以上のニュースソースから得た金融イベント情報に対するネット上の人々の反応を数値化したデータが利用できます。2013年6月以降のアメリカのデータのみが使えます。
10.Quandlのデータ
Quandl社の提供データいろいろ
終わりに
利用可能なデータは変更になる可能性があります。本記事は2019年6月時点での情報です。