はじめに
嬉しいニュースです!ServiceNow Knowledge 2025のCreatorConで発表された1 Build Agent がついにPDIでも試せるようになりました2.
この記事では,PDI環境でBuild Agentを使い,実際に バイブコーディング (AIとの対話を通じてアプリケーションを開発する手法)を体験した様子をご紹介します.
本記事の内容は執筆時(2025年10月)のものです.最新情報は公式ドキュメントをご確認ください:
Product Documentation | ServiceNow
Build Agentとは
Build Agent はServiceNowが提供する新しい 開発用のAIエージェント です.その主な特徴は以下の通りです.
- 自然言語での対話によるアプリケーション開発
- スクリプトの生成・修正・説明機能
- Vibe Coding(会話型コーディング) による直感的な開発
- テーブル,ロール,ビジネスルール,UIページといったコンポーネントの自動生成
現在は ServiceNow IDE に統合されており,PDI環境で誰でも気軽に試すことができます!
さっそくバイブコーディングを試してみよう!
Step 1: PDIの準備
まずはServiceNow Developer SiteでPDIを用意しましょう.
※以降の手順は Zurich Patch2 のPDIで実施しています.
Step 2: Build Agentプラグインの確認
Application Managerで Build Agent (Trial) プラグイン [App id: sn_try_build_agent] がインストールされていることを確認します.

Step 3: ServiceNow IDEでバイブコーディング開始!
いよいよBuild Agentとの対話を始めます.現時点で唯一対応している開発ツールであるServiceNow IDEを開きましょう.
※将来的にはServiceNow Studioでも使えるようになる予定です.
右側の画面に [Build Agent] パネルが自動的に表示されるはずです.Build Agentさん,初めまして!

Step 4: ワークスペースの準備
ServiceNow IDEを使用する場合,最初に ワークスペース を作成する必要があります3.
「Create a workspace」ボタンから以下の情報で新規ワークスペースを作成します:
Name:Asset tracking app with Build Agent

Description:Create an asset tracking app

Step 5: レッツ・バイブコーディング!
ワークスペースの準備が整い, [Build Agent] パネル が有効化されたら,いよいよBuild Agentとの対話を始めましょう.
今回はシンプルに以下のプロンプトを入力しました.
Create an asset tracking app
Enterを押下してプロンプトを送信すると,アプリケーションの作成を始めてよいか 承認(Approve) を求められます.PDIなので,迷わず「Approve」しましょう!

すると,Build Agentが次々とテーブルやロールを作成していきます🤖
そしてしばらく待つと,デプロイの承認を求められますので,ここも「Approve」しちゃいましょう!Go go Build Agent!!

デプロイが完了すると,実装したアプリケーションの概要が列挙されます.
テーブル,ビジネスロジック,ACLに加えて, サンプルデータも生成されている のは嬉しいポイントですね!

Step 6: 生成されたアプリを確認!
Build Agentが作成してくれた資産トラッキングアプリのテーブルを見てみましょう.
Asset Categories(資産カテゴリ)
Assets(資産)
Assets Assignments(資産割り当て)
Build Agentが必要だと考えるカラム(フィールド)を全て予測して実装してくれていることを確認できます.
本来なら「これも追加して」「あれも修正して」と対話を続けられるのですが,PDIでのクレジット制限(10回)があるため,このアプリについてはここまでとします.また別の機会に続きを試してみましょう!
他のアプリケーションも作ってみた
Build Agentのモデルプロバイダーは Anthropic Claude on AWS とのことですが4,どこまでできるのか,他にもいくつかのアプリケーションを生成させてみました.
マインスイーパー
シンプルなプロンプト「Create Minesweeper」だけで,なんとマインスイーパーゲームを作ってくれました!開発中にエラーは出つつも,動作する完成品になりました.

メインメニュー画面
ゲーム画面
ゲームの記録リスト
ゲームの記録はMinesweeper Gamesテーブルに記録されています.
筆者の腕前が追いつかず,全然クリアできませんでしたが... (´・ω・`)

エラーが発生した場合の対応
バイブコーディングの利点を活かし,エラー文をそのままBuild Agentにコピペして修正を指示しましょう!どんどん進め,気の向くままに!!
遭遇したエラー
Failed to start new game: Unexpected token '<', "<!DOCTYPE "... is not valid JSON
Failed to undefined cell click: Game logic not yet implemented - Script Include communication issue
画像処理アプリ
画像を変換するアプリもチャレンジしてみましたが,「 画像処理はServiceNowには向いていない 」と返信されました Σ(・ω・ノ)ノ
ClaudeアプリのArtifact機能のように何でも作るのではなく,ServiceNowが得意ではないことは「できない」と言ってくれるのは好印象ですね💡

とはいえバイブコーディングです.アクセル全開で以下のプロンプトを投げて,無理やり作らせてみました.
Create image converter app with prompt
本当はAIが自動で変換してくれる機能を想定していましたが,さすがServiceNow. 画像変換リクエストを上げるアプリ が生成されました.「変換作業はAI Agentsにやらせる」というServiceNowらしい構成ですね.
メイン画面
リクエスト画面
リクエスト管理フォーム
おわりに
以上のように,PDIでBuild Agentを用いたバイブコーディングを体験し,プロンプトの入力と承認作業だけで,いくつかのアプリケーションを簡単に生成できることが確認できました.楽しい!
個人的には,これまでPDIでServiceNow AI機能は基本的に使えない状況だったため, 制限があるとはいえBuild Agentの利用が解放された のは,非常に嬉しい進展でした.
そして,今回はバイブコーディングに特化しましたが,Build Agentの真価はこれだけではありません. 既存アプリケーションの説明 をさせる機能など,他にも様々なことができるようです.
この辺りもさらなる調査の下,別記事にて整理できればと思います.とにもかくにも,今後のBuild Agentの進化が非常に楽しみになりました!!
補足
ちなみに,通常のインスタンスを利用する場合には Now Assist Admin画面でBuild Agentスキルの有効化が必要 ですが4,PDIのNow Assist Adminページにはスキルは表示されないことも確認しています.













