この記事は、CYBOZU SUMMER BLOG FES '26 の記事です。
APIエコシステム本部のmu2inです。
私が所属するエンジニアリレーション部では、サイボウズ製品に関わるエンジニアに向けて、技術情報の発信やアプリの開発に取り組んでいます。
今回紹介するのは、生成AIとkintoneの情報をつなぐ二つのMCPサーバーです。
一つ目は、kintone APIラボで公開中の「kintone全体を検索するREST API」に対応したkintone MCP Serverです。
kintone MCP Serverは以前から公開されていましたが、今回、生成AIが必要な情報をkintone内から横断検索できるようになりました。
二つ目は、生成AIがkintoneの技術ドキュメントを検索できる kintone Documentation MCPサーバー(β) です。
kintoneのデータも、開発に必要なドキュメントも、生成AIが自分で探してくれるようになります。
2026年7月時点では、検索APIはAPIラボの機能として、kintone Documentation MCPサーバーはβ版として提供されています。
まだ正式リリース前であるこの二つの取り組みを、ひと足先に紹介します。
1.kintone MCP Serverに検索APIが追加
まず、kintone MCP Serverから検索APIを使ってみます。
kintone MCP Serverを使うと、生成AIから自然言語でアプリやレコードを取得したり操作したりできます。
今回追加された検索機能により、対象のアプリが分からなくても、kintone全体から必要な情報を探せるようになりました。
実際に試してみると、検索機能が追加されたことでアプリ間を自由に横断できました。
kintoneにある先週(月〜金)のタスクを、週報としてまとめて
Claude Desktopにざっくり頼んだだけで、生成AIが日報アプリを自分で見つけてくれます。
こちらから渡したヒントは「タスク」だけ。アプリ名もフィールド構成も教えていません。
生成AIは、最初に「タスク」という名前のアプリを探しましたが、見つけられませんでした。
そこで検索APIを使い、kintone全体を検索し直し、タスクが日報アプリに書かれていることを突き止めました。
そこからフィールド構成を確認し、日付でレコードを絞り込み、最後は週報の形にまとめてくれました。
検索機能がない場合、生成AIが調べるアプリを人間が指定する必要があります。
「日報アプリのレコードを見て」「次は××アプリも見て」と、対象を一つずつ伝えなければなりません。
生成AIとkintoneの間で、人間が橋渡し役を担うことになります。
検索APIを使うと、生成AIがアプリを横断してキーワード検索できます。
一度で目的の情報が見つからなくても、キーワードや条件を変えながら、必要に応じて検索を繰り返せます。
情報が入っているアプリを人が調べなくても、「ちょっとこれ、kintoneで調べておいて」と頼めるようになりました。
2026年7月時点では検索APIは正式にリリースされていません。検索APIを試すには、kintoneシステム管理でAPIラボを有効にします。
設定には、cybozu.com共通管理者またはkintoneシステム管理者の権限が必要です。
MCPサーバーのセットアップ方法は、クイックスタートで確認できます。
2.kintone Documentation MCPサーバー(β)が登場
一つ目のkintone MCP Serverは、kintoneに蓄積されたデータを探すためのMCPサーバーでした。
二つ目のkintone Documentation MCPサーバーは、kintoneの公式ドキュメントやAPI情報を探すためのMCPサーバーです。
生成AIを使ってkintoneをカスタマイズすると、存在しないAPIや古い書き方を含むコードが生成されることがあります。
生成AIが学習した時点より後に、APIの追加や仕様変更が行われている場合があるためです。
kintone Documentation MCPサーバーを接続すると、生成AIがcybozu developer networkを検索して、最新の公式ドキュメントを取得できます。
kintone MCP Serverとは異なり、実際のkintone環境やデータは操作しません。
たとえば、次のように依頼できます。
kintone REST APIで複数のレコードを取得する方法を、最新の公式ドキュメントを使って調べて
生成AIは、API仕様や開発Tips、SDK、ベストプラクティスの記事から、依頼に合う情報を探します。
回答の根拠になるページも取得できるため、開発者が公式ドキュメントと見比べながら内容を確認できます。
二つのMCPサーバーを組み合わせる
kintone Documentation MCPサーバーは、kintoneカスタマイズの調査やコード生成を生成AIに任せるときに役立ちます。
さらに、kintone MCP Serverと組み合わせると、既存のアプリに合わせたカスタマイズにも利用できます。
kintone MCP Serverが既存アプリのフィールド構成やレコードを取得し、kintone Documentation MCPサーバーが実装に必要なAPI仕様やガイドラインを取得します。
生成AIは、既存のアプリ情報と最新の公式ドキュメントを参照し、そのアプリに適したAPIを使ってカスタマイズコードを生成できます。
たとえば、次のような依頼です。
To Doアプリのフィールド構成を確認して、レコード一覧を対応状況ごとに色分けするカスタマイズを作って。実装方法は最新の公式ドキュメントで確認して。
二つのMCPサーバーを組み合わせることで、既存アプリの情報収集から、最新の公式ドキュメントに沿ったカスタマイズコードの生成まで、生成AIに任せられます。
詳しいセットアップ方法は、次の公式ドキュメントを参照してください。
kintone Documentation MCPサーバーを開発した背景や、ドキュメント検索の仕組みは、開発者のSeanさんが次の記事で詳しく紹介しています。
おわりに
この記事で紹介した内容は、2026年7月時点の仕様に基づいています。
今後、仕様変更や機能追加、一部機能の提供終了が行われる可能性があります。
APIラボやβ版には、新しい機能をひと足先に試せる面白さがあります。
まずはテスト環境で動かして、kintoneと生成AIを組み合わせた新しい使い方をどんどん試してみてください。



