本記事は2026年5月27日に開催したウェビナー「ルールやカスタム機能、どう使う?理想の出力を引き出すために今知りたいIBM Bob 5つの機能」でご紹介した5つの機能(AGENTS.md、rules、スラッシュコマンド、カスタム・モード、Skills)の今すぐ使えるサンプルファイルと手順のご紹介です。
各機能の解説は省略しています。詳細はセッション資料と公式ドキュメントをご確認ください。
なお、投稿内容は私自身の見解であり、所属組織の立場、戦略、意見を代表するものではありません。
ウェビナーのおさらい
Bobを本格的に使いこなそうとした人がぶつかりがちな以下の悩み:
- 思い通りの出力をさせるプロンプトを書くのが大変
- うまくいった指示やルールを次回も再現するのが難しい
- 試行錯誤でBobコインの消費がかさんでしまう
本セッションでは、こうした悩みを解決する5つの機能をご紹介しました。
| 機能 | 主な役割 |
|---|---|
| AGENTS.md | 個別タスク全てに共通する前提知識をBobに伝える |
| rules | ルールをトピックや目的別のファイルに分割して格納する |
| スラッシュコマンド | オリジナルのプロンプトを呼び出すコマンドを作る |
| カスタム・モード | 役割(ロール)を指示してBobを専門家にする |
| Skills | Bobに手順書通りの処理を実行させる |
これらの機能に共通するのは、指示をファイルで管理するという点です。
仕様に沿って指示を書くことで出力精度が上がり、ファイルとして残るため使いまわしも簡単。
結果として、Bobコインの節約にもつながります。
また、セッションでは各機能の使い分けについても解説しました。
「Bobにとってのわかりやすさ」「人間の管理しやすさ」をキーワードに、タスクや状況に応じて最適な機能を選ぶための判断軸をご紹介しています。
セッション資料・リプレイ動画
- セッション資料:https://speakerdeck.com/muehara/ruruyakasutamuji-neng-toushi-u-li-xiang-nochu-li-woyin-kichu-sutamenijin-zhi-ritaiibm-bob-5tunoji-neng
- リプレイ動画: https://video.ibm.com/recorded/134841786
サンプルファイルのダウンロード
- こちらからサンプルファイル一式をダウンロードできます
- 配布URL: https://github.com/mu-perori/bob-custom-sample/archive/refs/tags/v1.0.zip
- 上記よりダウンロード後、zipファイルを解凍します
サンプルファイルの内容
ダウンロードしたZIPファイルには以下のファイルが含まれています。
AGENTS.md
-
AGENTS.md— プロジェクト概要やゴールを記述するファイル
rules
rules/ ディレクトリ内に格納したファイルが全体適用ルールとなります。
-
rules/output.md— 出力形式を指定するルール
スラッシュコマンド
commands/ ディレクトリ内に格納したMarkdownファイルがコマンドとして呼び出せるようになります。
-
commands/write-onboarding-doc.md— ドキュメントを作成するコマンドの定義ファイル -
commands/start-doc-review.md— ドキュメントレビューを開始するコマンドの定義ファイル
カスタム・モード
custom_modes.yaml にモードを定義します。
rules- + slug名 のディレクトリにルールファイルを格納することで、そのモード使用時のルールとして適用されます。
-
custom_modes.yaml— カスタム・モードの定義ファイル(今回はドキュメント生成専用モードを定義) -
rules-doc-writer/doc-writing-guidelines.md— ドキュメント生成専用モードのルールファイル
Skills
skills/<Skill名>/SKILL.md を作成するとSkillとして認識されます。
同ディレクトリの補助ファイルはSkill呼び出し時にBobが参照します。
-
skills/doc-review/SKILL.md— ドキュメントをレビューするSkillの定義ファイル -
skills/doc-review/check-list.md— ドキュメントが満たすべき要件のチェックリスト -
skills/doc-review/output-format.md— レビュー結果の出力フォーマット
サンプルファイルの使い方
ステップ1: サンプルファイルの配置
以下のディレクトリ構成を参照し、作業対象ディレクトリにルールファイルとカスタム・モード定義ファイルを配置します。
(作業対象ディレクトリ/)
├── .bob/
│ ├── rules/
│ ├── commands/
│ ├── custom_modes.yaml
│ ├── rules-doc-writer/
│ └── skills/
├── (プロジェクトの各種ディレクトリ)
└── AGENTS.md
ステップ2: AGENTS.mdの編集
サンプルとして配布したAGENTS.mdでは、プロジェクト概要とゴールが空の状態になっています。
ご自身のディレクトリの内容に合わせて記入してください。
ここに記入した内容は、Bobがディレクトリの内容をより効率的に理解するうえで役立ちます。
ステップ3: カスタム・モードでドキュメント生成
今回はドキュメント生成専用のカスタム・モード「Doc writer」を使って、Bobに新規開発者向けのプロジェクト説明ドキュメントを作成してもらいましょう。
チャット欄の左下にあるモード選択メニューから「Doc writer」を選び、チャットに以下のコマンドを入力します。
引数として出力ファイル名(onboarding.md)を指定してください。
/write-onboarding-doc onboarding.md
(参考)ドキュメント生成コマンドの定義ファイル
---
description: 新規開発者向けのドキュメントを作成する
argument-hint: <出力ファイル名>
---
このアプリケーションについて新規開発者向けのオンボーディングガイドを新たに生成したいです。
このリポジトリのファイルとコードに基づいて概要、使用技術、主要機能をまとめて、指定されたファイル名で出力してください。
(参考)ドキュメント生成専用カスタム・モードの定義ファイル
customModes:
- slug: doc-writer
name: Doc writer
roleDefinition: あなたは日本語ドキュメントの作成者です。
whenToUse: 日本語のMarkdownドキュメントの作成計画、作成、編集にこのモードを使用します。
customInstructions: 出典資料が提供されていない場合は、作業開始前にユーザーへ確認する。
groups:
- read
- - edit
- fileRegex: \.(md|mdx)$
description: Markdownファイルのみ
- skill
ステップ4: Skillでドキュメントレビュー
以下のコマンドで作成したドキュメントがチェックリストに従っているかBobにレビューを依頼してみます。
「Doc writer」モードになっていることを確認した上で、チャットに以下のコマンドを入力します。
引数としてレビュー対象のファイル名(onboarding.md)を指定してください。
/start-doc-review onboarding.md
(参考)ドキュメントレビューSkillを呼び出すコマンドの定義ファイル
---
description: ドキュメントをレビューする
argument-hint: <対象ファイル名>
---
doc-reviewスキルを使って対象ファイルをレビューしてください。
(参考)ドキュメントレビューSkillの定義ファイル
---
name: doc-review
description: チェックリストに従ってドキュメントレビューを実行する
---
## 手順
1. 前回のコミットと比較して変更があるファイルを探す
2. 各ファイルについて `check-list.md` に従ってレビューを実施する
3. `output-format.md` に従ってレビュー結果を出力する
ステップ5: モードやSkillをカスタマイズ
生成されたドキュメントやレビュー結果に気に入らない点はありませんか?
以下のファイルをカスタマイズして出力の質を向上してみましょう。
ドキュメント生成を改善したい: カスタム・モードのルールファイル(.bob/rules-doc-writer/doc-writing-guidelines.md)
ドキュメントレビューのチェック項目を改善したい: レビューのチェックリスト(skills/doc-review/check-list.md)
ドキュメントレビューの出力フォーマットを改善したい: レビュー結果の出力フォーマット(skills/doc-review/output-format.md)
最後に
本セッションで紹介した5つの機能は、プロジェクトやタスクに合わせてカスタマイズしてこそ、真価を発揮します。
サンプルファイルはそのための出発点です。
これをきっかけに、あなたのプロジェクトに合った使い方を見つけていただけたら嬉しいです。
一人でチャレンジするのは気が重いあなたへ
6/10(水)14:00より、これらの機能を用いたハンズオンウェビナーを開催予定です。
ぜひ一緒にチャレンジしましょう!
講師が実演しながら進めますので、まずは見てみたいという方も大歓迎です!
詳しくはこちらから:
https://ibm-developer.connpass.com/event/393294/
参考
公式ドキュメント
関連ソリューション
よりエンタープライズ向けの出力標準化ソリューションとしてIBMではALSEAを開発しています。