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ついに登場!Amazon Elastic VMware Service(プレビュー)【概要編】

Last updated at Posted at 2024-12-07

本投稿は vExperts Advent Calendar 2024 の 8日目として作成しました。

はじめに

AWS から Amazon Elastic VMware Service の Preview が発表されました!

image.png

既に複数の方に紹介いただいていますが、私の方で現時点で概要やこれまでのサービスとの違いを、別の視点からまとめてみたいと思います。

このサービスは現時点はプレビューのため、一般展開される際は本稿と仕様が変更になる可能性がある点に注意ください。

Amazon Elastic VMware Service (Amazon EVS) とは

Amazon Elastic VMware Service (Amazon EVS) は、VMware Cloud Foundation (VCF) を Amazon VPC 内で実行する、"AWS 自身" が提供する AWS のネイティブサービスです。

Amazon EVS のサービス概要を図にすると以下のようになります。

image.png

図1. Amazon EVS のサービス概要図

この図を見ると VMware Cloud on AWS(以下の図は以前の記事からの抜粋)に似ていると思われる方がいらっしゃると思います。(古い記事からの引用の為、VMware 製品のアイコンが異なる点はご容赦下さい!)

図2. VMware Cloud on AWS のサービス概要図

AWS 上で VMware の SDDC を展開するという観点は同じですが、アーキテクチャ、サービス仕様とも大きく異なります。VMware Cloud on AWS との違いについては、本稿の後半で紹介します。

VMware Cloud Foundation (VCF) を Amazon VPC 内で実行する、ネイティブ AWS サービス

Amazon EVS は、既存の AWS アカウント、そして既存の Amazon VPC 内で VCF の実行を可能にします。

これを実現する為に、新たなネットワークのコンセプトを導入し、VPC 内で、VMware のオーバーレイネットワークを実現しています。

この部分は、別途ネットワークに特化したブログを作成したいと思います。

セルフマネージド型または AWS パートナーによるマネージド型

Amazon EVS は、VCF を顧客自体が運用するセルマネージドでの利用、もしくは VMware 製品の経験が豊富な AWS パートナーによるマネージドサービスを活用する事ができます。

Administrator 権限の解放

Amazon EVS では、VCF へのフルでの特権をユーザーに付与します。この為、VMware Cloud on AWS では出来なかったプラグインのインストールなどが可能になる為、これまで以上に様々な 3rd Party 製品との連携が可能になると見込まれます。
例えば、あくまで一例ですが、FSx for NetApp との連携において、Snapcenter / ONTAP Tools / NFS VAAI Plug-in などが利用できるようになったりするかもしれません。また、ESXi への root 権限が必要だった Zerto を使った移行、なんてのもできるようになると嬉しいなと思っています。。(このあたりは完全な妄想です)

オンプレミスの VMware vSphere 環境との運用一貫性

これは、言わずもがなですが、VMware の仮想環境が AWS 上で稼働する形になりますので、オンプレミスの VMware vSphere 環境との運用一貫性を実現できます。

シームレスなワークロードの移植性とハイブリッド運用

Amazon EVS でも VMware HCX が利用できるようになる見込みです。この為、vMotion でオンプレミスから移行や、L2 延伸なども可能になります。

他の AWS のサービスへの直接アクセス

Amazon VPC 内で環境が展開されますので、より AWS の他のサービスとの連携が容易になります。また AWS 自身が開発を行いますので、より様々な AWS サービスとの連携が進んでくるものと思われます。

AWS マネジメントコンソールからの操作

Amazon EVS は、VMware Cloud コンソールからの操作でなく、AWS マネジメントコンソールからの操作が可能になります。

既にマネジメントコンソールから、"Amazon Elastic"と入力すると一番上に表示されます!
image.png

マネジメントコンソールでの操作は re:Invent の Breakout セッションで紹介されておりました!
image.png

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マネジメントコンソールでの操作デモは Breakout セッションの録画をご参照ください。

Preview へのアクセス権が付与されてない私の環境では、Amazon EVS の製品ページにリダイレクトされます。
image.png

マネジメントコンソールでの操作は re:Invent の Breakout セッションで紹介されていた為、セッションのリプレイが公開されましたら、リンクを貼っておきます。

プレビューはオハイオ(us-east-2)での展開

AWS マネジメントコンソールにて、オハイオ以外のリージョンから Amazon EVS を選択すると以下の通り表示されます。

image.png

利用できるベアメタルインスタンス

プレビュー時点では、i4i.metal のみが利用可能です。

i4i.metal のスペック詳細は以下の通りです。

項目 スペック
CPU Intel Xeon Ice Lake, 3.5 GHz Turbo, 64 cores, 128 vCPU
メモリ 1024 GiB
ストレージ 30 TiB (8 x 3,750 AWS Nitro SSD)
ネットワーク帯域 75 Gbps

より詳細は以下から確認が可能です。

4 ホストから利用可能、なぜ?

Amazon EVS は、4 ホストからの利用になります。
Amazon EVS では、"VCF ベース"ではなく、完全な VCF の環境を展開します。
VCF では、最低 4 ホストを必要としている為、これに引きずられ、4 ホストからの利用となります。

I4i 4 ホストとなると結構大きいリソースになりますが、今後他のインスタンスタイプでの展開がされるのであれば、検討しやすくなると思います。

VCF の BYOS が可能

Amazon EVS では、VCF ライセンスの持ち込み(Bring Your Own Subscription / BYOS)が可能です。re:Invent のセッションによると BYOS 以外にも License Included での提供も検討しているようです。

料金は未定

現時点で、Amazon EVS はプレビューの為、料金は公開されていません。

VCF に関するサポート体制

Amazon EVS では、VCF に関するサポートは、L1〜L2 は AWS、L3 から Broadcom になる見込みです。このあたりは他の Hyperscaler と同じですね。

VMware Cloud on AWS との違い

最後に、VMware Cloud on AWS との違いを簡略にまとめてました。

サービス 特徴
VMware Cloud on AWS Broadcom 提供、フルマネージド、VMware が保持するAWSアカウント(Shadow アカウント)上で VCF ベースの環境を提供。他の AWS サービスとの接続は VMware マネージドの Transit Gateway もしくは ENI 経由で接続、環境の作成やサポートは VMware 提供の VMware Cloud コンソールから。L1-L3 サポートは Broadcom が提供。
Amazon EVS AWS 提供、セルフマネージド(または、AWS パートナーによるフルマネージド)、顧客管理の AWS アカウントかつ既存 VPC 上で VCF の環境を展開可能。既存 VPC での展開の為、他の AWS サービスとの接続は、よりシームレスに対応が可能。環境の作成やサポートは AWS マネジメントコンソールから。L1-L2 サポートはAWS が提供。Administrator 権限が顧客・パートナーに提供される為、より柔軟な連携・プラグインのインストールなどが可能。

まとめ

Amazon EVS は、VMware Cloud Foundation を Amazon VPC 内で実行する、AWS 自身が提供する AWS のネイティブサービスです。
まだプレビューの段階ですが、今後の展開が待ち遠しいです!

参考文献

VMware Cloud Foundation Administration Guide

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