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サーバーサイドのデザインパターン[Repository Patternの章]

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はじめに

Repository Patternは、データアクセスロジックとビジネスロジックを分離し、アプリケーションのアーキテクチャを整理しやすくするデザインパターンです。この記事では、Repository Patternの基本概念と、Pythonでの簡単な実装例を紹介します。

Repository Patternとは

Repository Patternは、データストアへのアクセスとビジネスロジックの分離を実現し、アプリケーションのテスト性、保守性、拡張性を向上させることができます。このパターンは、特に大規模なアプリケーションや、異なる種類のデータストアを利用する必要があるプロジェクトで有効です。

主な要点:

  1. 一元化されたデータアクセスロジック:
    一つのRepositoryクラスが、特定のエンティティタイプに対するデータアクセスロジックを集約します。
    例: UserRepositoryはUserエンティティに対するデータアクセスロジックを提供します。

  2. データストアの抽象化:
    ビジネスロジック層は、Repositoryを介してデータストアにアクセスします。
    ビジネスロジック層から見ると、データストアの実装詳細(データベースの種類、スキーマ、クエリ言語など)は隠蔽されています。

  3. テストの容易性:
    モックオブジェクトやスタブを使用して、Repositoryを単体テストできます。
    ビジネスロジックをデータストアから切り離すことで、ビジネスロジックの単体テストも容易になります。

class UserRepository:
    def __init__(self, session):
        self.session = session
    
    def get_user_by_id(self, user_id):
        # データストアに対する具体的なアクセスロジック
        return self.session.query(User).filter_by(id=user_id).one_or_none()

Repository Patternの利点

  1. コードの再利用性:
    同じデータアクセスロジックを複数の箇所で再利用できます。
    コードの重複が減少し、保守性が向上します。

  2. 保守性と拡張性:
    データストアの変更や拡張が必要な場合、Repositoryの実装のみを変更すれば良いため、影響範囲が限定されます。
    新しいデータストアのサポートや、既存のデータストアの変更を容易に実施できます。

  3. 読みやすく整理されたコード:
    ビジネスロジックとデータアクセスロジックが明確に分離されているため、コードの読みやすさと理解の容易さが向上します。

ベストプラクティス

  1. 単一責任の原則
    Repositoryクラスは、データストアへのアクセスに関する責任のみを持たせるべきです。ビジネスロジックは、サービスクラスやビジネスロジッククラスに配置しましょう。

  2. インターフェースの定義
    異なるデータストアが利用される可能性がある場合、Repositoryクラスに対してインターフェースを定義しましょう。これにより、異なる実装が容易になり、テストもしやすくなります。

  3. 依存性の注入
    Repositoryインスタンスは、依存性注入を使用してサービスクラスやコントローラクラスに提供するべきです。これにより、テストの際にモックオブジェクトを容易に注入できます。

  4. クエリの最適化
    Repositoryクラス内でデータアクセスを行う際には、パフォーマンスに注意し、クエリを最適化しましょう。不要なデータの取得や、N+1問題を避けるように心掛けます。

  5. エラーハンドリング
    データストアへのアクセス中にエラーが発生する可能性があります。適切なエラーハンドリングとエラーメッセージの提供が必要です。

例:

from abc import ABC, abstractmethod
from typing import Optional

class UserRepositoryInterface(ABC):
    @abstractmethod
    def get_user_by_id(self, user_id: int) -> Optional[User]:
        pass

class UserRepository(UserRepositoryInterface):
    def __init__(self, session):
        self.session = session
    
    def get_user_by_id(self, user_id: int) -> Optional[User]:
        try:
            return self.session.query(User).filter_by(id=user_id).one_or_none()
        except Exception as e:
            # エラーハンドリングとロギング
            print(f"Error occurred: {e}")
            return None

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