システムを運用していると、様々なデータを見ることがあります。
データをうまく活用するためには、蓄積されたデータの可視化が重要となってきます。
また、データを可視化して分析することで、システムの異常を発見したり、ビジネス戦略に役立てたりといったことをより効果的に行えます。
そこで今回は、AWSで提供されている様々なサービスの中から、データの可視化を行うAmazon QuickSightというサービスを紹介します。
1.Amazon QuickSightとは
Amazon QuickSightとは、AWSが提供するBIツールサービスの1つです。
BIツールとは、企業内にある様々なデータを基に可視化・分析して、日常業務や経営に役立てるソフトウェア・ツールのことです。
QuickSightは、次のような特徴を持っています。
・サーバーレス
・ダッシュボード機能を持っている
・多様なデータソースへのアクセスが可能
・高速表示、集計するためのSPICEと呼ばれるインメモリを備えている
など
サーバーレスのため、自前で可視化環境を構築する必要が無く、ダッシュボード機能を利用して大勢のユーザーと可視化された内容を共有することができます。
データソースとしては、S3、Redshift、RDS、Auroraなど、様々なものへのアクセスが可能です。
2.QuickSightを使ってみよう
さっそくQuickSightを使ってみましょう!
今回は、S3に保存されたデータを可視化してみます。
S3 + QuickSightというシンプルな構成で作成します。
3.S3の準備
S3は、AWSが提供するストレージサービスで、データを格納するのに使用します。
次のような日本の人口データをサンプルとし可視化してみます。
ファイル名は「population.csv」とします。文字化けを避けるため、文字コードはUTF-8にして、このファイルをS3にアップロードします。
QuickSightでS3のデータを読み込むには、マニフェストファイルが必要になります。
ファイル名は、「manifest.json」とします。
フォーマットは公式のマニュアルを参考にしてください。
サンプルデータとマニフェストファイルをS3にアップロードしたら、S3の準備は完了です。
4.QuickSightの準備
まずは、QuickSight から指定の S3 に接続できるよう設定します。
QuickSight に移動して、右上のアカウントのアイコンをクリックし「QuickSight を管理」を選択します。
左側に表示されたメニューの「セキュリティとアクセス許可」を選択し、セキュリティとアクセス許可画面を表示します。「QuickSight の AWS のサービスへのアクセス」メニューに表示された「管理」を選択します。
QuickSightの「AWSサービスへのアクセス」という画面が開くので、「S3バケットを選択する」から今回作成したS3バケットを選択し、「保存」をクリックします。
QuickSight のホーム画面で「新しい分析」>「新しいデータセット」を選択すると、データソースとして利用可能なサービス一覧が表示されるので、その中からS3を選択します。
「新規S3データソース」が表示されるので、データソース名とマニフェストファイルのURLを入力します。
マニフェストファイルのURLは、S3に保存したマニフェストファイルのオブジェクト URLからコピーできます。
入力が出来たら「接続」をクリックします。
データが読み込まれると、「データセット作成の完了が」表示されるので、「視覚化する」をクリックします。
5.グラフの作成
グラフ作成画面を開きます。画面の左に読み込んだ「population.csv」の項目が表示されています。
ビジュアルから様々なグラフを選択することができます。
作成したいビジュアルとフィールドを選択することで、グラフを作成することができます。
グラフ①
年別の人口の推移グラフを作成します。
ビジュアル:垂直棒グラフ
フィールド:西暦(年)、人口(男)、人口(女)
グラフ②
都道府県の人口分布を作成します。
ビジュアル:地図上のポイント
フィールド:都道府県名、人口(総数)
フィルターに「西暦(年)」を設定することで、西暦でフィルタリングができるようになります。
読み込んだデータから、このようにして簡単にグラフを作成することができます。
6.終わりに
QuickSightは、蓄積したデータを可視化したいというときに非常に便利なツールです。
今回は少量のデータを可視化しましたが、本来はもっと多くのデータを扱うことになると思います。
そういったときにQuickSightがより活躍するでしょう。
QuickSightは、AWSアカウントがあればすぐに試すことが出来るので、利用を検討してみるのはいかがでしょうか。
いかがでしたでしょうか?
今回の記事を通してエム・ソフトをより深く知っていただくきっかけになれば幸いです!
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。












