2025年9月の記事執筆時点の現在においての、AIコーディングにおいて最も重要な、汎用的かつ効果の高いワークフローではないかと思います。
AIコーディングを実務に取り入れる上で、オブジェクト指向やデザインパターンのような、現時点で第一歩目に学ぶべき概念ではないでしょうか。(ただし日進月歩が著しい分野なので、数年後には一時的なバズに終わっているような可能性も充分に考えられます)
周りを見ていると、生成AIによるアウトプットが、
「期待していた物に対していまいち違ったものが出てくる」といったような意見が多く散見されます。
こういった悩みの方々の多くの意見を聞いていると、“AIに全てを丸投げした“、おんぶだっこプロンプトエンジニアリングをしている例が多いと思われます。
Anthropic社公式のClaudeCodeベストプラクティスでは、以下のように書かれています。
Explore, plan, code, commit
This versatile workflow suits many problems:
探索、計画、コード、コミット
この多目的なワークフローは、多くの問題に適しています。
これは、一括で膨大なタスクを処理させるようなプロンプトをAIへ投げるのではなく、explore, plan, code, commitのイテレーションサイクルを回すワークフローに沿ってAIコーディングを進めるべきという考え方のプラクティスです。
また、このワークフローは非常に汎用性が高く、AIコーディングのみに留まらず、AIエージェントに任せるタスク全般において、非常に高い有用性を発揮できることを所感として感じております。
個人的に試してみた中で、効果が高いと思った実践例を挙げてみます。
- explore: プロジェクト全般の概要設計図をMarkdown形式で出力(※CLAUDE.mdなどのコンテキストとして与える設定ファイルを事前に作成しておく。READMEなどもこの時にコンテキストとして指定するべき)
- plan: 概要設計図を元に現状の課題、改善点をAIに相談。レビュー、コンサルティングをしてもらいつつ、実装へと移すタスクの選定をする。
- code: planの中で選択したタスクの実装を部分的に依頼する。
- commit: 成果物に対するレビュー。問題がなければ、コミットし、ソースコードなどへ反映。
探索
まず最初の段階として、プロジェクトなどの全体像をコンテキストとして与えつつ、以降の再利用にも繋がる、全体像を把握できるようなアウトプットを生成しておきます。
計画
そのアウトプットをコンテキストとして与えて、その中からAIとキャッチボールをしながら部分的タスクの選択を進めていきます。
実装
そして、一回で実行するタスクを小さくして、実装を進めます。
コミット
AIの成果物に疑念の目を持って、レビューをしてください。破壊的変更(デグレーション)は往々にして、やらかします。人間のレビューを通した上で、成果物をコミットしてソースコードへと反映します。
こういった、イテレーションサイクルを回していくような進め方となります。
この1〜4のステップは非常にどれも重要で、段階を飛ばすと、破壊的変更を伴う大事故にも繋がりうるので注意が必要です。
また、サイクルを進めながら適宜、CLAUDE.mdなどのAIエージェントの設定ファイルのブラッシュアップも図っていきます。(これも非常に重要)
こうしたワークフローによって、生成AIに適切なコンテキストを与えることができ、高い質のアウトプットが得られるような実感があります。
AIコーディングの実現により、「エンジニアみなPL化時代」へと移り変わっていくのだろう。と感じたここ最近であります。