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なぜこの本を読んだのか?
これまでデザインにほぼ無縁の生活を送ってきて、「UXってなんぞ?」って状態だったので、
UXの雰囲気をつかめそうな本だったので読んでみました。
内容
はじめに
- デザインの検証は難しい(デザインレビューは主観での評価になりがち)
- 本書では 行動心理学と認知心理学 をベースにした良いUXのための10の法則(第1~10章)を紹介する
第1~10章 UXの法則
法則名 | 概要 | 関連書籍 |
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ヤコブの法則 | ・人はWebサイトやアプリを見るときにまず見慣れているもの(メンタルモデル)でコンテンツを認識しようとする ・コンテンツがメンタルモデルに即していれば認知負荷が下がり高いUXが得られる |
情報アーキテクチャ 第4章「理解のための設計」 |
フィッツの法則 | ・UI上でのボタンやリンクなどの操作ターゲットの選択難易度はターゲットまでの距離とターゲットの大きさで決定さえる ・また、ターゲット間の距離も操作のしやすさに影響する(間が積んり過ぎているとご誤操作の原因になる) ・スマホの場合は画画面端は押しにくいので、オブジェクトはできるだけ画面中央に配置する ・フォームであれば、差送信ボタンは最後のに入力項目の近くに配置することでで無駄な動きを無くせる |
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ヒックの法則 | ・手続きの複雑さを低減することで認知負荷を下げる ・選択肢の数を減らして認知負荷を下げる(例:リモコンのボタン数) ・認知負荷はPCのメモリのようなもの ・とはいえ、複雑度を下げすぎるのも良くない。適切な複雑度はユーザー調査(カードソート等)で調査可能 |
・行動を変えるデザイン 第3章「行動を変える戦略 ・情報アーキテクチャ 第11章「研究」 |
ミラーの法則 | ・マジックナンバー(人が覚えられる数は5~9) は有名だが、必ずしもこの数に項目を制限する必要はない(メニュー項目など、全部覚える必要がない項目もある) | |
ポステルの法則 | ・ユーザーが取り得る行動を予測し、受け入れられるよう対応しておく | |
ピークエンドの法則 | ・ユーザーは最もストレスがたまる瞬間と最後の瞬間が特に印象に残る(認知バイアスの一種) ・遅延はストレスを感じやすい要因 ・ジャーニーマップを描いてユーザーが一番不快になる瞬間を予測する ・404ページ等の回避できない要素をコミカルな要素でストレス低減するアプローチもある |
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美的ユーザビリティ効果 | ・美しいページ・要素はユーザビリティが多少低くても気にさせない効果がある ・人はシステム1により50msecでサイトの第一印象を自動的に構築する |
Universal Principles of Design, Revised and Updated「Aesthetic-Usability Effect」 |
フォン・レストルフ効果 | ・コンテンツの見た目にコントラストをつける事で画面内の特定の項目に注目を集めることができる ・色だけでコントラストをつける場合はアクセシビリティの観点から問題がないか要チェック |
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テスラーの法則 | ・優れたUXとは、簡単で直感的で、ユーザーの操作の障害が取り除かれている事(例:Gmailのアドレス補完等) ・複雑さを取り除くのは好ましいが限度がある。 |
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ドハティのしきい値 | ・ユーザーへのフィードバックは400msec以下が好ましい ・時間がかかる場合にはシークバー/スケルトン表示/ブラーアップ等がでストレス低減を図れる。 |
第11章
- 心理学ベースのUX作成の危険性と倫理観について解説
- ラットにレバーを押させる実験(スキナー箱)で有名な通り、ランダムな報酬によりユーザーがコンテンツにとどまる時間を長くできる事が知られている
- Twitterでページを更新して新しいツイートが表示されるのもこの1種
- ほかにもYoutubeの動画の自動再生/SNSでのいいね獲得など、コンテンツ消費時間増加のための施策はたくさんある
- この手の工夫もやりすぎると問題になる(ダークパターン)
- 例:ECサイトで商品の在庫数を少なく見せることで購入をあおる
- そのため、UX設計には倫理観が必要
- ラットにレバーを押させる実験(スキナー箱)で有名な通り、ランダムな報酬によりユーザーがコンテンツにとどまる時間を長くできる事が知られている
第12章
- チーム内でのUXの法則の導入ガイド
- 本書で述べられたUXの法則を実践するにはデザイナーが法則を内在化する必要がある
- そのためにはポスターなどで常に目に付くところに法則を見える化して、刷り込ませるなどのアプローチも有効
読んだ感想
UX入門書というよりは「UX改善Tips集」といった印象の本でした。
役立つ内容はたくさん得られたし、UXデザイナーさんがどういうところに気を付けているのかは何となく見えてきましたが、正直まだUXちゃんと捉えられていない気がします😵💫