優秀なプログラマーは売れるアプリを作れるのか?
青春時代、音楽に没頭していた時からよく考えてたテーマなんやけど、例えば超絶技巧と言われるミュージシャンがいる。人間業とは思えない演奏スキルを持ってるんだよね。
で、そういったミュージシャン達が、本気を出せば良い曲を作れるかといえば別なんだよね。
ラスタファリのボブマーリーのNo woman no cryや日本では不良扱いだったビートルズのLet it be、自分で演奏すらしないヒップホップアーティスト達を例に出すまでもなく、シンプルで技巧を必要としないメロディーやコード進行、リズムの方が多くの聴衆のハートを奪っている。
3コードのロックやパンクは技巧とは対極にある。
フランクザッパやレイクレイプール、ジャコパトリシャスや村上ポンタ秀一、渡辺香津美といった、ミュージシャンズ ミュージシャンの代表曲を何人の人が知っているであろうか?
ほぼ知らんであろう。
プログラムをやり出して、先輩エンジニアの人と話すときに毎回、こんな複雑なシステム作れるのに、なんで自分で何か作らへんのですか?という質問をしている。
殆どが、何作ってええか分かれへんし、とか、作ろうと思った事あるけど、めんどくさい 等という返答である。
技術屋として凄いのと、モノ作りの情熱を持ってるのは違うんだなあと改めて思う次第である。
モノを産み出すのに、一番重要なのは偏屈的な情熱と思い込みである。
時代を変えるプロダクツを産み出したスティーブ・ジョブズも技術はクリームソーダことウォズニアックである。
Facebookのザッカーバーグは元々プログラマーではあるが、プログラミングのレベルとしてはそれほど飛び出ていたわけではない。
何がおもしろいのかが分かる臭覚
で、結局売れるプロダクトを作る上で重要なファクターは、今何がおもろいか が分かる臭覚とアイデア、それを徹底的に形にする情熱なんではないかなと。
その狂人の様なエネルギーが同じ様に少しおかしな技術者達を惹きつけ、アイデアとそれを現実する技術の両輪をなし、エネルギーに満ちたサービスとなる。
すでにブログ全盛期だった時代にわざわざ文字制限のあるtwitterがウケるとは思わんかったし、市井の素人が自分のプライベートを晒す様なSNSがこれほど多くの世界中の人の認証欲求を掘り起こすとは思ってなかったし、youtubeが覇権をとってる時代に短い素人のTiktok動画が世界を圧巻するとは思えなかったわけで、最初にこれがオモロイと感じ取ってどこか猥雑な香りのするサービスを立ち上げた一部の少しおかしい人達のアイデアというのは、やはり世間と折り合いをつけ、品行方正で凝り固まった世代からは出てこないんだろうなと、年々歳を取りながら、世の常識に疑問を持たない様に丸め込まれていく我が身を傍観しつつ思うところであります。
なので、攻撃的なアイデアを、オッサン達の集う会議でプレゼンしても無駄なんすよ。スーツを着たオッサン達が、満場一致でおもしろいというサービスがおもしろい訳がない。
プログラムが書ければ、何かおもろいものが作れるかもしれん と思い2年ほど勉強してきてさて、ここらでなんか作ってこましたろ と思った時に突き当たった、音楽理論や楽譜に強くなれば名曲が出来ると思っていたあの頃と同じ命題である。