問1(基本問題)
あるガチャには 20 種類のアイテムがある。
すでに 12 種類を持っているとする。
1 回引くとランダムに 1 個アイテムが出る。
このとき、「持っていないアイテム(新規)を初めて引くまでの試行回数 X の期待値」を求めよ。
選択肢:
(A) $\frac{20}{8}$
(B) $\frac{8}{20}$
(C) $\frac{1}{8/20}$
(D) $\frac{1}{20/8}$
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正解: (A) または (C)
$$
\begin{align}
p &= \frac{8}{20}
E[X] &= \frac{1}{p} = \frac{1}{8/20} = \frac{20}{8}
\end{align}
$$
平均して約 2.5 回で新しいアイテムが出る。
問2(応用問題①:確率が途中で変化する)
A店とB店で同じガチャイベントを開催している。
最初の3回はA店で引く(A店の新規確率は $p_A = 0.15$)。
4回目以降はB店で引く(B店の新規確率は $p_B = 0.25$)。
「新規アイテムを初めて引くまでの試行回数 X の期待値」を求めよ。
選択肢:
(A) $1 + (1-p_A)\cdot\frac{1}{p_B}$
(B) $3 + (1-p_A)^3\cdot\frac{1}{p_B}$
(C) $(1-p_A)^3\cdot4 + \frac{1}{p_B}$
(D) $\frac{1}{p_A + p_B}$
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正解: (B)
A店で3回失敗する確率は $(1-p_A)^3$。
その後B店で成功するまでの期待試行回数は $\frac{1}{p_B}$。
よって、
$$
E[X] = 3 + (1-p_A)^3 \cdot \frac{1}{p_B}
$$
問3(応用問題②:複数の成功条件)
あるゲームで、1回のプレイで
レアアイテムAを入手する確率は 0.04、
レアアイテムBを入手する確率は 0.06 である。
AとBは同時には出ない(排反)。
「A または B のどちらか一方を初めて入手するまでの試行回数 X の期待値」を求めよ。
選択肢:
(A) $\frac{1}{0.10}$
(B) $\frac{1}{0.04} + \frac{1}{0.06}$
(C) $0.10$
(D) $\frac{1}{0.04 + 0.06}$
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正解: (A) または (D)
成功確率は
$$
p = p_A + p_B = 0.04 + 0.06 = 0.10
$$
したがって幾何分布の期待値は
$$
E[X] = \frac{1}{p} = \frac{1}{0.10}
$$
平均して10回に1回の成功となる。
まとめ
| 種類 | 状況 | 成功確率 p | 期待値 E[X] |
|---|---|---|---|
| 基本 | 既知の確率 p | p | $$\frac{1}{p}$$ |
| 条件付き | 確率が途中で変化 | p₁, p₂ | $$n + (1-p₁)^n \frac{1}{p₂}$$ |
| 複数成功 | 複数の排反成功条件 | p₁ + p₂ | $$\frac{1}{p₁+p₂}$$ |
幾何分布は、「成功するまでの試行回数」を扱う確率分布