はじめに
GitHub ActionsでのDockerイメージのビルドとプッシュにおいて、ビルド時間を短縮するためにキャッシュを活用することができます。
このキャッシュには、ローカルキャッシュとリモートキャッシュ(ECR)の2種類があり、それぞれに特徴があります。
キャッシュの種類と実装方法
ローカルキャッシュ
GitHub Actionsのランナー上にキャッシュを保存する方法です。
jobs:
build:
runs-on: ubuntu-latest
steps:
- name: Cache Docker layers
uses: actions/cache@v3
with:
path: /tmp/.buildx-cache
key: ${{ runner.os }}-buildx-${{ github.sha }}
restore-keys: |
${{ runner.os }}-buildx-
- name: Build and push
uses: docker/build-push-action@v4
with:
context: .
push: true
tags: ${{ env.ECR_REGISTRY }}/${{ env.ECR_REPOSITORY }}:${{ github.sha }}
cache-from: type=gha,src=/tmp/.buildx-cache
cache-to: type=gha,dest=/tmp/.buildx-cache-new
リモートキャッシュ(ECR)
ECRにキャッシュを保存する方法です。
jobs:
build:
runs-on: ubuntu-latest
steps:
- name: Build and push
uses: docker/build-push-action@v4
with:
context: .
push: true
tags: ${{ env.ECR_REGISTRY }}/${{ env.ECR_REPOSITORY }}:${{ github.sha }}
cache-from: type=registry,ref=${{ env.ECR_REGISTRY }}/${{ env.ECR_REPOSITORY }}:buildcache
cache-to: type=registry,ref=${{ env.ECR_REGISTRY }}/${{ env.ECR_REPOSITORY }}:buildcache,mode=max
キャッシュの特徴比較
ローカルキャッシュの特徴
メリット
- 高速なアクセス(ローカルディスク上)
- セットアップが簡単
- GitHub Actionsの標準機能を使用
- 追加コストなし
デメリット
- GitHub Actionsのストレージ制限の対象
- キャッシュサイズに制限(10GB程度)
リモートキャッシュの特徴
メリット
- チーム間で共有可能
- 永続的な保存
- 容量制限がない(ECRの制限内)
- 異なるCI/CD環境でも使用可能
デメリット
- ネットワーク通信が必要
- ECRの追加コスト
- 権限設定が必要
まとめ
選択の基準:
- 小・中規模プロジェクト → ローカルキャッシュ
- 柔軟な運用・大規模チーム開発 → リモートキャッシュ
プロジェクトの規模や要件に応じて、適切なキャッシュ方式を選択することが重要です。