CYBIRD Advent Calendar 2025 21日目担当の @moffunnya です。
20日目は @cy-tatsuya-sakai(tatsuya sakai) さんの「【Unity】UGUI Shadersサンプルを使ったお手軽UI描画」でした。
Unity触れていないので自分もAIにお任せして何か作ってみたいです。
はじめに
今年(2025年)の11月に開催されたクラスメソッド様主催のゲームクリエイターズキャンプに参加してきました。
その中で紹介されていた誰でも使えるログ調査環境について、GitHubでクイックスタートが共有されていたので、興味本位で自分でも環境構築してさわってみました。
概要
本記事は、共有されたログ調査環境のクイックスタートの流れと、実際にさわってみた感想を述べていきます。
ログ調査環境のソース
手順
ローカルPC
| PC | Mackbook Pro |
|---|---|
| チップ | Apple M1 |
| OS | macOS Sonoma |
準備
事前に用意するものとしては、以下になります。
- Node.js 18.x以上
- npm 9.x以上
- Python 3.8以上(テストデータ生成用)
- AWSアカウント
- AWS CLI v2(config設定まで)
- Git
- jq
クイックスタート手順
# リポジトリのクローン
git clone https://github.com/egawa-takeki/amplify-duckdb-wasm-llm.git
# 移動
cd amplify-duckdb-wasm-llm
# 依存パッケージのインストール
npm install
# Amplifyバックエンドのデプロイ
npx ampx sandbox
# テストデータ(ログ)の生成とアップロード
./scripts/upload-test-logs.sh
# テストユーザーの作成
./scripts/setup-cognito-users.sh
# 開発サーバーの起動
npm run dev
これらのコマンドが実行完了したらブラウザで以下URLを開きます。
いざ、ログ調査環境へ
ログイン
入力するログイン情報は以下になります。
※初回ログインの際は、パスワード設定を求められるので適宜設定ください。
| メールアドレス(サンプル) | 初期パスワード | グループ | 権限 |
|---|---|---|---|
| team-alpha-user@example.com | TempPass123! | team-alpha | team-alphaのログのみ |
| team-beta-user@example.com | TempPass123! | team-beta | team-betaのログのみ |
| team-gamma-user@example.com | TempPass123! | team-gamma | team-gammaのログのみ |
| admin@example.com | AdminPass123! | team-admin | 全チームのログ |
adminが全チームのログを見ることができるので、私はadminのユーザーを使っていました!
入力してログインしようとすると、サンプルのメールで認証しようとしますが、
サンプルの使えないメールアドレスの為、「Skip」してください。
すると、あっという間に以下画面のように、ログ分析ツールが開きます。
使い方
流れ
- チーム選択
- RPG・パズル・カードの3つからどのログを分析するか選択
- 日付範囲選択
- 上記5項目から分析するログの期間を選択
- 「データをロード」ボタンをクリック
- ログについて質問
- データのロードが完了したら入力欄に知りたいことを入れてみる
- 「送信」ボタンを押す
- SQLのクエリが生成される
- 問題なければ「実行」をクリック
さわる前に最初に気になったところ
サンプルデータの内容
ログ調査にあたり、どんなサンプルログが生成されているのか確認しました。

見た感じだと、ゲームアプリのバックエンドや分析システムで記録された「イベントログ(行動履歴)」のデータのように見受けられます。
その為、どのレベル帯のプレイヤーが、いつ、どの機能を頻繁に使っているか(あるいはエラーに遭遇しているか)を追跡することができるようです。
質問項目をGeminiで生成してみた
どんな質問が効果的か知りたいと思ったので、サンプルログをGeminiに読み込ませて、数件ほど質問項目を生成してもらいました。
システムの安定性・不具合に関する質問
- LEVEL が ERROR であるログをすべて抽出し、EVENT_NAME ごとの発生件数を集計してください。
- EVENT_NAME が force_logout であるログの発生頻度と、影響を受けている PLAYER_ID の一覧を出してください。
- ERROR が発生しているプレイヤーの PLAYER_LEVEL に偏りがあるか確認してください。特定のレベル帯だけで起きていませんか?
ユーザー行動・エコノミーに関する質問
- ★currency_spend における ERROR と INFO の比率を算出し、失敗率を教えてください。
- ★EVENT_TYPE(social, battle, gachaなど)ごとの総イベント数を集計し、どの機能が最も利用されているか出してください。
セッション・時系列に関する質問
- TIMESTAMP を時間単位でまとめ、特定の時間に ERROR が集中して発生していないかグラフ化(または集計)してください。
- PLAYER_LEVEL が 50 以上の高レベルプレイヤーと、それ未満のプレイヤーで、EVENT_TYPE の利用傾向にどのような違いがあるか比較してください。
さわってみた
Geminiに生成してもらった★の項目が面白かったです!
★currency_spend における ERROR と INFO の比率を算出し、失敗率を教えてください。

通貨を支払ってもらう処理でどれだけエラーが起きてるか、といった観点で37%程エラーが起きているようです!
(※サンプルデータです!!)
★EVENT_TYPE(social, battle, gachaなど)ごとの総イベント数を集計し、どの機能が最も利用されているか出してください。


10種類ほどのイベントタイプがどれぐらい利用されているか、といった観点での質問でしたが、それぞれのイベントタイプがかなり均等に利用されていることがわかりました。
このログ調査環境について、表はもちろん、グラフ化可能なものはグラフ(円・棒グラフ)で表現してくれる為、ユーザーの動向を視覚的に把握しやすいですね!!
クリーンアップ
楽しい時間はこんなところで、環境を停止しましょう!
# 開発サーバーの削除
npx ampx sandbox delete
さいごに
今回、ゲームクリエイターズキャンプで紹介されていた「ログ調査環境」をさわってみました。
非エンジニアを含めた「誰でも」がログを調査できるようになれば、これまでエンジニアに偏りがちだった負担が分散されるだけでなく、非エンジニア側もエンジニアの回答を待つことなく、必要な情報をすぐに取得できるようになります。
その結果、非エンジニア側での状況把握や意思決定が素早くできるようになり、エンジニアは運用コストが削減されることで、より本来の業務に集中できる環境が整います。
この仕組みはとても画期的だと感じました。
キャンプのセッションでは、効率的なログの保存方法や、複数のモダンなソリューションを組み合わせた構築手法が紹介されていました。
個別のソリューションや実装方法については、また別途まとめたいと思います。
CYBIRD Advent Calendar 2025 22日目は @cy-n_ao さんの「今日の献立をGASに決めてもらうスプレッドシートを作ってみた」です。
お楽しみに!


