はじめに
Pythonを学び始めてしばらくすると、**「プログラムは動くけど、思った通りに結果が出ない…」という壁にぶつかることがあります。そんな時に役立つのがデバッガー(Debugger)**です。
本記事では、Visual Studio Code(VSCode)を使ってPythonコードをデバッグする方法を、プログラミング初心者にもわかるように丁寧に解説します。
VSCodeとPythonの基本的な操作から、デバッグの使い方・便利機能・トラブル対処法まで、全部カバーしています!
📌 この記事でできるようになること
- PythonファイルをVSCodeでデバッグする方法がわかる
- ブレークポイントの使い方がわかる
- ステップ実行でコードの流れを追える
- エラーの原因を効率的に見つけられる
🧰 1. 準備:必要なツールを揃えよう
🟢 まずは以下のツールをインストールしましょう
ツール名 | 説明 |
---|---|
Python | プログラミング言語。バージョン3.xを推奨 |
Visual Studio Code | 無料の人気エディタ |
Python拡張機能(VSCode内) | VSCodeでPythonを使うためのプラグイン |
✅ Python拡張機能をVSCodeに追加する手順
- VSCode左サイドバーの🔍「拡張機能(Extensions)」をクリック
- 検索窓に「Python」と入力
-
ms-python.python
(Microsoft製)の拡張機能を「インストール」 - VSCodeを再起動(推奨)
📌 インストール後は、.py
ファイルを開いたときに自動でPython拡張が動作します。
🐣 2. サンプルコードでデバッグ練習
以下の簡単なPythonコードをmain.py
として保存してみましょう。
def divide(a, b):
return a / b
if __name__ == "__main__":
x = 10
y = 0
result = divide(x, y)
print(f"結果: {result}")
🔍 このコードの問題点:
-
y = 0
によって10 / 0
を行い、ZeroDivisionError
が発生します。
🎯 3. デバッグの第一歩:ブレークポイントを設定する
ブレークポイントとは、「この行で一時停止してね」と指示する目印です。
✅ 設定方法
-
result = divide(x, y)
の左側、行番号の横をクリック - 赤い丸(●)がついたら成功!
📝 補足:
- 複数行にブレークポイントを付けることも可能
- 条件付きブレークポイントも設定できます(右クリック → 条件の追加)
▶️ 4. デバッグを開始する
🔧 初回起動時は少し準備が必要です
- サイドバーの「▶️ 実行とデバッグ」アイコンをクリック
- 上部の「デバッグの構成を選択してください」で「Pythonファイル」を選ぶ
-
main.py
が自動的に設定され、すぐに開始可能
🎉 準備が完了すると、デバッグバー(上部に小さなツールバー)が表示されます。
🔍 5. 実際にデバッグしてみよう
🛑 プログラムが一時停止したら
VSCodeがブレークポイントの行で停止します。
その状態で、以下の情報を確認できます:
- 変数の値(画面左の「変数」欄)
- 現在の実行位置(黄色い矢印)
- 呼び出し履歴(コールスタック)
🔁 6. ステップ実行を覚えよう
⏯ ステップ操作の種類
ボタン | 名前 | 動作 |
---|---|---|
▶️ | 続行(Continue) | 次のブレークポイントまで実行 |
⏭ | ステップオーバー | 次の行に進む(関数の中に入らない) |
⏬ | ステップイン | 関数の中に入ってデバッグ |
⏹ | 停止 | デバッグを終了 |
📝 ステップ実行は「実際にコードがどのように流れていくのか」を理解するのに最適です!
🔧 7. より便利に:launch.json のカスタマイズ
🧾 launch.jsonとは?
VSCodeでデバッグ構成を保存するためのファイルです。
.vscode/launch.json
に以下のように記述できます:
{
"version": "0.2.0",
"configurations": [
{
"name": "Python: main.py",
"type": "python",
"request": "launch",
"program": "${workspaceFolder}/main.py",
"console": "integratedTerminal"
}
]
}
🧠 8. よくあるエラーとデバッグのコツ
エラー | 原因と対策 |
---|---|
ZeroDivisionError |
割る数(除数)が0になっていないか確認 |
NameError |
変数名のスペルミスや定義忘れ |
TypeError |
不適切な型の操作(例:文字列 + 数値) |
🔍 デバッグのコツ3つ
-
エラーが出た行を読む
どこで、なにが、なぜエラーになったのかを見る -
ブレークポイントを細かく設定
不具合が起きそうなところを重点的にチェック -
Print文との併用もアリ
デバッグバーだけでなくprint()
を併用してもOK!
🧰 9. VSCodeデバッグの便利機能まとめ
🔄 変数のウォッチ
- 特定の変数を右クリック → 「ウォッチに追加」で常に監視
📏 表現式の評価(Watch/Debug Console)
-
x + y
などの式を評価して現在の値を確認
🧪 条件付きブレークポイント
- 「この変数がある値の時だけ止まってほしい」場合に便利!
📝 10. よく使うショートカットキー(おさらい)
操作 | Windows/Linux | macOS |
---|---|---|
デバッグ開始 | F5 |
F5 |
ステップオーバー | F10 |
F10 |
ステップイン | F11 |
F11 |
ステップアウト | Shift + F11 |
Shift + F11 |
デバッグ停止 | Shift + F5 |
Shift + F5 |
🏁 まとめ:デバッガーを味方につけよう!
VSCodeのデバッグ機能はとてもパワフルですが、使い方はとてもシンプルです。
- ブレークポイントを活用すれば、意図しない動きをその場でチェック
- ステップ実行で処理の流れを可視化
- エラーが怖くなくなる!
💡 バグは誰でも遭遇します。でもデバッグを覚えることで、コードを書く力が何倍にもなります!